さて、いよいよ
今年も佳境にはいり、
毎年のように
あれが終わらない、これも、
と、あたふたしております
漢方薬剤師・漢方ライフクリエーターの
樫出恒代です
寒くなってくると
かならずや、風邪ひきさんが
増えますね。
「乾燥と寒さ」は風邪の大敵です。
インフルエンザの流行が今年は早い!と
いうニュース。
インフルエンザウィルスが今までより
威力が増した、ということもあるかもしれませんが、
それよりも
私たち、人間の免疫力・自然治癒力が
低下しているのではないかなぁ、
と、思うこの頃。
風邪は疲れた時、免疫力が低下した時に
ひきます。そして、風邪をひいた時は
自分の中の自然治癒力が低下している時でもあります。
だから、
すっきり治らず
ずるずると長引きます。
風邪には
赤い風邪と白い風邪があるのを
ご存じですか?
あなたの風邪は赤い風邪? 白い風邪? くわしくは次のページで!
あなたは、紅組?
それとも、白組?
赤い風邪タイプ
寒気のあと、すぐに熱が出て
顔が赤くなる
喉が渇き、冷たい飲み物を欲しがる
鼻水は黄色っぽい
赤いタイプの場合は
体力があり、食欲もある人。
だから、力強くしっかり
あたためる漢方薬で、
汗を出すようにし、
病邪も身体の外に出します。
漢方薬は
☆麻黄湯(まおうとう)
症状の強い時に。腰やひざなどの関節が痛み、寒気が強く、高熱が出て、強い咳も。汗は全然出ない。
*インフルエンザかな、とか、悪化してきたな、というときは
クリニックでの受診をおすすめします。
☆葛根湯(かっこんとう)
寒気・節々の痛み、首の後ろや背筋のこわばりやこり、風邪の症状、汗が出ない。
他にも葛根湯は、アレルギーの目のかゆみ・中耳炎・乳腺炎などの炎症にも。
どちらの漢方薬も身体を温めてくれるもの。
顆粒タイプの漢方薬は、必ず熱いお湯で溶かして飲み、その上、もう一杯の熱いお湯を飲んでください。
そして、もっと
体温を上げ、漢方を効かせるために
マフラーを巻いたり、上着を一枚多く着る
工夫も大切。
そのあと、汗がたくさん出て
(尿がたくさん出ることも)、
早ければ30分で
すっきり治ります。
汗をしっかりふくことも忘れないで。
すっきり治ったと、感じたら
それ以上はもう飲まなくていいです。
これが、
赤い風邪を早く退治するコツです!
次のページでは白い風邪タイプについてご紹介します。
寒気がひどく、寒い寒いと震える
喉は渇かず、温かいものを欲しがる
鼻水は透明で、垂れるようにでる
白いタイプの場合は、
もともと冷え症や疲れやすい人に多い
できれば寝ていたいタイプ。
だから、
温めてくれて、寒さや冷えをとり、
胃腸の働きを良くして
体温と体力を上げる。
体力があまりない人向けの漢方薬
☆桂枝湯(けいしとう)
なんとなく汗ばむ傾向、
風邪の症状のほか、胃のむかつきのある方。
妊婦さん向き。
☆麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
疲れやすく、寒気・寒さが強い。
微熱、頭痛、喉の痛み、
鼻水がたらたら垂れる方。
☆真武湯(しんぶとう)
身体がだるくて、起きているのもつらい、
風邪の症状のほかにも、めまいやふらつきもある人。下痢しやすく、胃腸が弱い。
どれも、お湯に溶かして温かくして飲むのは、もちろんのこと、白い風邪には、湯たんぽ・こんにゃく湿布なとで、外からも暖めるのが、効果的。
漢方薬を飲んだあとに、
お粥、梅醤番茶、もおすすめです
梅醤番茶(ばいしょうばんちゃ)
作り方
1.梅干しの種を取ってくずして湯飲みに入れる
2.熱く、濃いめの三年番茶を注ぐ
3.生姜の絞り汁2滴、醤油小さじ1ほど注いで出来上がり
これで、白い風邪は、退散!
赤と白、どちらの風邪を引くのか、実は普段の体力に関係しているのだそう。
このように
風邪のタイプは
赤と白に分かれます。
それは普段の自分の体力とも
関係あり。
比較的元氣なタイプか—- 赤
冷え症で寒がりか—–白
それを知って、漢方薬を用意しておいて
くださいね〜。
私自身は、ふだん、白の風邪が多く、
麻黄附子細辛湯を持ち歩いていますが、
インフルエンザが大流行している時期に、
ぞくっとして、いつもより、つよい悪寒がしたときには、
すぐに赤い風邪の麻黄湯をのんで、発汗して治したことがあります。
ひいたかな?のその時に
さっと、出して
熱いお湯に溶かして
ぐっと飲む。
かっこいい大人の女は
自分を知っているから
自分の体質に合う
漢方薬をいつも
忘れず持ち歩いているのです。
自然治癒力と漢方薬で
風邪知らずの年末を。
注:漢方薬については
漢方専門の医師や漢方薬剤師
漢方アドバイザーなどにご相談・
カウンセリングの上お飲みください。
イラスト/樫出恒代
漢方カウンセリングルームKaon
https://www.facebook.com/kampokaon
HP