2008年、5月5日、カフェをオープンしてからは、
毎日がパンケーキの試作です。
オープンする前は、メニューの開発だけでなく、
家具、厨房用品、食器、カトラリーなどなど、
用意するモノが山ほどあります。
それらが一段落して、晴れてオープン!。
パンケーキの試作に集中できます。って、なぜなら、
それはカフェがヒマだから。
なるほど飲食店とは、待つのも仕事なのね、という初めての経験。
待つのって、けっこうきついね、みたいなヒマさ・・・。

驚くほどヒマなので、プランツの手入れにもいそしむオープン当初の私。

ひっそりとカフェを始めたことを福岡に住む幼なじみだけに知らせたら、目立たなきゃだめなのよ、と心配してくれて、こんな大きなスタンド花を贈ってくれました。いい思い出!
とはいえ、やらなきゃいけないことは、山ほどある、という矛盾、
というか、現実。パンケーキ試作とか、その他のメニューの開発とか。
パンケーキは、毎日、試作するうちに、5月の下旬、ようやく、
まずはこれでいきましょう!という配合がめでたく決定!
(その後、配合もさまざまな変化をとげることになりますが)

当時のアイスオンパンケーキ。
鉄板を使っていたので、焼き色が濃いです。
しかし、またも、問題発生!
それは、パンケーキを焼く道具のこと。
私は、業務用のガスの鉄板のグリドルを用意していたのです。
主に、お好み焼き用のガスの大きな鉄板と聞けば、
ピンとくる人も多いはずです。縁日でもよく見かけます。
私ってば、何を考えていたのやら・・・たぶん、
一度にたくさん焼けるから、便利なはず!とか、
その程度のことを思っていたのでしょう。
ヒマなカフェと、ガスの鉄板は、非常に相性が悪いのでした。
2つの大きな悪循環が待ち受けていました。
1) ガスをつける。
↓
鉄板がじわじわ熱くなる。
↓
ヒマなので使用頻度が少ない
↓
鉄板がどんどん熱くなる。
↓
たまにパンケーキを焼くと必ず焦げる
↓
室内の温度も上がり続ける。ムダに熱く、光熱費もムダにかかる。
2) では、と思って、パンケーキのオーダーが入ってからガスをつける。
↓
鉄板に均一に火が通るまで時間がかかりすぎる。
↓
私もスタッフもあせる一方。
↓
あせった結果、パンケーキを焼くのを失敗することも多々。
↓
カフェは空いているのにお客さまを待たせてしまう。

オープンした頃のキッチン。1枚だけ写真がありました。
すみません、ぶれています。この後、ガスのグリドルの鉄板は消え、2011年にまたキッチンをリノベーションしました。
はぁ~と私は、鉄板グリドルをあきらめ、リサイクル業者に
引き取ってもらい、ガスコンロをあらたに増やし、
フライパンでパンケーキを焼くことに。
プライパンも、パンケーキに合うフライパンを
見つけるのにひと苦労。でも、
フライパンは1つで1枚のパンケーキしか焼けない。
場所をとるし、温度調節も簡単ではない。
いったんフライパンをかなり熱くして、ぬれフキンの上に、
フライパンの底をジユウと押さえつけて、粗熱をとってから、
焼かなきゃいけない、これも何とかしたいね、
という状況が続くのでした。
そこから、2011年の春のこと、ようやく進化!
業務用機器の展示会などに通ううちに、
銅板製のパンケーキ専用の電気グリドルに出会いました。
これ1台で、6枚のパンケーキを焼くことができる!
温度設定も行うことができる! 奇跡みたい!
銅は体に必要なミネラルでもありますよね。健康にもいい!
とスタッフみんなと大喜び!
今は、こんな感じ。焼き色もきれい!

今は銅板で焼いています。ぷつぷつ気泡が出てきたら、ひっくり返すタイミング。

焼き色もいい感じ! 嬉しい時間!
カフェでは、普通のキッチンでは縁がないような、
いろんな道具を使ってます。
経験がない上に、「とりあえず使ってみようよ」と
慎重さに欠ける私は失敗も多々。ってか、その連続。
道具とか、業務用とかって、ほんと大事なんだね、
と今もしみじみ思います。

ベーコンエッグ オン パンケーキ。これは私のまかない用。
イリヤプラスカフェのメニューでは、パンケーキは2枚。
トマトソースも、もちろん毎日手作りです。