内臓脂肪を減らすためには、水分補給で新陳代謝をスムーズにすることも大切。その目安は?
内臓脂肪を落とす食事ルール
水は1日1.2ℓ
ヒトの体の約60%は水分です。水は新陳代謝をスムーズにし、老廃物を出しやすくするので、内臓脂肪を減らすためにも必須。
厚生労働省が2022年から推奨している「健康のため水を飲もう」推進運動では、1日に2.5ℓの水が必要とあります。食事由来の水分もあるので、飲み水からとる水分は1.2ℓ程度の計算に。
カフェインをとりすぎない
コーヒーや緑茶に入っているカフェインは、アドレナリンを刺激して脂肪を燃焼させる効果があるといわれます。
一方でカフェインは、脂肪燃焼に不可欠な睡眠を妨げるのも事実。夕方から夜にはとらないこと。
また、カフェインは利尿作用があるため、せっかくとった水分が無駄になるのも残念!
ひと口30回は嚙む
脂肪の多い人には早食いの人が多いといわれます。なかには「食事時間は15分」という人もいます。
食欲はレプチンというホルモンが脳の満腹中枢に働きかけることで抑えられるもの。でもこのホルモン、食べはじめてから20分程度たたないと分泌されません。ゆっくり食べるほうがよいのはそのため。
また、しっかり咀嚼(そしゃく)することは消化吸収を高め、代謝の低下を防ぎ、脂肪が燃焼しやすい体づくりに貢献します。
そのためにも、ひと口につき30回は嚙む習慣をつけましょう。硬いものなら40回でもどうぞ。
監修
横山裕一さん
Hirokazu Yokoyama
1959年生まれ。慶應義塾大学保健管理センター教授。医学博士。当初、アルコール代謝を研究、米国留学中、アルコール脱水素酵素(ADH7)の遺伝子解析に従事。本センター異動後は、飲酒を含めた生活習慣、メタボリックシンドローム、脂肪肝などをテーマに数々の研究成果を報告。著書に『こうして落とす! 女性の内臓脂肪』(PHP 研究所)
栗原 毅さん
Takeshi Kurihara
1951年生まれ。栗原クリニック東京・日本橋院長。医学博士。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく病気予防にも力を注ぎ、わかりやすい生活習慣指導に定評あり。肝臓専門医の視点を生かした消化器疾患、糖尿病、高脂血症、脂肪肝、内臓脂肪、肥満などに関する著書多数。クリニックは連日、健康を気遣う中高年で満員に。
ホームページはコチラ
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子