~滋賀県・大津百町~商店街ホテル・大津 講と自然坊 たなか
みなさま。少し間が空いてしまってすみません。実は、家に籠って、新しい著書を執筆しておりました。ようやく原稿が完成し、10月19日に発売となります。タイトルは「感動の温泉宿100」(文藝春秋新書)よろしくお願いいたします。
さて。また、旅に出かける日々が始まりました。秋の京都へでかけまして、さらに足をのばして、琵琶湖のほとり、大津にできた、新しい宿へいってまいりました。そこは、商店街の町屋を改装したホテル。夕食は外ごはんです。大津百町にある評判の割烹料理店「自然坊 たなか」を予約しました。ここは、遠くからも通ってくる常連さんもいらしゃるお店。とってもワクワクなのです。
この日は中秋の名月の2日前でした。「芋名月でございますので、本日の前菜は芋の葉にのせております」里芋は小さなクロケットになっています。ほおづきの実に見立てたのはマイクロトマト。イチジクの和え物など夏から秋への移ろいを感じる品々。
今回の旅ごはんは、滋賀県・大津の「自然坊 たなか」の夕食です。田中さんは京都で最も予約が取りにくい名店のひとつ「草喰 なかひがし」で働いていました。その店を愛していた常連さんのひとりが、この大津に創業本店がある叶匠寿庵の元会長。地元商店街の活性のためには美味しいものが食べられる店が必要という思いから相談をして、田中さんの店「自然坊 たなか」が大津に誕生することになったそうです。なかひがしで修業した経験をもとに、野菜や山のものを中心に魚や肉をいただく料理のコースを味わえます。
炭火で焼いた茄子の芳ばしい香りと白味噌の甘くて優しい味わいの椀。野菜の美味しさがストレートに伝わります。
なかひがし同様の釜炊きごはんのおくどさんと炭火焼きの囲炉裏が真ん中に。鮎の笹巻きを仕上げる料理人の田中さん。
頭は唐揚げ、骨は焼いて、カリカリと味わい、身はアカヤマドリダケという、とろみのある珍しいきのこのソースでじっくり蒸し焼きに、秋を感じる稲穂の米も美味しくいただけます。
熟成した味わいの信州サーモンとぷりぷりのいくら。白い淡雪のようなものは、なんと、大根おろしのシャーベット。これを薬味にすると、冷たくてぴりりと辛みのある味わいが、ねっとり旨味のある魚を引き立てて驚きの美味しさ。
秋の王道、松茸とはも。脂がのったはもの上品な旨味と松茸の香り。こりこりとした歯ごたえ、スダチの香り。う~ん。幸せです。
近江牛を塊で炭火で焼き上げる、近江牛の炭焼きは、塩とわさびで。お肉はもちろんなのですが、つけあわされているジャガイモと小ネギの美味しいこと!野菜を美味しく食べていただきたいという田中さんの言葉をしみじみと思い出しました。
「ちょっと、こんなことしちゃっていいですか?っていうものなのですが・・・。」と、微笑みながら出してくださった逸品は。。。。毎年、山梨県の小淵沢から取り寄せるという天然のコウタケ。その上に自家製のからすみ。
ちょっと失礼して裏側からご覧にいれますと・・・。その下には炊きたてのごはんがちょっと、そして、なんと、アワビとアワビの肝ソース!!誕生日とクリスマスとお正月が一緒になっちゃったみたいな、酒飲み三段活用のような、ゴージャスな逸品でございます。こういうお楽しみを主人とおしゃべりしながら味わえるのは、わずか8席のカウンターの料理店ならではですね。このあと、正式に釜炊きごはんと、数種類の山のご馳走がごはんの供にでてきます。そして、デザートまですべて丁寧な手作り。すばらしくご機嫌な夕食でした。
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泊まっているのは、「商店街ホテル・大津百町 講」。このような商店街の中の町屋を改装した一軒家スタイルのお部屋です。わたしの一夜のおうちは、「自然坊 たなか」から、歩いて1分。ほろよいでもすぐにおうちに帰れます。
中はこんな風にすてきに改装されております。土間を上がるとフローリングのリビングダイニング。キッチンもあって、長期滞在したくなります。
2階がベッドルーム。書斎机もあるし、もちろんWi-Fi完備。大津や琵琶湖にかかわる本もいろいろ置いてあって楽しい。
温泉はないのですが、檜のお風呂で、豊富な琵琶湖の水ですから、お湯もやわらかくて気持ちのいいお風呂。ぐっすり眠って、明日は、比叡山へお参りにでかけます。
※「商店街ホテル・大津百町 講」の詳しい記事は、こちらにあります。
自然坊たなか
商店街ホテル・大津百町 講
石井宏子
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