アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)チャレンジについて、 今までベルリン、NY、ロンドンとご報告してきましたが、今回はシカゴ! 東京はその前に走っているので、とうとうメダルゲットまで残り1つになりました。 (マラソンメジャーズってなんだったっけ?という方はこちらの記事で)
■フィニッシュ後はノンアルコールビールで乾杯!ベルリンマラソン2023を走ってきました:アボット・ワールドマラソンメジャーズを走ろう!(その1)
■街中がお祭り騒ぎ!ニューヨークマラソン2023を走ってきました:アボット・ワールドマラソンメジャーズを走ろう!(その2)
■実は出走するのも大変?!ロンドンマラソン2024を走ってきました:アボット・ワールドマラソンメジャーズを走ろう!(その3)
実は、今回はよりによって現地へ飛ぶ直前にコロナ陽性になってしまったんです。ほぼ一週間前に39度の発熱、なんとか平熱に戻り決められた待機期間が明けた翌日は飛行機で発つ日!
不安でいっぱいのまま現地入りしたわけですが、天気にも恵まれてレースは無事に完走。病み上がりのせいか時差が全然治らなかったことには難儀しましたが、振り返ればそれなりに観光もできて楽しかったです。シカゴピザもばっちり堪能してきました。
というわけで、今回はシカゴマラソン2024についてご報告しますね。
The Windy Cityと呼ばれる風の強い街シカゴで行われるマラソン大会
シカゴマラソンは、毎年10月の第二日曜日に開催されるマラソン大会です。 ベルリンほどではありませんが、こちらもほぼ高低差のない高速コースで、今年2月に交通事故で亡くなったケルビン・キプタム(ケニア)が2時間0分35秒の世界新記録を樹立したものこのコースです。大迫傑選手も2018年に当時の日本記録を更新しています。
1977年にスタートしたシカゴマラソンですが、最初は4,200人くらいだった参加者が、今では10倍以上の45,000人以上になっているそうです。すごいですね。
もう一つのシカゴマラソンの特徴は、風が強いことと気温差。世界で5番目、アメリカ五大湖 の中では2つ目に大きいミシガン湖畔にあるシカゴは、「The Windy City」と呼ばれるほど風が強い場所です。 それゆえ寒暖差も大きく、毎年暑かったり寒かったり極端なコンディションになりやすいそうで、体調の件もあって実は少しどきどきしていました。
ありがたいことに当日は天気もよく、少し暑めだったもののそこまで気温も上がらず助かりました。
シカゴマラソンのコースは、ミシガン湖沿いから閑静な住宅街、イタリア地区や中華街とバリエーション豊か
シカゴマラソンのコースは市内のグラントパークからスタートしてまずは北上、ミシガン湖沿いをノース・シカゴ地区へ。 ヨットハーバーを眺めながら湖沿いの公園を走り、閑静な住宅地を抜けたら、いったん市内に戻ります。
再び市内を出たら、ぐっと南下してサウス・シカゴ地区を走ります。この辺りは移民が多いらしく、看板などもイタリア語など多く見かけました。そういう背景もあって、昔はブルース、ジャズの本場としても栄えていたそうです。チャイナタウンもこちら側です。
NYなどと比べると住宅地を通る割合が多いので、どちらかというとベルリンやロンドンのコースに似ているかもしれません。(東京などは観光地メイン)
北上したり南下したりと、コースはフラットでもカーブが多く意外と集中力が必要でした。応援もNYよりも東京のような仲間を探して応援するといったアットホームな感じでしたが、今までの海外レースの中で一番個人エイドが多かった印象です。
フルーツや水だけでなく、ジェルまで準備している人も何人もいて、頭が下がる思いでした。
正直、街を観光しているときも親切だなと感じることが多くて、そういう街の雰囲気があるのかもしれません。
マラソンゴール後にビールを渡され、まるでフェス会場!?
年代が近い方ならもしかしたらご存じかもしれませんが、若いころに流行ったシカゴ在住の作家サラ・パレツキーが書く小説、女性私立探偵 V・I・ウォーショースキーシリーズが大好きでした。主人公のヴィクは、小説の中で現在はシカゴのノースサイドに住んでいるものの、親がイタリア系移民でサウスサイドで大きくなったという設定。そしてこのシリーズ、実際の地名がたくさん出てくるのです。
今回、事前に小説を読み直し、ある程度の地名や場所をコース上で調べておきました。このあたりがヴィクの事務所かな、この湖畔をヴィクも走っていたのかしら、ああサウスサイドって確かにイタリア系のお店とか多いなあ、なんて考えながら走るのはとても楽しかったです。
もう一つびっくりしたのは、ビールメーカーのGOOSE ISLANDがスポンサーだったせいか、フィニッシュしてから缶ビールをくれるんです。それも500ml! 正直フルを走った後だと、かなり持て余しました笑
上に書いたように走っている最中の応援もアットホームな感じでしたが、どちらかというと、仲間のゴールを待ち受けてアフターレースを楽しむことがみなさんのメインのように感じました。
フィニッシュ後に、ゴール先の公園がほぼフェス会場状態になっていて、キッチンカーもたくさん。 応援に来ていたらしき人たちが走り終えたランナーを囲んでたくさん宴会していました。 (ちなみにシカゴは、通常は道や公園で飲むのは禁止です。)
おまけ:大人の街?シカゴシティ
シカゴといえば映画「アンタッチャブル」。駅でケビン・コスナーが乳母車を止めながら拳銃をぶっ放していたシーンなど覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 もしくは、ミュージカル「CICAGO」のシカゴ劇場のイメージでしょうか。
どこか古き良き文化が息づくイメージがある街で、実際に有名建築家の作品もたくさん残されていて、建築が好きな人には垂涎の街なのだそうです。
シカゴ劇場前でCマーク
ここが映画「アンタッチャブル」の撮影に使われたユニオン駅の階段です。
そんな中で、面白かった一つをご紹介しましょう。
シカゴテンプルというビルです。このビル、正式には「シカゴ・テンプル・ビルディング」 (The Chicago Temple Building)といい、1924年に完成したオフィスビルです。今でもオフィスとして使われているのですが、ではなぜ”テンプル”かというと、実は建物内にチャペルが3つもあるのです。(最盛期には5つあったらしいです。)
下からは見えないのですが、上に尖塔もあり、この中にも教会(礼拝堂)があります。スカイチャペルという世界で一番高い場所にある教会なのだそうです。 ビルの上に塔のある教会が乗っかっているようなイメージをしていただくと近いかもしれません。
スカイチャペル
ガイドツアーでこの尖塔まで連れて行っていただいたのですが、こんなところにこんな凝った作りの礼拝堂をよく作ったなと思うほど素敵な場所でした。このビルについては全く知らず、外の雰囲気にひかれて中を覗いたら、守衛さんが明日来ればガイドツアーがあるよと教えてくれたのですが、そんな偶然にも感謝ですね。
あとは、ミシガン湖ツアーや、アメリカ三大美術館であるシカゴ美術館にも行きました。
シカゴは、具体的な名所というか観光ポイントは少なかったけれど、古いビルや建物が大事に使われていて、ゆったりとした雰囲気があるとても素敵な場所でした。
海と見まがうサイズの湖のせいかリゾート感もあり、アル・カポネのイメージなのかちょっと大人のイメージもあり。 食べ物もおいしかったし、またゆっくり行ってみたいなあ。今度は完全健康体でね。