さてさて、“江戸小紋”工場見学の第2回、いよいよ工場見学です!
あ、前回も読んでみてくださいねー。
廣瀬染物工場・4代目廣瀬さんに案内していただいています。
工場はお宅の離れにあります。
ブランドの設立は大正7年(1918年)、工場は昭和5年(1930年)に建てられたもの。
戦火もくぐりぬけた、風格ある工場。職人さんたちの気合や息遣いまでが沁み込んでいるよう。
さて、江戸小紋、染付けの工程です。
1. 色糊の調整
もち粉と米ぬかを混ぜて蒸した、いわゆる“糊”に染料を加えて色を出します。
奥の保管庫には、さらにいろいろな色が保管されていました。
色の出方は、温度や湿度の影響を受けやすいので、思ったとおりの色を出すのは
難しいんだそうです。
2. 型付け
これぞ、職人芸!!
難しく、緊張を強いられる作業だそう。
長板に白生地を張り、その上に型紙を乗せ、ヘラで糊を置いていく作業。
長い布に、型紙を移動させながら、つなぎ目がまったくわからないように、模様を写し取っていく。
このテクニックに、職人の腕が問われるようです。
3.地色染め
糊が乾いたら生地を板からはがし、染料の入っている糊を生地全体に平均に塗り付ける作業。
「しごき染め」というんだそうです。すみません、こちらは写真なしです。
4. 蒸し
地色糊が乾かないうちに蒸し箱にいれ、摂氏90度~100度で30分間蒸します。
雰囲気のある蒸し箱は
「ヒノキです。でも湿気がすごいので、15年くらいでダメになります。
ダメになったら作り変えていますね」
5. 水洗い
おおー、これこそ目の前の神田川で行われていた作業ですね。
「昭和30年くらいまではそうでした。現在は、井戸でくみ上げた地下水を使っています」
キレイな水があればこそ、の染物なんでしょうね。
ジャブジャブ洗ってる作業は、こちらの気持ちまで洗われる感じ♪
さらに
6. 天日干し
7. 地直し
という作業を経て、江戸小紋の布が仕上がっていくのだそう。
ちょうどピンクの迷彩柄を洗っていたところでした。
これを天日で干して、地直し(最終修正)をして仕上げます。
うーん、興味深かったですー。
さらに染めて絵柄を出すための素材、型紙も見せていただきました。
うわー、細かい!! 美しいーー!
「型紙を彫る、いい職人さんは伊勢にいます。型紙職人と染め職人はライバル関係(笑)。
こんな細かい柄は染められるまい、なんのもっと細かくても染めてやるぜ、そんな風に
切磋琢磨して、技術を磨いていたようです」
やっぱり、いいライバルって大切ですね。
そんな風に、楽しみながら、いつの間にか腕が上がっていた……いい話だなぁ。
江戸文化の奥深さ、楽しさ、繊細さ……いろいろ味わっていい気分になったふみっちーです。
さて、廣瀬さんの江戸小紋に触れてみたいと思った方、朗報です!
デザイナー20周年を迎えた丸山敬太さんとcomment!がコラボ!
10月15日(水)~21(火) 伊勢丹 新宿店1F THE STAGEで開催。
気になる方はゼヒゼヒお立ち寄りくださいねー!
こちらの江戸小紋の柄でストールを作る予定だそう。
カシミア50%、シルク50%、軽くて、首元にあしらいやすい薄さ。
近くで見ると細かな柄(鮫小紋)が見え、贅沢な素材ということがわかります。
ふみっちーも楽しみです♪ このサンプル生地がどんな風に仕上がるか、
楽しみに見に行くつもりです!
※廣瀬雄一さんのブログはこちらです。こちらも見てみてくださいね。
<http://hyuichi.exblog.jp/>