更年期世代中心の漢方セミナーのなかで、一般のA子さんの漢方カウンセリングを敢行!
先日、女性のための漢方セミナーの中で、「公開!漢方カウンセリングライブ」というコーナーをつくって実際のカウンセリングを皆さんの前でやってみました!
参加者は全て女性。平均年齢は50歳くらい。まさに更年期世代が多いセミナーでした。
30人近い参加者の前に出て、赤裸々にご自分のことを語ってくれたカウンセリングのモデルA子さん。
「漢方はクリニックでもらったことがあるけど、あんまり効果は感じなかった」。
「漢方的な〈舌診(ぜっしん)や腹診(ふくしん)〉やカウンセリングは初めて」なので、興味しんしんです!と言ってくださり、カウンセリングモデル役を快諾してくださいました。
痰や咳、のどのつまりなど…まずはA子さんが一番つらいことを確認します。
まずは、A子さんにいちばんつらい症状をお聞きします。
「痰がでたり喉にひっかかるような感じになり、喉がつまるような感じもして、時々咳もでるんです。仕事中に咳するのもいやなので、それがいちばん氣になります」
もちろん、もっと他にもお悩みの症状はあると思うのですが、大事なのは
[今、いちばんつらいこと]を共有することです。
参加者も加わって、A子さんの体調や問題点・お悩みをひもといていきます。
そして、ここからが公開カウンセリングライブ。参加者の方々にも質問していただきます。
「お通じはいかがでしょうか?」
「睡眠はどうですか?」
「お仕事はデスクワークですか?」
「何かストレスは感じますか?」
「冷え症ですか?」
「何か運動していますか?」
などなど、みなさんも興味しんしんで、たくさんの質問をしてくださいました。
最後に「舌診(ぜっしん)」と「腹診(ふくしん)」で診断します。
カウンセリング中に「舌診(ぜっしん)」<漢方では舌をみることで心身の様子がわかる>もしました。
A子さんはサービス精神旺盛で大きく口をあけて、舌を👅べーっと皆さんにむけて出してくださいました。
舌の裏も血液の滞りをみるために大切で、裏もしっかり見せてくださいました。
そして、すわったままでもできる「腹診(ふくしん)」<日本漢方でよく用いられる身体の見方>も。これは私が触らせていただきました。
A子さんの漢方カウンセリングは30分くらいで終わりました。
30分の漢方カウンセリングで見えてきたA子さんの問題点
参加者のみなさんからの質問にも、A子さんは真摯にこたえてくださり、このようなことがわかりました。
主訴(いちばん氣になる症状)は痰や咳、のどのつまりとのことでしたが、そのほかに気になる点があります。
主訴以外の気になる点
・夕食をつくっていると、食べたくなくなることがあり、そのまま食べないこともある。
・毎日ではないが、夜10:00くらいに寝て朝7:00くらいに起きるが疲れが抜けない。
・休みの日はだらだらしてることが多い。
・ストレスは会社の上司(でも、仕方ない)。
・お顔のシミが濃くなってきたのが氣になる。
舌診では
薄紫色の苔があり、震えている。
出し方に力がない。
→漢方的には氣の不足や滞り、疲れなどを意味します。
舌の裏をみると、舌下静脈がぷっくり盛り上がっている。
→漢方的には瘀血(血液の滞り)を意味します。
腹診では
みぞおちあたりに圧痛があり、氣の流れ滞りと胃腸の疲れがある。
お腹の下のところに力がない。
→小腹不仁(しょうふくふじん)といい、氣の不足や老化を意味する。
A子さんの体は、胃腸の弱りとともに氣が滞り、また足りなくなっている状態
このようなことから
A子さんは
【胃腸の弱りとともに、氣が滞り、また足りなくなっている状態】
と考えられると判断しました。
喉の違和感は漢方では<梅核氣(ばいかくき)>といい、まるで、梅の種(核)が詰まったような氣がすることからそのように言われます。
これは「氣滞」という症状。
氣がうまく流れなくなり、喉のあたりにとどまっているイメージ。痰がともなうこともあります。これは風邪ではなく、身体の中の「水」も動かなくなり、うまくさばけなくなっているためになる場合があります。
夕食を食べなくてもいいこともあったり、長く寝てはいても、疲れが抜けない。
休日もあまり出かけたくない。
肩こり、頭痛もあり、会社でのストレスもある。
A子さんには、血液が滞っている[瘀血]もあるため、肩こりやシミが濃くなることもあるのだけど、それの大元になっているのは「氣虚」と「氣滞」。
要するに氣が足りなくなりうまく巡らないのが原因なのですよ、とお話ししたら顔がパァーと明るくなって。
「やっぱりそうなんだー。納得です」と。^_^
氣が足りないから、やりたいこともできず、ぐずぐずしてるんだ、
本当は以前やっていたヨガをはじめたいと思っていたんですよ、でもできなくて…。
なんか、そんな自分がだめだと思って…。
と、おっしゃっていました。
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」と「双参(そうじん)」を飲んでいただいた結果は?
漢方薬は
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」。
半夏は氣を下げてくれてつまりをとってくれる。
漢方の精神安定剤とも言われる、逆流性胃腸炎などにも使える漢方薬です。
もうひとつ、
「双参(そうじん)」。
深部体温を約0.5度あげてくれるため、胃腸の働きをよくして、自律神経〈氣のめぐり〉のバランスをとってくれる。
こちらを一緒に飲んでいただくことにしました。
その後、「とても美味しくいただけます」とのことで、5日くらいで、喉の詰まり感はほとんど無くなり、喉の咳については咳き込むことはなく、ちょっとむせる感じがたまーに、くらいになりました。と、ご報告いただきました。
そして、やりたかったヨガを再開した、と嬉しいご報告をいただきました。
本当によかったです。
漢方では一カ所だけをみるのではなく
「人をまるごとみる」。
A子さんが、本来の自分をとりもどしてくれて、やりたいことを思いっきりやってほしい。
更年期には、さまざまな症状が出やすいけれど、必ず乗り越えられます。
そのために、氣をしっかり増やして、血水を動かし、自分らしく生きていきましょうね^_^
注:漢方薬については
漢方専門の医師や漢方薬剤師
漢方アドバイザーなどにご相談・
カウンセリングの上お飲みください。
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