スウェーデンの木製サンタクロースにもひとめぼれ!
私が初めてフィンランドのクリスマスを体験したのは、2017年のことでした。
その年は、フィンランド北部の町「レヴィ」で、どこまでも続く樹氷の世界を堪能したり、人生初のオーロラ観賞をしたりと、一生忘れることができない感動的な出来事がたくさんあったのですが、思いがけず、私の心をわしづかみにしたのは、この子でした。
藁でできたクリスマスのオーナメント。フィンランド語で「オルキプッキ」、スウェーデン語で「ユールボック」と呼ばれています。
上の写真は、ヘルシンキから電車で2時間の街、タンペレのクリスマスマーケットで見つけたもの。素朴なんだけど、一度目にしたら気になってしかたがない存在でした。でもそのときはトナカイだと思い込んでいたんですよね。だって、クリスマスの話に出てくる四足歩行の動物といえばトナカイですもの。
帰国後、絵にしようと思って調べてみたら、トナカイではなくヤギであることが判明。元々は、北欧神話に登場する神、トールの車を引いた2頭のヤギを表したものだそう。
今ではクリスマスのシンボルとして、お店のショーウィンドウや、家庭でも飾られています。
ほら、こんなふうに!
以来、クリスマスシーズンになると、このヤギのモチーフを描かずにはいられなくなりました。よく見ると、それぞれ個性があって、ツノの編み込みや顔まわりの造形が異なるので、見れば見るほど気になります。
今年、とある仕事でクリスマスの絵本を探したり、読み返したりしているときに、スウェーデンのクリスマス絵本と出会いました。スウェーデンを代表する絵本作家エルサ・ベスコフの『ペッテルとロッタのクリスマス』(福音館書店)です。
驚いたことに、この絵本には「やぎおじさん」と呼ばれる人物が登場し、子どもたちにクリスマスプレゼントをくれるのです。「え、それってサンタクロースの仕事では?」と思って、調べると、北欧ではこのヤギがプレゼントを運んでくると言われているのだそう。
さらに、この絵本には、キノコ、ブルーベリー、リンネソウ、キャンドル、キッチン、焼き菓子など、北欧らしい植物や調度品があちこちに描かれているので、ストーリー以外の部分でも北欧好きの心をくすぐります。
そんなことを考えていた頃、ふらりと立ち寄ったIKEAで見つけちゃいました、ユールボック! 最近のお気に入りと一緒に並べて、スウェーデンのお茶の時間「フィーカ」にしましょう。
木製のサンタクロースは、今年の一目惚れ。スウェーデンのブランド「ラッセントレー」のもの。一度街で見かけて、ずっと気になっていました。何日経っても忘れられず、やっぱりほしい!と思ったので、お迎えしました。
私は鎌倉の北欧雑貨店「クローネ」 で購入したのですが、こちらのサンタクロースは大中小の3サイズあり、それらが15個くらいギュッと集まって飾られている様子がかわいすぎてツボでした。でもさすがに全部は買えないので(笑)、迷いに迷って2つをセレクト。
クッキーも実は北欧にちなんだもので、スウェーデン王室御用達の「北欧紅茶」と、かわいいパッケージが人気の「西光亭」のコラボ商品。
北欧紅茶はこの連載でも紹介しましたが、一度飲んだら豊かな香りと濃厚な味にはまってしまい、大きな仕事を終えたときのご褒美など、特別なときに買いたい逸品になりました。
その北欧紅茶のクッキーが発売になったと聞き、焼き菓子好きとしては黙ってはいられません(笑)。早速、ブルーの箱の「ちょっと息抜き(スパイスブレンド)」をいただきました。ほろほろとした食感とほんのりときいたスパイスがとってもおいしい! 年末年始の帰省の手土産にもおすすめです。
星型のパイ「ヨウルトルットゥ」とシナモンロールのラスクは、鎌倉の「ライ麦ハウスベーカリー」のもの。「ヨウルトルットゥ」については、昨年記事を書いたので、ぜひそちらもご覧くださいね。
新谷麻佐子さんの北欧旅連載
『今人気の田園ツーリズム。フィンランド、ラトビア、エストニアに行ってきました!』