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5月5日 夏の始まりを告げる「立夏」は気分転換を上手に!

古代の人々が自然を観察し、旧暦の1年を24等分して、季節の移り変わりと生活の知恵を結びつけた「二十四節気」。今回は夏の始まりを告げる「立夏」の養生法を、漢方専門店・薬日本堂の薬剤師で漢方スクール講師の齋藤友香理さんに伺いました。

【教えていただいた方】

齋藤友香理
齋藤友香理さん
薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師
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東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また「養生を指導できる人材」の社員育成、『薬日本堂のおうち漢方365日』『薬膳・漢方検定  公式テキスト』など、書籍監修にも多く携わっている。

 

季節の事象を表した二十四節気の意味とは?

旧暦の1年を24等分して、季節の移り変わりとそれに伴う生活の知恵を結びつけた「二十四節気」の養生法。この考えは紀元前の中国で生まれ、日本でも古くから親しまれています。

 

 

まずは農作業の目安にするため、1年で昼の時間が最も長い日を夏至(6/21)、最も短い日を冬至(12/21)と決めました。 そこに昼と夜の長さがほぼ同じになる日の春分(3/20)、秋分(9/22)が加わり「二至二分(にしにぶん)」が成立。これが四季です。さらにその間を、気温の変化や気象現象、動植物の様子などで6つに分けたものが二十四節気です。

※日にちは国立天文台発表の2024年のもので、年により多少前後します。

 

昼と夜の長さを基準にしたもの
春分(3/20)、夏至(6/21)、秋分(9/22)、冬至(12/21)。

 

四季の変化を反映したもの
立春(2/4)、立夏(5/5)、立秋(8/7)、立冬(11/7)。

 

気温の変化を表すもの
小寒(1/6)、大寒(1/20)、小暑(7/6)、大暑(7/22)、処暑(8/22)。

 

気象現象を表すもの
雨水(2/19)、穀雨(4/19)、白露(9/7)、寒露(10/8)、霜降(10/23)、小雪(11/22)、大雪(12/7)。

 

動植物の様子を表すもの
啓蟄(3/5)、清明(4/4)、小満(5/20)、芒種(6/5)。

 

「二十四節気は長年の生活経験や知識で導き出した、農作業の目安にするための『気候・天気の予報』でもあり、それに従った養生法は、『人は自然の一部で、自然と調和して生きることが大切』という考え方に基づいた健康管理の知恵です。これらは漢方の陰陽論や五行説ともつながっています」(齋藤友香理さん)

 

夏に入る初めの節は生活リズムを整えて!

5月5日の「立夏」は夏を告げる節で、この日から立秋の前日までが夏になります。太陽の日差しのもと、自然界のさまざまなものが力いっぱい成長して、花が咲き実る、繁栄の季節の到来です。

 

「この立夏の時期はまだ初夏で、夏とはいってもすがすがしく過ごせる季節。野山は新緑に輝き、『蛙始鳴(かわずはじめてなく)』、『蚯蚓出(みみずいづる)』、『竹笋生(たけのこしょうず)』と言われるように、カエルが鳴き始め、ミミズが土の中から出て、たけのこが顔を出します。

 

ゴールデンウィーク終盤のこの頃は、新学期や職場の異動、新生活の始まりなどで気持ちが張り詰めた春を経て、それに続く長期休暇で浮足立っていた気持ちが解けて、心身が緩むときです。

 

それにより自律神経が乱れ、五月病という言葉があるように、まわりの新緑の輝きとは裏腹に気持ちが落ちて鬱々したり、やる気が出ない、時にはイライラするなど、気分が安定しません」

 

 

ここで大切なのは、生活のリズムを整えて、上手に気分転換をすることだと齋藤さん。

 

「まず朝起きたら、窓を開けて、外の新鮮な空気を部屋に入れ、深呼吸をします。朝の光と空気を体に取り入れることは、体温の変化やホルモンのバランス、消化器系や脳の活動を整えるのに役立ちます。

 

二十四節気 立夏 散歩

できたら朝の散歩を習慣にするのがおすすめ。それが難しい場合には、休みの日には新緑の中を歩きに出かけましょう。気持ちよく体を動かすことは精神的なストレス解消にもなります」

 

自然の甘味と香りのものを組み合わせて!

「この時期の食事には、元気を補い気分を整える自然な甘味とハーブなどの香りの強い食材が欲しいところ。

 

じゃがいも、いんげん、アスパラ、ナツメなどに、香りのよいクレソン、三つ葉、香菜、パセリ、ミント、ローズマリーなどをアクセントにした料理がおすすめです。

 

例えば、じゃがいもも通常のボテトサラダではなく、ローズマリーやフェンネルなどのハーブを利かせたジャーマンポテトのようにしてみるなど。こうした香りのものを上手に活用すると、精神がリフレッシュされ、食欲不振や不眠の緩和にも役立ちます」

二十四節気 立夏 鯉のぼり

5月5日は端午の節句でもあります。これは奈良時代に中国より伝わった風習がもとになり、現在は日本でも男の子の健やかな成長を祈願する日として定着しています。

 

この端午の節句は別名、菖蒲(しょうぶ)の節句とも呼ばれています。香りの強い菖蒲やよもぎは邪気を祓うとされ、古代の中国ではこの時期に菖蒲湯につかったり、軒先によもぎで作った人形を飾る風習があったそう。香りの強いものは、この時期の養生法のキーワードのひとつといえそうです。

 

「香りを活用する方法として、ラベンダーやジャスミンなどのアロマを部屋に香らせて、リラックスタイムを過ごすのもいいでしょう」

 

 

イラスト/河村ふうこ 取材・文/山村浩子

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