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眼瞼下垂の手術を成功させるには? ポイントは賢い患者になること。それってどういうこと?【医師の本音対談】

眼瞼下垂(がんけんかすい)に詳しい医師の二人が繰り広げてくれた、ぶっちゃけトークの後編です。メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰先生。そして、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、眼科医の高田尚忠先生。ズバッと本音を隠さない二人のやりとりに注目!

前編では、治療を考える人に向けてクリニック選びについてお話しいただきました。

今回は、手術の実際についてです。眼瞼下垂を治しつつも、美しい目元にしてあげたいと思うがゆえの先生方の苦労話、必読です!

東京美容外科クリニックの統括院長で、メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰先生(左)と、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、この連載の監修、眼科医の高田尚忠先生(右)

 

 

 きれいな目元の鉄則は、「二重は狭く黒目はぱっちり」

 

高田 眼瞼下垂の手術はとにかく奥深いですね、いろいろな要素があるので難しいし、患者さんの希望もありますし。

 

麻生  もともとの目の個性、個人差もあるのに、仕上がりが自然か不自然か、それも患者さんによって見方がだいぶ違いますしね。

 

高田  僕らが自然で美しいと思う二重と、患者さんがきれいと思うものが違いますから。

 

麻生  美容外科に来る患者さんで勘違いしてるのは、「二重の幅を広くしたら美人に見える」と思ってる人。そうじゃないんですよね。「黒目が全部バッチリ見えるのが美人なんですよ」と、僕はずっと言ってます。

二重の幅が広いと、不自然な二重になるだけ。二重を広くしてアイラインを引けば目元はなんとなく大きく見えますけど、黒目がちゃんと見えていなかったら意味がない。

 

高田 それに芸能人の方々は、一般の方がイメージしているほど、実際に二重が広いわけでもない。

 

麻生 そう。やや下向いてるときの写真なのに「これぐらい広いんですよ、この子」とか言って見せられたりして。正面から見たら全然広くないんです。

目を開いた状態だと二重の上から皮膚がかぶって奥二重ぎみになっている。その代わり、黒目はちゃんと全部見えているからぱっちり見える。それが美しい目の決め手ですよ。

 

高田 そのとおりです。もともと患者さんと感覚が違うのがとても困る。

 

麻生 眼瞼下垂で「二重の幅を広くして」って言う人は、もうお断りします。広くすればするほど、まぶたの開く高さに限界があるので。

患者さんの言いなりになって幅広い二重を作れば、不自然なだけじゃなく、医原性の眼瞼下垂(二重まぶた術の切開法や埋没法を受けたあとにまぶたが開きづらくなる症状)になってしまうこともありますから。

 

高田 埋没法もですけど、皮膚を縫って作る溝で、無理やり二重を作ろうとしている場合がある。本来は上からかぶった皮膚で二重の線ができてるのに。

単純に折り目の二重じゃなくね、かぶっているのが本当の二重でしょう。

 

麻生 例えば、二重のラインに沿って皮膚を大きく取ると、眉毛に近いほうの厚い皮膚が下に下がるので、ポテッとした二重ができます。言ってみれば「やりました二重」ですね、「切ったな」「美容整形したな」ってけっこうわかる二重。

それが嫌じゃない人はそうしたらいいと思うんですけど、僕がやるなら、切る場合は二重の幅は絶対に狭めでいく。二重は狭く黒目はぱっちり、が鉄則です。

 

高田 そもそも眼瞼下垂になると、上まぶたが落ちてくるわけだから、二重は広くなるのが普通。

つまり眼瞼下垂の手術をして開けやすくすれば、二重の幅は絶対狭くなるはずなんですよ。

 

麻生 目はぱっちり開くけど二重は狭くなる。でもきれい。これが正解なのに嫌だっていう人がいるんです。

それけっこうありますよね。「二重が狭くなるんだったら手術しません」って帰っていくんです。

 

高田 わかります。二重幅が狭くても黒目が完全に出たほうがきれい。僕は、広めにと言われたら「僕の中の広めにしますよ」って言いますね。

 

 

人気の眉下切開も、眼瞼下垂の治療法のひとつだけれど… 

自身も眼瞼下垂の手術を体験した、麻生先生

 

 麻生 眉下切開が流行ってますよね、このところ。

眉下切開しかできない先生が「眉下切開で眼瞼下垂を直しました」と言ってることもよくあります。それなりに結果が出ることもありますけど。

 

高田 それはいわゆる「偽眼瞼下垂」の場合にはいいですよね。本当の眼瞼下垂というよりも、皮膚のたるみでまぶたが下がってきている人。それなら眉下切開で皮膚を取ればいい。

 

麻生 眉下切開でも、自然に見せたかったら皮膚はそんなにたくさんは取れない。だから、二重まぶたの余剰分と眉下の皮膚と、両方取る必要がある人はいます。

 

高田 普通の眼瞼下垂の手術でちょっと取っておいて、眉下でも皮膚を取る。下で3mm、上で4mm、それで7mm取れたりすると自然。1カ所だけで皮膚を取ろうとすると絶対ひずみが生じるので。

 

麻生 二重の幅を広くしたければ眉下切開で調整する場合もありますし、後でそれが必要になる人もいますと、説明します。 でも、そうすると2カ所の手術になるでしょう。今度は金儲け主義だなんて言われるんですよ。

一度にはやるけど、眼瞼下垂手術と眉下切開手術と、ふたつすると値段が上がるじゃないですか。

 

高田 僕の保険診療の手術でも、上から皮膚がかぶさった場合は、後日、眉下切開の追加手術の場合もありますよと、話はしておきます。その考え方を患者さんと先生と合わせておかないと、話が違うって言われたりしますよね。

 

麻生 初回はシンプルにして、次の手が打てるっていうのはいいですよね。ただ、次のことまで言うと「この先生は一発で決められない人なんだ」と思われたり。 誰しも左右差があるのでね、1回で決めるっていうのはなかなか難しい。決まる人もいますよ。左右差なくバチーン、すっきり、みたいな。

 

実は僕自身も、眼瞼下垂手術を2回やってます。

1回めは10年くらい前に、ミュラー筋タッキング(挙筋腱膜とミュラー筋の間を剝がしてミュラー筋のみたぐり寄せて瞼板に固定する術式)で。

 

 

次もまたできるしと思ってやったんですけど、ちょっと弱いと思って2回目をやった。一発では決まらないんですよね。

 

今もまだ左右差があるな〜と思って。今度は左側だけ眉下切開したいなと思ってます。左右差はね、ほんと難しいですよね。

もともと片方だけ眼瞼下垂の人なんかだと、直したことによって左右差がより目立ってしまったり。

けっこう工夫が必要でしょう。もう正解がないですよね。

 

 

ほとんどの人にある左右差をどうするか、医師の工夫のしどころ

保険でも術後の満足度が高いことで評判の、高田先生

 

高田 そもそも左右で筋力の差があるわけだから、それを調整して帳尻合わせしなきゃいけない。一発合わせはほんとに難しい。

眼瞼下垂ではヘリング現象(片方の下垂を修正すると、今度は反対側のまぶたが下がる生理現象)ってありますよね。

手術中でもあるんです。ヘリングも計算してやらないといけないし。 もともとの左右差の写真を撮っておかないと、差があるのを本人が気づいていない。

手術後に気になるんです、目が開いたためにより顕著に左右差に気づく。

 

麻生 なかなか難しいと思います、自分で気づくのは。ビフォーアフターの写真を見せて初めて「あ、左右差あったんですね」なんて言われることも多いです。

高田 それに、みんな年を取っていくので、手術をしてももう1回やり直す人はいます。特にミュラー筋は緩んできますからね。

だから僕は、最初から挙筋腱膜前転法(二重ラインで皮膚を切開した後、緩んだ挙筋腱膜を瞼板から切り離し、挙筋腱膜~眼瞼挙筋を引き出して、適切な目の開きが得られる位置で挙筋腱膜と瞼板を縫合する術式)をやったほうがいちばん安定すると考えているのです。

このほうが、再発が少ないなと思ってます。

 

高田先生の症例:保険適用の挙筋腱膜前転法による手術をした40代女性。高田先生オリジナルの術式、ファシアリリースを加える“TKD切開法”です

 

麻生 眉下切開はほんの数mm切るだけで、傷あともほとんどわからないから人気なんですよね。でも、人にもよります、眉毛の形にもよるし。

あと、皮膚ののび方って人によって違うんですよ。

 

高田 そうそう、ぶよぶよでのびる人もいれば、硬くて分厚い人もいるんです。女性でも個人差が大きいですが、男性なんかすごく硬い。

どちらにしても、60代、70代になってからだと筋肉も痩せちゃうし硬くなるし。まぶただけでなく顔面筋も硬くなるんですよね鳥の若鳥と親鳥で硬さが違うようにね。

手術は30歳でも40歳でも早いほうがいいですね。

 

麻生 先天性の眼瞼下垂もありますしね。気づいたら、20代でもやったほうがいいですよ。そうしないと、目を開けるためにおでこにシワが寄っちゃうから。

 

高田 本当のことを言うと、若いほうが経過がいいんですよ。総じて、年をとった方にはやらないといけない操作が増えるから、より手術は難しくなる。

上げることはできるけれど自然に上げるのが難しいし、術後のダウンタイムも長くなる。

まぶたが上がっただけですごく喜んでもらえるのは、医者としてはとてもうれしいんですけどね!

眼瞼下垂が気になっていたり、手術を考えているなら、早めに相談に行くのもひとつの選択ですよね。

 

 

【教えていただいた方】

高田尚忠
高田尚忠さん
眼科医
公式サイトを見る

高田眼科(静岡県浜松市)院長、フラミンゴ眼瞼・美容クリニック(愛知県名古屋市)主宰。眼科医と形成外科医の知識、豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとにファシアリリース法を考案。保険適用手術にこだわり、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上。全国から患者が来院。メールでの眼瞼下垂相談も可能。

 

【ゲスト】

麻生 泰さん   形成外科医・美容外科医。医療法人社団東美会理事長、東京美容外科統括院長。慶應義塾大学医学部非常勤講師。2004年、現名称である「東京美容外科」の1号院を開院し、今では東京美容外科の系列院は100 院以上。眼瞼下垂だけでなく、豊胸手術のパイオニアとして、学会での発表や海外での講演も多数。歯に衣着せぬトークが人気でメディア出演も多く、自身のYouTubeチャンネル「ドクターA(麻生泰)」は、登録者数が19.8万人に。公式サイト

 

イラスト/かくたりかこ 取材・文・画像制作/蓮見則子

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