寒い季節に恋しくなる鍋。漢方や薬膳の知恵で、免疫力低下や疲れ、イライラ、不眠など大人の悩みを解決する鍋を、料理家のちづかみゆきさんがご紹介していきます。第1回目はエネルギーを補い、免疫力強化をサポートしてくれる鶏肉とまいたけと、体を中から温めてくれるしょうがを使った鍋です。
レシピを教えていただいたのは・・・
ちづかみゆきさん
Miyuki Chizuka
料理家。国際中医薬膳師。薬膳料理教室「meixue(メイシュエ)」主宰。国立北京中医薬大学日本校にて薬膳を学ぶ。著書に『巣ごもりごはん便利帳 週2回の買い物でできる不調ケアレシピ』(翔泳社)など
賢いセルフケアでリセット&メンテナンスを
健美鍋を提案してくれたのは国際中医薬膳師のちづかみゆきさん。
「鍋は、タンパク質も野菜もたっぷりとれるうえ、体が温まるので、これからの冷えやすい季節にぴったりのメニュー。素材を切って調味料とともに煮るだけで簡単にできるのも魅力です。
さらに今回紹介する鍋は、薬膳の考え方に基づき、気(生命活動を行うエネルギー)を補う食材や、血(けつ)(血液)を補う食材、余分な水分を排出する食材など、その不調の改善に効果的な働きを持つ食材を選んで組み合わせているので、体調を整えたいときにおすすめ。薬膳といってもスーパーで買える身近な食材で手軽に作れるので、さっそく取り入れてみてください」
<免疫力>
気を補い体を温め、免疫力をつける
鶏とまいたけとにらの黒酢鍋
●材料(2人分)
- 鶏手羽中……300g
- まいたけ……150g
- にら……1/2束
<A>
- 黒酢……大さじ3
- しょうゆ……大さじ1
- きび砂糖……小さじ1
- 塩……ひとつまみ
- 酒……大さじ2
- しょうが(スライス)……10枚
- 水……600㎖
●作り方
- 1.まいたけは適当な大きさにほぐす。鶏手羽中をボウルに入れ、たっぷりの熱湯をかけて湯引きし、湯を捨てる。にらは5㎜幅に刻む。
- 2.鍋にAと鶏手羽中を入れて火にかけ、沸騰したらまいたけを加えて煮て、にらを散らす。
この食材が効く!
鶏肉とまいたけには気=エネルギーを補う作用があり、免疫力強化をサポート。まいたけには免疫力を高めるとされるβ-グルカンも豊富。にら、しょうがは体を温めて免疫力低下を防止。
いつもの鍋をもっとおいしくするつけだれ
いつもの鍋も、つけだれを替えるだけでひと味もふた味も違うおいしさに。ちづかさんおすすめの、不調も改善できるつけだれはこの4つ。
冷えや疲れの改善に
にらしょうが玉ねぎだれ
「にら、しょうが、玉ねぎと3つの温め食材を使ったたれ。牛肉や豚肉などの鍋に最適」。
にら(小口切り)2本分、しょうが(みじん切り)大さじ1、玉ねぎ(みじん切り)大さじ1を耐熱容器に入れ、小鍋で煙が出るくらいまで熱したごま油大さじ2を回しかけて混ぜる。
オイスターソース大さじ1、しょうゆ小さじ1/2を加えて混ぜ合わせる。
イライラを抑えたいときに
トマトクミンしょうゆだれ
ミディトマト(皮ごと粗みじんに切る)1個分、クミンシード2~3つまみ(なければパウダー2~3ふりでも)、しょうゆ大さじ1、リンゴ酢大さじ1/2を混ぜ合わせる。
「ほうれん草&豚肉を使った常夜鍋をはじめ、どんな鍋にも合います」
免疫力アップに
おろしセロリ塩麴
セロリの茎1本分を、筋を取ってからすりおろし、セロリの葉のみじん切り少々、塩麴大さじ1、レモン汁小さじ1を混ぜ合わせる。
「水炊きの大根おろしだれの代わりなどに。さっぱりと爽やかにいただけます」
肌の乾燥、冷えに
ごまレモンカレー
白練りごま大さじ2、レモン汁大さじ1、カレー粉小さじ1/2、塩ふたつまみ 水大さじ1を混ぜ合わせる。
「しゃぶしゃぶのたれにすると、いつもと違うエスニックな味が楽しめます」
体に効く!健美スープ&鍋でご紹介したレシピは、下のリンクから読むことができます。
【特集】体に効く!健美スープ&鍋
撮影/神林 環 スタイリスト/洲脇佑美 取材・原文/和田美穂 撮影協力/UTUWA