女性ホルモンの低下により起こりやすくなる、骨折や骨粗しょう症などの対処法は?
寺内公一さん Masakazu Terauchi
1994年、東京医科歯科大学医学部卒業。2003年、医学博士。
’05 年、米国エモリー大学リサーチフェロー。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科女性健康医学講座教授
[骨]
骨粗しょう症になりやすい人
月経が不順だったり早く終わったりした人、痩せている人、若い頃にダイエットをしていた人。これらに当てはまる人は、骨粗しょう症のリスクが高くなります。また、痩せれば痩せるほど骨にかかる力が低くなる→骨の頑張りが減る→骨密度が低くなる、というメカニズムもわかっています。特に若い頃にダイエットをしていた人は、カルシウムをはじめ、十分な栄養素がとれていない可能性があるため、やはりリスクが高くなります。(寺内先生)
女性の生涯における骨密度の変化
女性ホルモン低下+加齢→骨折
女性ホルモンの低下に加齢が加わることで、骨折のリスクは高くなります。骨粗しょう症というのは、つまずく、尻もちをつくなど、なんでもない日常の動作で骨が折れてしまう病気です。骨粗しょう症の薬もありますが、50代ならば閉経後すぐにHRTを始めるなどの対処法もあります。HRTをすることで骨の強度を維持できるので、興味のある人は婦人科で相談を。(寺内先生)
母親の既往症をチェックして
骨粗しょう症には、遺伝性のケースがしばしば見られます。「母親が骨粗しょう症になって骨折した」という人は、自分にも同じような可能性があると考えたほうがいいでしょう。医師に相談して何らかの対策をとるなど、早めのケアをすることが大切です。(寺内先生)
取材・原文/上田恵子