耳周辺の血行をよくするマッサージや姿勢を正しくするエクササイズなど、耳にいいトレーニングをご紹介します。毎日の習慣に取り入れて、難聴をしっかり予防しましょう!
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【特集】将来、難聴にならない方法
お話を伺ったのは
中川雅文さん
Masafumi Nakagawa
1986年、順天堂大学卒業。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。国際医療福祉大学医学部教授。専門は耳鳴り、難聴、補聴器。著書に『「聞こえにくい」がなおる耳トレ』(大和書房)、『耳の聞こえがよくなるトレーニング』(PHP研究所)など
今すぐできる耳トレ
耳ひっぱり
疲れたときや耳鳴りがするときなど、調子が悪いときに実践すると、即効性が期待できます。耳周辺の血行が改善されて、じんわりと温まります。
◆左右1回ずつ
1日3〜5セット
1. 腕を後頭部から回し、反対の耳の上をつまんで。
2. 耳の穴ごと持ち上げるつもりで、ゆっくりと真上にひっぱり5秒キープ。反対側も同様に。
耳つぼマッサージ
神門は自律神経のバランスを整えるツボ。耳たぶは血流改善に効果あり。耳珠(じしゅ)は難聴に効くツボ。爪ではなく指先で、左右同時にイタ気持ちいいくらいの力で。
◆1日3回
親指と人差し指で①神門、②耳たぶ、③耳珠の順番に挟んで、じんわりと3秒押す・離す、を繰り返します。左右同時に行います。
寝ながら股関節ストレッチ
股関節を伸ばし、全身の血液循環をよくするストレッチです。両脚を同時にうまく倒せないときは、背中が浮かないように注意しながら片脚ずつ行なってもOK。
◆1日3〜5回
1. 両手は自然に広げてあお向けになり、膝を立てます。
2. 足の裏同士を合わせ、両膝を外側にゆっくりと倒します。その際の脚の重さを利用して、股関節をじんわりと伸ばします。
30秒キープして1分休憩 ※脚を戻して深呼吸します
胸鎖乳突筋さすり
胸鎖乳突筋は頭を支える筋肉であると同時に、迷走神経などの自律神経が集中する大切な場所。優しくなでるだけで、心身も耳もリラックスできます。力を入れず、肌の表面を優しくさするだけでOK。
◆1日1回
1. 両手を交差させてあご下にあてます。
2. 胸鎖乳突筋を横断するように前後にさすりながら、首の根元まで下げていきます。
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舌出し体操
舌を思いきり下に出すと、副交感神経が優位になり、体の力が抜けて自律神経のバランスが整います。
◆1日3回
1. 人差し指を軽く耳の穴に入れ、親指で耳の裏から挟むようにして耳を左右にひっぱり5秒キープします。
2. 大きく口を開き、舌を出します。
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寝ながら股関節ストレッチへ移動
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イラスト/いいあい 取材・原文/上田恵子