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https://ourage.jp/life/interview/261683/

見習いたい!ACIDMAN大木伸夫さんのポジティブさ(インタビュー/前編)

10月27日に約4年ぶりのアルバム『INNOCENCE』をリリースするロックバンドACIDMAN。

静と動を併せ持ち、生命や宇宙の深淵なる世界を表現し続けてきた彼ら。

コロナ禍というミュージシャン受難の時代に何を思い、どう行動してきたのか。フロントマンである大木伸夫さんに話を聞いた。

 

撮影/萩庭桂太 取材・文/本誌編集部

ACIDMAN 大木伸夫さん

大木伸夫さん

Profile

おおき・のぶお●’77年8月3日、埼玉県生まれ。高校時代の同級生、佐藤雅俊(B)、浦山一悟(D)らとともに’02年、ACIDMAN(アシッドマン)としてアルバム『創』でメジャーデビュー。ボーカル&ギター担当。6度の日本武道館ライブを成功させ、数々のロックフェスの大トリを務める。10月27日に、4年ぶり12枚目となるオリジナルアルバム『INNOCENCE』をリリース。http://www.acidman.jp/

 

悩んでる時間があるなら

乗り越えた自分を想像する

 

「言ってみれば、ずっとコロナ禍みたいなことを歌ってきたんですよね。人はいつか死んでしまうというテーマのもと、その悲しみやもどかしさを何とかポジティブに変換できるような世界観で。

こういう危機的な状況になって、より強く自信を持って自分の言葉を表に出そうという気持ちになりました」

 

コロナ禍で「音楽は不要不急なもの」という世の中の空気には、どう感じていましたか?

 

「最初はその通りだと思ってました。震災の時もそうでしたけど。

いざ自分が溺れかかったときに、音楽を聴くのと浮き輪を取るのとどちらを選ぶかといったら浮き輪だし、めちゃくちゃ腹が減ってるときにカレーパンと音楽だったらカレーパンを取るし。やっぱり生命にとって究極のときに、音楽はいらない。

だけどコロナに関していろいろ分かってきた現段階でも、そう言われ続けるのはおかしいと思っています」

 

久々のライブのMCで、このコロナ禍の毎日について「荒波の中を、とにかく泳いでいた」と語っていたのが印象的でした。

 

「泳いでいたのか溺れていたのか分からないけど、無我夢中で行動していたので、いわゆる思い悩むような苦しさは味わっていないですね。そんな暇がなかったと言えばいいのかもしれないけど。

ライブができなくなるとかツアーが中止になっちゃうとか、将来的な不安みたいなものは常に持っているので、それはコロナだろうが変わらないんですよ。

いつも緊張感というか、燃えて生きているので(笑)、今回のことも、ただいつもより燃料を多く燃やしたというだけで、感情、感覚は一緒。泳ぎ方は一緒だけど、もっとバタバタ泳いだ感じです」

 

震災以降、毎年3月11日には福島でライブを行っているACIDMAN。2020年は急遽、YouTubeでサプライズ的な生配信ライブに切り替えた。

2020年9月には、声が出せないのであればと、インストゥルメンタルのライブを広い会場でキャパ半分・1日2回公演行ったり、とにかく今できることを次々と行ってきた。

 

「日々の悩みは山ほどあるけど、悩みに埋もれる時間があるなら、悩みを乗り越えた自分を想像するというか。『思考は現実化する』じゃないけど、そっちをイメージした方が絶対楽しいし、結果、現実になると思うので、悩んでいるときは『危ない、危ない』って自分を戒めますね」

ACIDMAN 大木伸夫さん

前作『Λ(ラムダ)』から約4年ぶりにリリースされる12枚目のオリジナルアルバム『INNOCENCE』は、ACIDMANらしさ全開。

心臓の鼓動のような音で始まる『introduction』から軽やかな『Visitor』に続き、激しいロックナンバー『歪んだ光』や『夜のために』、そしてインストゥルメンタルの『Link』などをはさみながら、アルバムタイトル曲『innocence』と、美しい希望を歌う『ファンファーレ』で壮大に締めくくる。

 

 

「僕にはアルバムで聴いてもらうという以外の選択肢はあまりなくて、映画を観る感覚で作品に向き合ってもらいたいと思っているんです。

今はCDを買う人が減っていて、音楽を1曲単位で聴いたり、ランダムにおすすめされたものを聴いたりしている。でも、その最先端の機能で出会ったことが超アナログなレコードを買うという行為に繋がったりしていて、相乗効果もあると思う。

音楽も多様性というか、カラオケっぽく聴くのもいいし、踊るための曲でもいいし、キャッチーな歌が流行ればみんなで歌えばいい。

でも僕みたいなソングライターの場合は、たった数秒でジャッジされるものじゃなくて、『ちょっと長いけど1時間聴いて、ひとつの世界を感じてください』という音楽を届けたい。

それぞれの住み分けというか、差が明確になって、逆に今のほうがいいのでは?と思っています」

ACIDMAN 大木伸夫さん

アルバムタイトル『INNOCENCE』に込めた思いとは?

 

「人はみな純真無垢な状態で生まれ、生きていく間にどんどん汚れていくんだけど、年を経るごとに無垢な美しさへの憧れが増してきて、どこかのタイミングでまた真っ白な方向に戻っていくような気がするんですね。

若い頃は汚れていく悲しみや絶望、後悔の方が多かったけれど、折り返していくグラフのように、今はまた希望を目指しているんじゃないか、目指したいと思って『イノセンス』と名付けました」

 

『素晴らしき世界』という曲の中で、大木さんは「石に刻まれた名誉だって 風に削られて消えるんだ」「やがて僕らは皆歳をとって 遥かなる声に気づいて ほんの少しだけ 涙の訳を知る」そして「それは素敵な事さ」と歌う。

 

人は必ず死んでしまうけれど、だからこそ人生が愛しくて、歳を重ねることも肯定したくなる。そんな大木さんの健全な精神と肉体の秘密は、インタビュー後編で!

 

(長年続けている健康法や、体重のコントロール術を語ったインタビュー後編はコチラ

 

『INNOCENCE』

ACIDMAN 「INNOCENCE」ジャケ写

2020年発売のシングル『灰色の街』、配信リリースされた『Rebirth』(アニメ『あひるの空』オープニングテーマ曲)を含む全11曲。通常版3080円。MV4曲とDocumentary2019-2021、2021.5.21「ACIDMANニューアルバム配信ライブ」をノーカット完全収録したDVD付き初回限定盤は6600円。(ユニバーサルミュージック)

 

 

 

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