「あなたの畑、何も食べられるものないじゃない」
だとしても、これはやりすぎじゃない??と思った光景。
スティックセニョール(ブロッコリーの仲間)、丸裸にするつもりですか?な勢いで鳥に食べ尽くされていた、ある日(フンが周りにたくさん落ちていたから、犯人はすぐ判明)。
おかげで太陽が花蕾(からい)にしっかり届くありがたさはあるけど、霜除けとして、葉っぱ・・もう少し残しておいてほしかったなあ・・・。
こんな風に、鳥たちがついばむ野菜も見当たらないほど、この時期の路地栽培での畑はとても静かで、白菜、人参、ネギ、大根がわずかに残る程度。
「採る野菜も少ないし、畑に行かなくたっていいか〜」と、ヌクヌクのお部屋でお茶でも飲んでいられたら・・と思う一方で、今やっておかないと美味しい野菜が育たない、大切なお仕事が。
“寒起こし(かんおこし)”。
しばしの期間、何も植えず土を休ませていたものの、これから新たに苗を植え、野菜を育て始めるその前に、土が再び元気になってくれるよう、土の応援とも呼べる作業!
霜が降りる厳寒期に、地中で眠っていた土を掘り起こし、空気に触れさせると、地中の病害虫が寒さに負けて死滅したり、土の通気性や水はけが良くなる効果もあるんだそうで、これをやるのとやらないのとでは、野菜の生育が大きく変わってくると教わりました。
(昼と夜の気温を利用して土についている水分を凍らせたり乾燥させたり・・先人の発見と知恵って本当にすごい)。
さらにそこへ堆肥、投入!
(ここからおすそ分け頂く、我が畑)
お世話になっている畑近くにある、府中競馬場から運ばれるワラや、ワラの下で長く出番を待っていた腐葉土たちは、たくさんの有機物を含んでいるおかげで、微生物が喜び、その結果、土を元気にさせてくれるとのこと。
土ってずっと土・・と思っていましたが、土の人生にも肥えたり痩せたりがあるなんて・・・、その力が野菜を育てるエネルギーになっていたなんて・・・
これからはもっと土の声にも耳を傾けよう・・そんなことを思った、2021年、冬の終わり。
そして作業場へ戻れば、種まきのお手伝い!
夏から秋に向けて「美味しい、大好き!」とたくさん食べたい、シシトウや福耳(シシトウの姿をしたトウガラシ)、万願寺とうがらしなどの種まきが、いよいよスタート!
ヒラヒラと小さなこのひと粒(種)が、まずはうまく発芽するよう、祈るような気持ちでポットの中に入れていきます。
あまりに軽いので、ピンセットからポイッと落ちたり跳ねたり、なかなかの苦労を感じながらも、これらの作業は確実に一歩づつ春へと近づく作業のような気持ちもして、マスクの下ではニンマリ状態!
何かと心配な状況ははまだまだ続くけれど、その中でも楽しみの種だけは忘れずに蒔いていけたなら。
どんな風に育っていくか、成長をゆっくり見守りたいと思います!
加藤紀子
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