こんにちは、お肉大好きミーナです。もともと霜降りよりも赤身肉が好みだったので、赤身&熟成肉の流行?は大歓迎。外で最高のお肉を最高の焼き加減でいただくのがベストですが、お財布が続きませんよね。 今回は、自宅でできる「失敗しない焼き方」を教えてもらいました。
さっそく試してみましたが、かなりおいしく焼けましたよ!
人気店のシェフが失敗しない焼き方を伝授!
「ヘルシーでおいしい!」と大人気の熟成肉。時には自宅で焼いて、友人たちをおもてなししてみませんか?
おもてなし料理のプロ・山田玲子先生が、肉のスペシャリスト・山縣類シェフにおいしいステーキの焼き方を教わりました。
教える人
山縣 類さん Rui Yamagata
profile
15歳で渡仏。辻調理師専門学校・フランス校で基礎を学んだ後、フランス、イタリア両国で数々の三ツ星級レストランで修業を積む。22歳で帰国後、クッキングアドバイザーとして活躍。「リストランテ・アンジェロ」を開業。日本ハム・フードアドバイザリーを務めた後、2011年より「キッチャーノ」にてシェフを務める。
教わる人
山田玲子さん Reiko Yamada
profile
料理教室「Salon de R」主宰。海外でも定期的に料理教室を開き、料理を通じて世界の人々との交流を深めている。OurAgeで人気コラム「食のパワーを求めて東奔西走!」を連載中。国内外のおいしくてきれいになれる食材を使ったレシピを紹介している。近著に全文英訳付きレシピ本『おにぎりレシピ101』(ポット出版)がある。
■山縣シェフのコメント■
肉の焼き方にはいろいろな方法があり、最高の焼き上がり状態も、その人の好みによって異なります。
まずは自分が「どんな肉を求めているのか」をはっきりさせ、焼き上がりのイメージを持って、焼き方を研究するとよいでしょう。
■山田先生のコメント■
家庭で焼く場合は、コンロの火力や使用するフライパンなど、肉を焼く環境によっても焼き方は微妙に変わるので難しいですね。
回数を重ねるうちに、自分のキッチンでの最高の焼き方、自分好みの焼き具合がつかめてきますので、頑張ってください!
プロに習う熟成肉の焼き方
各プロセスの最高のタイミングを逃さないようにするには、焼いている音を注意して聞くことが最も大切です。
■材料(2人分)
牛のイチボ:320g(今回は北海道産いけだ牛(褐毛和牛)を使用)
ピーナッツオイル:適量
POINT1:準備のポイント
1.フライパンは厚手のものを。トングも必ず用意して
フライパンの大きさは、肉を入れた際、程よく隙間ができるくらいがベスト。小さすぎて隙間がないとむれてしまうし、大きすぎても、あいている部分の温度が上がりすぎて加熱が早く進んでしまいます。また、肉を優しく扱うためには、トングも必須です。
2.肉の旨味を閉じ込めるには焼く前に塩はふらない
肉に塩をふると、塩の作用により肉の水分や旨味が多少なりとも失われます。したがって、少々旨味を失ってでも肉にしっかり塩味をつけたいという場合には、焼く前にふりますが、できる限り肉の旨味を逃したくない場合は、塩をふらずに焼きます。
3.油は熱に強く、加熱しても酸化しにくいものを選ぶ
牛脂または通常揚げ物に使用しているような、加熱による酸化に強い油を選ぶとよいでしょう。菜種油、綿実油、ひまわり油、ピーナッツ油などがおすすめです。また、バターを加えて風味よく仕上げる焼き方もありますが、その際は焦げやすいので注意を。
4.基本は焼く30分前に冷蔵庫から取り出しておく
厚さ2㎝以上の肉であれば、焼く30分から1時間前に冷蔵庫から取り出し、室温に。そうしないと、中まで火が入らないうちに先に外側だけが焦げてしまいます。逆に、厚さが2㎝以下のステーキは火が入りすぎないよう、焼く直前まで冷蔵庫に。
プロに教わる、自宅でできるお肉のおいしい焼き方、実践編です。
POINT2:焼き方のポイント
1.フライパンをしっかり温め、開始!余分な脂を取りながら焼く
強火でフライパンをしっかり温めたら肉を入れる。このとき、油がシュワーと音を立てるくらいの温度がベスト。表面をしっかり焦がすよう、強めの中火で。あまり動かさず、余分な黒っぽい脂が出てきたら、ペーパーでこまめにふき取りつつ焼きます。
2.十分焼き色がついたら、ひっくり返して同様に焼く
油の音がシューッという音から、パチパチという乾いた音に変化したら、弱火に落として焼き続けます。十分な焦げ目がついたら、ひっくり返して再び強めの中火に。焼き固めた表面にひびが入らないよう、トングで優しくつかんで。
3.肉を立てて側面も焼き、6つの面に均等に焼き色を
音がまたパチパチと軽くなったら火を落として弱火に。肉の6面すべてに均等に火を入れていくよう、こまめにひっくり返して全体にしっかりとした焼き色を。油が足りなくなったら適宜足して。浮き出てくる黒い脂は引き続きペーパーで取ります。
4.焼き上がりの目安は肉の弾力。手ごたえを感じたら焼き上がり
すべての面から、軽いパチパチという音が聞こえてくるようになったら焼き上がり。また、指で押してみるのも焼き上がりを見極めるひとつの方法です。火が入りやすい外側(角)と中心部で、同じくらいの弾力が感じられるようになったらでき上がり。
5.焼き上がったら休ませ、肉汁が落ち着いてからカット
焼くのにかけた時間(今回は約15分)とほぼ同じくらいの時間、アルミホイルをかぶせて休ませます。焼き上がってすぐに切ると、肉の中で活発に動いていた水分が出てきてしまいます。時間をおくと、水分が肉に収まって、切っても肉汁はそれほど出ません。
山縣シェフの一流の技をぜひお店で堪能したい!
北海道産いけだ牛(褐毛和牛)、佐賀県産佐賀牛(黒毛和種)をはじめ、健康的な環境で育てられた肉を、それぞれに合った手法で調理。熟成中の肉が、店内のガラス張り熟成専用冷蔵庫にずらりと並ぶさまは、まさに肉の専門店。期待が高まります。
「肉は内側と外側のコントラストを楽しんでいただきたいです」と山縣シェフ。炭火で焼き上げた肉は、外側はカリッと香ばしく、中はしっとりジューシー。まさに長年、肉と真摯に向き合ってきたスペシャリストならではの匠の技です。
日本全国、またはフランスやイタリアから空輸した旬の素材を使った前菜、パスタなど、本格的なイタリアンとともに肉を存分に楽しんで!
CHICCIANO(キッチャーノ)
DATA
東京都港区赤坂3-13-13 赤坂中村ビルB1
☎03-3568-1129
営業時間 ランチ平日のみ11:30~14:30(L.O.14:00)、
ディナー18:00~23:00(L.O.21:30)
㊡日曜
撮影/板野賢治 構成・原文/瀬戸由美子