パート1では、アワエイジ世代の乾燥の原因と対策について、パート2では顔の乾燥を防ぐ濃厚保湿についてご紹介しました。ここからはパート3です。老け見えの原因になったり、深刻な肌トラブルを起こすこともあるボディの乾燥。ローションやクリームで保湿するのはもちろん大切ですが、普段からできる、乾燥トラブル回避のための生活習慣も知っておきましょう。
乾燥老化
Part3
体・髪・頭皮も、
手抜きせずに乾燥ケアを
お話を伺ったのは…
Reiko Akasu
赤須玲子さん

1959年生まれ。医学博士。赤須医院院長。美容皮膚科の草分け的存在。確かな臨床経験と美容に精通したきめ細かな診察が好評。著書に『2週間でつるつる美肌になる本』『赤ちゃん肌に変わる「顔そり」スキンケア』(ともにマキノ出版)
乾燥肌トラブルは加齢に加え、
生活習慣にも原因が
大人の肌はとかく乾燥しやすいもの。保湿ケアが顔より行き届きにくいボディに、乾燥やかゆみを感じている人も多いようです。
「30代後半から皮脂分泌やターンオーバー機能が低下して、肌は水分と油分のバランスが乱れがち。皮脂量が少なくなると、角質層の保水機能が低下して肌は乾燥します。細胞間脂質の成分のひとつであるセラミドや、天然保湿因子が減少すると肌は潤いを失い、硬くなってしまいます。特に更年期になると、ホットフラッシュによる発汗もあって肌が乾燥する傾向は顕著に。ボディの乾燥しやすい部位は、皮脂腺の少ない脚のすねや腰まわりなど。皮脂腺が多い胸部や背中、頭は乾燥しにくい部位といえます」(赤須玲子先生)
たかが乾燥と侮ってケアを怠っていると、かゆみを招き、それが悪化すれば湿疹になってしまうこともあるそう。さっそくボディの保湿ケアを徹底したいところですが、空気の乾燥や加齢のほかに、日常生活の中に知らないうちに肌を乾燥させる要因があることも知っておかなければ!

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「エアコンなどの使用によって、湿度が40%を下回ると肌の乾燥はいっそう進みます。防寒のための発熱素材の下着や、就寝時に使う電気毛布なども、発汗を促し、温めることによって肌のかゆみが増すことも。また、ボディの洗浄に使うナイロン製タオルも摩擦によって角質層にダメージを与え、乾燥や湿疹の原因になります。まずは部屋の加湿を行うこと、脱脂作用が強い熱い湯ではなく、ぬるめの湯で入浴するなど生活習慣の見直しを。そして、ボディの保湿は入浴後なるべく早く、15分以内に行ってください。もし肌にかゆみが起こったら、かかずに早めの対処をし、湿疹を起こす悪循環に陥らないようにしましょう」
次ページに、肌乾燥を招く生活習慣についてまとめました。
日常的に使うものにも
乾燥を招く落とし穴が!
お風呂で使う
ナイロン製タオル
ナイロン製タオルの摩擦によって肌あれや湿疹を起こし、皮膚科に通うことになるケースも。固形ソープを泡立てて、手でなでるようにボディを洗うのが肌に優しくおすすめです
発熱素材の
あったかインナーウエア
気づかないうちにかいた汗が肌の刺激になって、肌あれや乾燥トラブルを招くことも! 肌に直接触れる下着は、木綿やすべりのいい素材のものを選ぶようにしましょう
電気毛布・
電気敷き布団
肌が乾燥しやすい人やかゆみを起こしている人は、体に直接当たって発汗を促す電気毛布・電気敷き布団の使用を極力避けて。寒いときは、ホットカーペットの上に布団を敷いて就寝すると快適です
トイレの
ハンドドライヤー
ハンドドライヤーを使うと、肌の水分が余計に奪われてしまいます。特に手あれがひどいときには注意。手洗いのあとは、なるべくハンカチなどで水気を拭き取り、ハンドクリームを忘れずに
次回は、乾燥が招く肌トラブルについてご紹介します。
撮影/天日恵美子〈モデル〉 ヘア&メイク/広瀬あつこ モデル/竹中友紀子 スタイリスト/日置 彩 イラスト/きくちりえ(Softdesign) 取材・原文/中込久理