手を当てて、さするだけでも心地いい
冷えに効くツボ7選(前編)
夏は暑いので冷えに無防備になりがち。でも、冷房過剰な現代では冬より夏のほうが冷えは深刻です。鍼灸師で、冷えとり名人の田中美津さんが夏冷え養生法を伝授します。
ここでは2回に分けて、美津さん厳選の「冷えに効くツボ7選」をご紹介。
今回は、●女性特有のトラブルによく効く●消化器系や筋肉、神経系の痛みに効く、2つのツボです。
冷えとりのツボを
気持ちよ〜く刺激する
東洋医学では、生命エネルギーである"気"が滞ると、調子が悪くなったり、病気になると考えます。
「ツボは気が循環するルートの上に点在する"気の出入り口"で、気が滞りやすい場所です。ツボを刺激することで気の流れがスムーズになると、新陳代謝が活発になり、細胞も生き生きとしてくるの」
ここで紹介するのは、美津さんが厳選した特に冷えに効く7つのツボ。ツボは、関節の近くや骨のきわに多いのですが、人によって微妙に位置が違います。下の図を目安に、押すと"気持ちがいい"、または"痛い"ところを探してみて。
「ほとんどのツボは左右対称なので、触って違いを見つけましょう。邪気(病的エネルギー)が集まっている側のツボは、硬く張ってることが多く押すと痛い。反対に気の流れが弱い側は、弾力がなくスカスカして押すと気持ちいい。またお腹や腰は冷房で冷やされてる側とそうでない側でツボに違いが出てきて、左右差がひどいほど症状もきつくなります」
左右差をなくすには、弱々しい側のツボは指先で〝時計回り〟にゆっくり優しく、硬く張っている側のツボは〝反時計回り〟に強めにマッサージして。
「よい気を集めたいときは〝時計回り〟、邪気を取り去りたいときは〝反時計回り〟です。眠れないとき、クヨクヨするときは、おへその下(下腹部)を〝時計回り〟に優しくマッサージするといいですよ」
婦人科系の特効ツボ
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの真ん中から5㎝ほど上のすねの骨の後ろ側のきわ。
血行をよくし、ホルモンバランスを調節。
月経痛、月経不順、更年期症状、むくみなど、
女性特有のトラブルによく効きます。
芭蕉もお灸をすえた万能ツボ
足の三里 (さんり)
膝を60度に曲げて、同じ側の手の親指を膝の皿の上側に置き、
伸ばした中指の先が当たるところで、すねの骨のきわ。
松尾芭蕉がここに灸をして奥の細道を旅したことでも有名です。
消化器系や、筋肉、神経系の痛みまで網羅。
次回は、冷えに効くツボ7選(後編)。ストレス冷えをとったり、下半身や内臓の冷えに効くツボなど、5つのツボをご紹介します。
イラスト/しおたまこ 構成・原文/石丸久美子