大腸肛門科&婦人科のドクター直伝
このやり方で便秘をすっきり解消!
便秘をこじらせると20年後に骨盤底筋疾患を招く心配も。日頃の生活習慣を見直して、自分に合う便秘解消法を見つけましょう。
教えてくれたのは…
山名哲郎さん Tetsuo Yamana
松峯寿美さん Hisami Matsumine
朝1杯の水&朝食で腸を目覚めさせる
朝1杯の水を飲むなど、飲み物や食べ物が胃に入ると、胃が結腸(大腸の上の部分)に指令を出し、消化管が動き出します。「 この〝胃結腸反射〞を毎朝のルーティンにすると、条件反射で便意を感じやすくなるので、おすすめです。なぜ、朝がいいかというと、就寝中は副交感神経が優位なので、起床後に水分や朝食をとることで、胃腸を目覚めさせることができるからです」(松峯先生)
特に朝は大腸のぜん動運動が起こりやすい時間帯。朝食を抜くと、せっかくのぜん動運動が起こらず、それが便秘のきっかけになることも。排便リズムを習慣づけるためにも、毎朝決まった時間に朝食をとり、食後のトイレを日課にしましょう。
食物繊維をしっかりとる
食物繊維は便の材料のおおもと。便のかさを増やして、腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。また、水分を含む性質があり、便を軟らかくしてくれるので、積極的にとってほしいと思います」(山名先生)
食物繊維には、海藻や果物などに含まれる水溶性食物繊維と、きのこ、野菜、いも類、大豆食品、穀類に含まれる不溶性食物繊維の2タイプがあります。これらをバランスよくとるためにも、ご飯を主食にした和食がおすすめ。ちなみに、成人女性は1日に17~18gの食物繊維をとるのが望ましい(厚生労働省の食事摂取基準)とされます。「日本人の平均的な摂取量は11~12gと少なめなので、食物繊維のサプリメントで不足分を補ってもいいでしょう」(山名先生)
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/大石久恵