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十和子道第18回「50歳を過ぎたら、美人と思われる秘訣は顔より髪にあり」(後編)

君島十和子

君島十和子

君島十和子. 1966年生まれ。モデルとして活躍後女優に。1996年、結婚を機に芸能界を引退。現在は自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして数々のヒットを生み出している。2女の母。

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取材期間1年以上、収録写真は約400点。自宅で撮影し、オール私服で登場した〝ライフスタイルブック〟の決定版、それが『十和子道』。発売されるや瞬く間に大増刷され、なんと6刷を記録した大ヒット本です。その本のもととなった連載(過去にOurAgeにて配信されたもの)の一部をお見せします!

「十和子道」 第18回

「50歳を過ぎたら、美人と思われる秘訣は顔より髪にあり」(後編)

 

50代とは「美人」の定義が変わる年代です。

 

目鼻立ちの整った華やかな顔、ノーブルで洗練されたフォルムの横顔、黄金比率の絶妙なフェイスレイアウト、シミやシワひとつないパーフェクトな美肌…そんな〝ザ・美人〟に憧れつつも、叶わぬ夢とあきらめていたとしたら50歳以降はチャンスです。

 

ザ・美人を楽々と超えていってしまうもの、それは雰囲気美人。

 

 

印象とは曖昧なものですが、年齢を重ねてきた女性にとっては、自分そのものが出てしまう核心的なものであり、具体です。やはりそれも自分が50歳になった今だからこそわかったこと。

「素敵な人だった!」と、印象に残る人の共通点は、生き生きとした雰囲気をまとっている人=雰囲気美人です。

その大事な「雰囲気」(もしくはオーラといっていいものかも)をつくる最たるもののひとつが髪だと思うのです。

 

 

髪は、年齢はもちろん、女性としてのタイプ、セクシャリティ、ライフスタイル、果ては能力や力量まで雄弁に語ってしまうもの。

だから、もっともっと「髪」に愛情をかけなくてはいけないと思うようになりました。

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(自分でチェックしやすいので、毛先の状態もしっかり、まめに確認します)

 

最近、欧米のおしゃれなマダムたちが表紙を飾る本が数多く出版されていますが、彼女たちの若々しさと美しさには圧倒されます。

 

 

20~30代なら「若さ」において分があるのは日本人女性かもしれません。しかし、50歳を過ぎると、とたんに欧米の女性は魅力的に若返る気がするのです。それは彼女たちの放つエネルギーや個性の豊かさでしょう。

そのエネルギーこそが、「雰囲気」であり、欧米のマダムと私たち世代の日本人女性、同じ50歳で何が一番違うのかといえば、髪なのでは、と。

 

 

欧米のマダムだけではなく、日本でもゴージャスでエレガントな白髪の女性が増えてきました。島田順子さんや草笛光子さんの豊かな白髪のなんと素敵で魅惑的なことでしょうか。

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(書店で見て即購入した島田順子さんの本)

 

ティーンエイジャーがアイドルや女優さんに憧れその髪型を真似るように、50代になる私も、もう一度、目指す髪型に憧れることから始めようと思うのです。

 

ではここからはいよいよ前回の続き、〝十和子流ヘアケアの流儀〟のご紹介に入りたいと思います。

 

流儀②洗髪のお湯の温度は37℃で。最後は冷水できゅっと引き締める

 

洗髪でこだわっているのはお湯の温度。シャンプーを流すときは人肌(37℃程度)ぐらいのぬるま湯でしっかりすすぎます(熱いお湯では頭皮を乾燥させ、逆に皮脂の過剰分泌を招いてしまうので)。トリートメントはぬるま湯でおおかたすすいだあと、最後は冷水(18℃程度)をかけて、キューティクルをきゅっとしめます。

最後にかける冷水は(手持ち可の)シャワーを使って、そろりそろりとかけてください。勢いよく出すと体にかかってしまい、冬などは大変な惨事に…(笑)。私は浴槽にゆっくりとつかり体を熱々に温めているので、冷水でも心地よいくらいですが、始めたころは主人から「荒行? 修行?」と、驚かれたことも(笑)。頭皮と毛髪を冷水でしめることで、さらに血行がよくなり、毛一本一本にコシとハリが出るので、寒がりな私ですが、こればかりはやめられません。

十和子髪 シャワー

余談ですが、くれぐれも、シャワーを適温に戻すことをお忘れなく。「ママ!シャワーの温度(ダイヤル)をちゃんと元に戻しておいてって言ったでしょ!また冷たい水が出てきたー!」と、娘によく怒られています…。

 

流儀③シンプルな便利グッズをどんどん活用する!

 

シャンプー時はスカルプブラシを使って頭皮を洗浄しながらマッサージしています。

 

これもゴシゴシと頭皮を擦るのではなく、ブラシの先端で頭皮をしっかり掴み、筋肉ごと動かすのがコツ。「シャカシャカではなく、グゥー」といった感じです。私は左右の手に敢えて硬度の違うスカルプブラシを持ってマッサージ洗いしていますが、ブラシの触感が違うと地肌への刺激が意識できて、じっくりマッサージできますし、なにより時短になります(笑)。シャンプーの途中で左右のブラシを持ち替えます。

 

スカルプブラシは特別なものではなく、ドラッグストアなどで売っているごくごく一般的なモノ。私はお肌(顔)にはツールの類は一切使いませんが、頭皮はある程度は「自己流」が許される部位だと思っているので(お肌に比べれば丈夫)、便利なツールは積極的に試して、活用するようにしています。ツール選びのポイントは「機能や形態がシンプルであること」と「高価過ぎないこと」。

 

日々のコツコツをサポートしてくれるのは案外、安価な良品かなと思うのです。

 

豊かな髪を結い上げている夜の銀座の女性は1週間に一度はプロのスペシャルなヘアケア(シャンプーやクレンジングやマッサージ)を受けるというお話を聞いたことがあります。羨ましい限りですが、私はそう頻繁には美容院に行けませんので、「となれば自分でやるしかないわ!」と、今日もツールを駆使して頑張っています!(笑)。

十和子髪 マッサージブラシ

(上の写真右)MHシャンプーマッサージブラシ/モッズ・ヘア 「こちらがハードめ。頭皮を掴んで、グゥーッと揺らす感じで」

(上の写真左)メリット シャンプーブラシ/花王 「頭皮に当たる先端部分がソフトなので、少々気合が入りすぎてシャカシャカになっても大丈夫かな、と(笑)」

 

 

流儀④濡れた髪で放置しない

 

シャンプー後の濡れた髪は、タオルドライをしてドライヤーで乾かしますが、私は毛先が7~8割ほど乾いたらドライイングは終了です。高熱をあて続けると髪の水分が蒸発し、どうしても傷んでしまうので、完全に乾ききるまでドライヤーをかけ続けることはしません。

まず、ひとところに熱を集中させないように、ドライヤーの送風口を動かしながら(小刻みに振る感じです)、髪の毛全体に温風をあて、水が滴り落ちない程度まで乾いたら、前屈姿勢になって、頭を思いきり下にさげます(体はほとんど二つ折り)。

 

 

頭を逆さの状態にしたまま、指で髪の根元を前後左右に動かし、ドライヤーの空気を上から下に向かって入れて乾かしていきます。こうすることで髪は根元からふっくらと立ち上がるので、前屈が少々きつくとも、ここは我慢我慢(笑)。

 

毛先は少々湿っていてもよしとします。もともと乾燥しがちで傷みやすいものですので、あえて温風をあててパリパリに乾かす必要はありません。

ただ地肌だけは熱過ぎない温風でしっかり風を入れます。

最後に、50度くらいの温風で地肌を乾かしてドライ終了。

ドライヤーを上手に使い、丁寧に乾かすと髪の仕上がりが断然違います。

 

根元がふっくらと立ちあがるだけで、5才くらいは簡単に若返って見えるのです。

ということは根元がぺしゃんこになれば、それだけで5才は老け込むということ…。

根元、恐るべし、です。

 

流儀⑤髪だって、ちゃんとUVケアする!

 

頭皮も髪も肌以上に日焼けをします。皮脂の出る頭皮を紫外線にさらすことは、自家用サンオイルで「さぁ焼いてください」言っているようなもの。長時間屋外に出る場合は毛髪には主に市販のUVカットスプレーを使用しています。成分などをじっくりみると手放しでオススメできるものではないのですが、「素髪」で紫外線にさらされるダメージを考えると、やはりUVケアはするべきだと思います。

 

つむじや分け目などの地肌には通常のUVクリーム(肌用でOK)を直接塗ってやはり紫外線をきっちりカットしています。

 

十和子髪 ハット

(美肌美髪の天敵にして、エイジングの要因でもある紫外線とは、1年を通じて徹底的に戦う姿勢の十和子さん。お気に入りのボルサリーノのストローハットは春夏の必須アイテム)

 

そして、エイジングの進むヘアに惜しげなく使いたいのがオイルです。毛先のパサつきやごわつきは、「枯れ」をダイレクトに感じさせてしまう要因ですので、こまめに塗りこんでケアするようにしています。髪においてのプライオリティーは、「ツヤ感」だと思っているので、もっともっと「オイルの力」を借りるべき。

 

頭皮は肌に比べ、おざなりにしやすいパーツですが、私たち世代が最優先で、手間とお金をかけるべきところだと思うのです。

オイル、育毛ローション、シャンプーは品質にもっともっとこだわって。

衰え始めた髪の応えは、肌より早く、そして着実です。

 

 

髪が増え、髪質も良くなると女性としての大きな自信が戻ってきます。

「雰囲気美人」を作るものは、成熟したエネルギーと自信と個性。

「雰囲気」は曖昧なものだからこそ、自分の意識ひとつで変えることが可能だと思うのです。

 

だから、私はいくつになってもあきらめずに毎日毎日丁寧に髪をケアし、いくつになってもなりたい自分の姿をイメージすることをやめません。

さて10年後、私はどんな髪の持ち主になっているでしょうか。

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撮影/冨樫実和 取材・文/稲田美保 ヘア/黒田啓蔵

*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点

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