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日本で唯一の足の専門医の治療法【足のトラブル③ 更年期の不調】

「足が痛いのに病院でレントゲンを撮ってもなんともないと言われた」。そんな経験を持つOurAge読者は少なくありません。今回、足の医療が進んだアメリカとオーストラリアで学んだ川股弘治先生に、最新の足トラブル治療法を聞きました!

 

4.更年期にトラブルが出やすくなる「足の不調」

 

 

川股弘治さん
Koji Kawamata

College of Marin、University of California、Auckland University of Technology卒業。キャンベルタウン総合医療病院、サウスイースト足病科クリニックを経て、2018年に足の専門 東京ポダイアトリークリニック開業

 

 

 

欧米では、足に関する悩みは
まずポダイアトリーに相談

「欧米では足にトラブルが発生すると、まず“ポダイアトリー”に相談します。ポダイアトリーとは、日本語で足科、足病科という意味。海外では眼科や歯科と同じくらいメジャーな科です」

 

と語るのは、日本で唯一のポダイアトリスト(足の専門医)であり、足の専門 東京ポダイアトリークリニック院長の川股弘治先生です。足科が担当するのは、つま先から股関節までの病気、ケガ、不調などの治療およびメンテナンス。クリニックでは、オーストラリア国家足病科医師免許、ニュージーランド国家足病科医師免許を持つ川股先生による、最先端の治療が受けられます。

 

「現在アメリカには約2万人、オーストラリアには約5000人のポダイアトリストがいます。巻き爪やタコ、ウオノメ、外反母趾の治療などはもちろん、股関節・膝・靭帯の痛み、O脚・X脚、アスリートの足・脚に関するパフォーマンスの向上、リウマチによる足の変形予防など、ポダイアトリストによる治療の範囲は広く、多岐にわたります」

 

 

メガネをかけるように
専用の器具で矯正をする

足が体の他の部位と違うのは、地面からの作用があるところ、と川股先生は言います。自分の体重に加え、下からの反作用が関係している唯一の箇所が足なのです。

 

「日本では、加齢とともに足のトラブルが増える原因を、アーチの崩れと説明することが多いですよね。もちろんそれもひとつの理由ですが、足の不調は、前・中・後ろと3Dに動く足首の関節の問題、歩き方の癖や過去のケガなど、複数の理由が絡みあって起こるもの。一概にこうとは言えないのです」

 

さらに靴も重要。外反母趾やモートン神経腫、巻き爪の原因のひとつに間違った靴選びがあります。本来は靴の中で足の指が動くよう、いちばん長い指プラス7㎜の余裕が必要なのだそう。

 

「歩いているときの、着地から蹴り出しまでの一連の足首の動きを“プロネーション”といいますが、このプロネーションに問題が発生すると、足首や膝、股関節、腰など、体のあちこちに影響が出てしまいます。その根本的な問題を改善するために用いられるのが、オルソティックという矯正器具です。一見インソールと似ていますが、日本のインソールと違うのは、衝撃を吸収したり、アーチを持ち上げたりすることではなく、足を矯正するのが目的だということ。近視の人がメガネをかけるように、その人に合わせたオルソティックでQOLを上げていくのが欧米の治療法なのです」

 

また運動不足や加齢により、腓腹筋やヒラメ筋などの筋肉が硬くなると、足首の可動域が制限され、余計につま先の底部に負荷がかかるように。

 

「その結果、外反母趾、足底腱膜炎、モートン神経腫、巻き爪など足の不調が起きやすくなるので、治療と並行しながら、日常的なストレッチで足首の可動域を広げておきましょう」

 

 

クリニックでオーダーできる、足用のオルソティック(海外で作製する医療用矯正器具)

 

 

各自の足の悩みに合わせて使用する、足裏用パッド。大きさ、厚さ、硬さはさまざま

 

 

オルソティックは、日本で足の型を取ってからアメリカのメーカーにオーダー

 

 

足の専門
東京ポダイアトリークリニック

東京都港区新橋5-34-7 第2三栄ビル3F
☎03-6875-2970 ※完全予約制
診療時間/10:00~12:00、13:00~18:00、土曜10:00~15:00
㊡日曜、祝日 ※自由診療 初診¥7,980

 

 

次回は、ライターKのポダイアトリー体験ルポをご紹介します。

 

 

撮影/織田桂子 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子

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