HAPPY PLUS
https://ourage.jp/karada_genki/more/246814/

ランニングなんてできないと思っているあなたへ/50代。乳がんサバイバーになりました。

hijiri

hijiri

都内在住の50代会社員。2019年5月に乳がんと診断される。仕事を続けながら同年10月までに3回にわたる手術を経て、2020年1月に放射線治療が終了。現在は、10年間にわたるホルモン療法薬の服薬を継続、年に一度の検診で経過観察中。放射線治療中も継続したランニングの趣味が高じて、ランニングアドバイザー、スポーツ医学検定2級、ナヴィゲーションスキル ゴールドレベル等の資格を持つ。「琉球茶道ぶくぶく茶」東京分室主催。元おでかけ女史組メンバー。

 

記事一覧を見る

コロナ禍で運動不足を実感する人が増えたせいでしょうか、ランニングをしているときに走っている人をよく見かけるようになりました。
それとは反対に、ランニングを始めてみたいけど、自分が走れるなんて思えない、と断言する友人もいます。乳がんサバイバーなのに、全然それらしくないとあきれられる時もあります。(もちろん、再発さえしなければ一応普通の生活には困らない身体なのですが。)

 

私はランニングの効果は、サバイバー生活の中で嫌というほど感じていますし、走る仲間は常に募集中なのでせっせと普及に努めているのですが、なんだか”ランニングってものすごく運動神経がいい、もしくは体力のある人がするもの”というイメージが根強いように感じます。
たぶん、42. 195km走る、フルマラソンのイメージが強いからではないかなと思っています。ぜーぜー、はーはー、ものすごくつらそうな感じがしてしまうのかな、と。
まあ、自分自身、走るようになる前は「あんな長距離を走って楽しいなんて変」と思っていたので、人のことは言えないのですが(笑)

 

考えてみたら、別にいつも20kmも40kmも走る必要は全然ないのですよね。
(それが普通というベテランランナーも世の中に存在しますが、気にしなくて構いません。)
ぜーぜー、はーはーと苦しくなるまで頑張る必要はありません。
実際、私だって普段はせいぜい5km程度しか走りません。

 

体力的なものを気にしなければ、健康な方で、日常生活でまったく歩かないという方はいないと思います。
少なくとも家の中でトイレに行ったりはしますよね。買い物で1kmくらいは歩いたりしませんか。

 

著名なランニングコーチ、金哲彦さんは「ランニングとは、人が二足歩行で行う、日本語でいう「走る」という運動のこと。」とおっしゃっています。
二本足で歩いたり走ったりできるのは人間だけ、つまり基本的には人類だけの特殊な能力(楽しみ?)ともいえます。

hijiriさん イラスト

それなのに、1kmも走れない、すぐにばててしまうのはなぜでしょう?

 

そのポイントは、筋肉と心肺機能。
この2つのどちらが欠けてもランニングは難しくなります。けれども、逆にこの2つさえ徐々に鍛えれば、走ることは誰にでもできるのです。

 

まず、筋肉。
歩くことと走ることの大きな違いは、「必ず両足が浮く瞬間がある」ということです。
つまり片足で着地して身体を支えることは、その足にとっては全体重を一瞬でも支えるのですからかなりの衝撃です。ランニングはこれを繰り返す動作ですから、それなりの足を作っておかないと、距離を走るのは難しいということになります。
そう、まずは筋肉が必要なのですね。

 

もう一つは心肺機能ですが、これもそこまで心配することはありません。
なぜなら、「息が上がるくらいのスピードでは、誰もそこまでの長距離は走れない」からです。

 

例えば、フルマラソンを全力で走りきる人は、選手でもいません。人類最速といわれるウサイン・ボルトは一番速く走るときは時速44.6kmにもなるそうですが、この全速力(トップスピードといいます)の速さでフルマラソンを走っているわけではないのです。

 

テレビでマラソンレースを観ていても、どの選手でも最初は普通の呼吸で走っています。ぜーぜー、はーはーしているのは、レース後半の山場とか最終ゴールのあたりなのがわかると思います。

 

私は普段1km5分半から6分くらいで走りますが、フルマラソンを全てそのスピードで走ることは無理です。けれども、6分半や7分くらいであれば、10km程度ならおしゃべりしながら走れます。ちなみに普通の歩行スピードが10~11分/km程度なので、8分/kmも出せれば立派なランニングです。
つまり、スピードさえ落とせば心肺機能にそこまで負担をかけなくても走ることはできるのです。極端な話、歩くレベルならそこまでぜーぜーはーはーはしないでしょう。

 

ランニング初心者は、つい最初から自分で走れるトップスピードで走ろうとします。
でもゆっくりと、無理ならまずは歩くことから徐々にスタートすれば、誰でも走れるようになります。万年、体育の成績が1や2だった私がいうのですから確実です(笑)

 

私もランニングを始めたころは、1km7分でもぜーぜーはーはー、2kmも走れませんでした。ほぼ歩いていたと思います。それを繰り返すことで、徐々に足ができ、心肺機能もちょっぴりずつ慣れてきて、少しずつスピードを上げて走れるようになりました。

 

もちろん、最初からなんなく走れてしまう人、最初からスピードがある人もいます。ここは個体差なので、うらやましいとは思いますが、それにあわせる必要はありません。

 

まずはゆっくり1~2km、もしくは15分だけ、走ってみませんか。
できなければウォーキングでも構いません。
ちょっとだけでも身体を動かすと、達成感も格別。自分にもできるかも、と思えるようになります。(実体験)

hijiriさん ランニング

私も最初はみなさんと同じ「そんな走れるわけない!」でした。
そんな私も、御覧のようにあれこれ大会に出るまでに。
(左上から時計回りに、香港国際マラソン(ハーフ)、ホノルルマラソン、名古屋ウィメンズマラソン、大町アルプスマラソン)

 

あと、ランニングのちょっと意外なメリットも。
走るって意外と時間を使います。その分「やることなくて暇」なんていうことがかなり減りました。むしろ忙しい(笑)
時間を有効に(?)使えて、お金も(そこまで)かからなくて、コミュニケーションも広がって、健康にもいい。ランニングって沼(マラソン大会やグッズ)にはまりさえしなければ、とってもコスパのよい趣味だと思っています。

 

 

(なお、細かくいえば、トレーニングのためのランニングと健康などの目的のために比較的ゆっくり走るジョギングかを区別するケースもあるのですが、ランニングにもLSD(Long Slow Distance ロングスローディスタンス)という長い距離をゆっくり走る方法もあるので、私が書くときはわかりやすいように「走る=ランニング」で統一したいと思います。ご了承ください。)

MyAge

大人のからだバイブル vol.1 「更年期と閉経、私の場合。」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消

今すぐチェック!

暑い夏の洗濯が「ラク」ってどういうこと? 絡まりからもシワからも解放される画期的な新提案

暑い夏の洗濯が「ラク」ってどういうこと? 絡まりからもシワからも解放される画期的な新提案

supported by 花王
<前の記事

<前の記事
第35回/子宮体がんの検査のためにMRIを受けてきました/50代。乳がんサバイバーになりま…

次の記事>

次の記事>
第37回/ランニングしたら痩せますか/50代。乳がんサバイバーになりました。

この連載の最新記事

乳がんサバイバー、腕立て伏せはじめました。その理由と効果は?

第71回/乳がんサバイバー、腕立て伏せはじめました。その理由と効果は?

「乳がん手術後 ブラジャー問題」勃発!? 私の涙ぐましい工夫をご紹介します/50代。乳がんサバイバーになりました。

第70回/「乳がん手術後 ブラジャー問題」勃発!? 私の涙ぐましい工夫をご紹介します/50代。乳がんサバイバーになりました。

マラソンとピクニックのいいとこどり、長距離走が楽しくなる「マラニック 」のススメ/50代。乳がんサバイバーになりました。

第69回/マラソンとピクニックのいいとこどり、長距離走が楽しくなる「マラニック 」のススメ/50代。乳がんサバイバーになりました。

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル