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お酒をうまく楽しむポイントは「つまみ」の選び方! 肝臓に負担をかけないおすすめメニューは?

お酒をおいしく、健康的に楽しむための大きな秘訣は、一緒に食べるおつまみや食事を工夫することです。そのポイントを、内科医で抗加齢医学の専門医、ソムリエ、ワインエキスパート・エクセレンス資格も持つ、青木晃先生に伺いました。

お酒を飲むときのおつまみや料理、どのようにセレクトしていますか? 青木先生のような健康的にお酒を楽しむ「美酒愛好家」ならではのこだわりとは?

 

「まず皆さんにも実践してほしいのが、空腹の状態で飲み始めないことです。すきっ腹の1杯はおいしいのですが、その前に少量の油脂分(スープや牛乳、チーズなど)を摂取してください」(青木晃先生)

 

「参考までに我が家でよく食べる、お酒と一緒にとりたい料理メニューもご紹介しますね」

(今回お料理を作られている先生の奥様は、国際中医師でフィンガーフードを教えていらっしゃいます)

 

油脂分と、アスタキサンチンもとれる「スモークサーモンとクリームチーズのミニクロワッサン」

 

「お酒を飲むときの料理は、お酒との相性もありますが、肝臓への負担を最小限にする食材・料理を選ぶことがポイントです」

 

一緒に摂取したい6つの栄養素

 

アルコールを分解するためにはさまざまな栄養素が必要です。特に意識したいのが次の6つ!

 

 

とりたい栄養素① 良質なタンパク質

肝臓の解毒作用を補助するためには、良質なタンパク質が必須です。積極的にとりたいのが、枝豆(量多めに)、チーズの盛り合わせ、生ハム、ソーセージ、肉類、刺身、豆腐、納豆など。

 

チーズやサラミ、ハムなど手軽にとれる「チーズ&サラミ&フルーツ、ナッツ、オリーブのボード」

 

 

とりたい栄養素② ビタミンU(キャベジン)

キャベツから発見された成分で胃腸薬として有名です。胃の粘膜を保護し、壊れた組織を修復する働きがあります。キャベツに最も多いのですが、ほかにもレタス、パセリなどの野菜にも含まれます。熱に弱いのでサラダなどにして、マヨネーズやオリーブオイルの油脂をプラスするのがおすすめです。

 

ビタミンUが豊富なキャベツを使った「豚フィレ肉のパンチェッタ巻き紫キャベツ添え」

 

 

とりたい栄養素③ ビタミンB1

アルコール分解に必須な栄養素。豚肉、たらこ、魚介(ウナギ、カレイ)など。ビタミンB1の吸収を高めるアリシンが豊富なにんにくを一緒にとるとさらに◎。例えば、餃子、にんにくの芽と豚肉の炒めものなど。ほかに酢豚、ブリ大根、スモークサーモンなどもいいでしょう。

 

手軽に使いやすい豚肉で「豚フィレ肉のパンチェッタ巻き山芋ソテーのせ、紫キャベツ、菜の花添え」

 

 

 

とりたい栄養素④ 食物繊維

アルコールの吸収を穏やかにします。また腸の掃除をして、腸内環境を整える働きも。青菜、海藻、きのこ、ごぼう、切干大根など。おひたしやサラダ、煮物などにしてたっぷりと摂取しましょう。

 

オリーブオイルとホワイトバルサミコとレモン汁であえるだけで海藻を手軽にとれる「海老と海藻のビネガー仕立て」

 

 

とりたい栄養素⑤ 適度な糖質

糖質の多いものを最初に食べると、血糖値が急上昇するのでおすすめできませんが、適度な糖質はアルコール代謝を助けます。青木先生いち押しの食材がトマト。血糖値の上昇を緩やかにして、悪酔いを防ぐことができます。カプレーゼやトマトのチーズ焼き、トマトサラダなどを飲酒の前に軽く食べておくといいでしょう。

 

レンチンでできるメニューがうれしい「豆腐とトマトのチーズグラタン」

 

 

とりたい栄養素⑥ 抗酸化成分

抗酸化成分とは、活性酸素の発生やその働きを抑制する成分のことで、植物が持つポリフェノールやカロテノイドが有名です。飲酒時に一緒にとると、アセトアルデヒドによる活性酸素を除去するのに役立ちます。

ポリフェノールにはブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆のイソフラボンなど。カロテノイドは緑黄色野菜や果物に多く、β-カロテン、リコピン、甲殻類や鮭に多いアスタキサンチンなどが知られています。

 

アスタキサンチンを手軽にとれる「サーモンのお寿司 フィンガーフード仕立て」

 

 

「特に最初に食べる料理としておすすめなのが、『カプレーゼ』です。適度な糖質があり抗酸化成分を含むトマトと、良質なタンパク質を含むチーズ、そこにオリーブオイルをかければ、アルコールの吸収を穏やかにして、肝臓への負担を軽減してくれます。ほかに、レタスなどの葉野菜のサラダやにんじんのスティックなども、抗酸化ビタミンが豊富でアセトアルデヒドの悪影響から肝臓を守ってくれます」

 

トマト×チーズ×オリーブオイルは鉄板の組み合わせ「カプレーゼ」

 

「今回ご紹介したお料理のように、我が家ではこうした食材を一口サイズのかわいいおつまみ『フィンガーフード』にしてよく食べます。その小さな料理の中に、さまざまな栄養素の食材を組み入れるのがポイントです」

 

 

【教えていただいた方】

青木晃
青木晃さん
内科医、日本抗加齢医学会専門医
公式サイトを見る
Twitter Instagram

医療法人晃和会「ウェルエイジングクリニック南青山」理事長。元・順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座准教授。日本健康医療学会常任理事、日本抗加齢医学会評議員など歴任。日本のアンチエイジング医学の第一人者。ソムリエ、ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMAの資格を持ち、ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン渋谷校」の校長も務める。医療監修を担当した『美しい女は呑んでいる』(主婦と生活社)が好評。

 

料理/青木江利子(国際中医師・日本フィンガーフード協会上級認定講師) 取材・文/山村浩子

 

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