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幸せなコロリのために「4分類法」で大切なものを見極めよう

自分にとっての“理想の死”、「幸せなコロリ」を考えるとき、生前整理は重要なポイント。「お掃除・片づけ・生前整理」のプロ、大津たまみさんは「4分類法」を提唱しています。その具体的な方法は?

前回のように、写真を整理して人生を振り返ったら、いよいよ“物の整理”を本格的にスタート!その際、「捨てるか」「捨てないか」の二択で、物を減らすことを目的にしてしまいがちですが、無理に捨てなくてもいいというのが大津さんの考え方。いる」「いらない」「迷い」「移動」という4分類に仕分けすることをすすめているのです。

 

さて、生前整理の専門家がおすすめする「4分類法」とは、どのような片づけ方なのでしょうか。

 

4分類で整理するとき、注意することは?

 

4分類の仕分け作業を始めるとき、まずは捨てずにとっておくものを入れるための〈迷い袋〉か〈迷い箱〉をあらかじめ準備しておきましょう。具体的には、以下のように4分類に仕分けていきます。

 

・いる

今使っていて、自分にとって必要なものを分類。「いつか使えるかも」と思っても、「今使っているもの」でないのなら、ここには入れません。

・いらない

今使っていないもの、今後も使う予定がないものは不要と考えて、ここに分類。捨てる、人にあげる、リサイクルするという方法で処分します。

 

・迷い

思い出として残すべきか、手放すべきかと判断に迷ったものを分類。8秒間迷ったら、〈迷い袋〉か〈迷い箱〉に保管しておきます。そして、半年後に再度向き合ってみましょう。その際、「思い出として残す」と決めたら「移動」へ、「手放す」と決めたら「いらない」に仕分けします。

 

・移動

思い出として残すと決めたもの、ほかの場所へ移動させたほうがいいものを分類。思い出グッズをここに集める理由は、「今使っているもの」と「今使っていないけれど、大切にとっておきたいもの」を明確に分けるため。大切な思い出グッズは〈思い出箱〉に移動して保管しましょう。

 

そして、4分類するときは、衣類などのアイテムごとに仕分けるのではなく、キッチン、リビング、寝室など、エリアごとに行うのがコツです。例えば、キッチンの片づけをしているときに寝室に必要なグッズが出てきたときは、すぐに寝室に持って行かずに、いったん「移動」に分類します。

「片づけに慣れていない人の場合、キッチンの片づけ途中で寝室に行くと、そのまま寝室を片づけ始めてしまいがち。すると、どちらも中途半端になってしまいます。片づけの収拾がつかなくなるのを防ぐためにも、まずは部屋ごとに4分類の仕分け作業すすめていきましょう」

 

各部屋の4分類の仕分けを終えてから、キッチンから寝室へと物を「移動」させると、混乱する心配がありません。間違った収納場所を正すことにも役立ちます。

 

「生前整理は捨てることを目的にする片づけではなく、自分にとって大切なものを見極め、使わないものを手放す作業。4分類して物を整理するにつれ、心も整理されていきますよ」

 

いるか、いらないか、迷ったときには〈迷い袋〉へ

 

OurAge世代の私たちは豊かな時代に育ち、「物を捨てられない」親世代の影響を少なからず受けています。昨今の断捨離®ブームもあり、片づけ=捨てることととらえてしまいがちですが、「やみくもに物を捨ててしまわないことが大事」と大津さんは言います。

 

「私が皆さんにおすすめしているのは、「『捨てるか』『捨てないか』を考える時間は8秒にとどめましょう」ということ。8秒を基準にしているのは、迷う時間が長いと先に進めなくなってしまうからです。8秒迷ったら、どんどん〈迷い袋〉に入れてください。それだけで、今よりも確実に部屋が整理されます。そして、半年以内という期限を設けてもう一度見直すと、時間が解決してくれるんですよ」

 

勢いで処分して、あとで後悔しないためにも、迷ったときは〈迷い袋〉か〈迷い箱〉で最長半年間保管します。ワンクッションおくことで、「やっぱりとっておきたい」「やっぱりいらない」と、自分で納得して決めることができるのです。

 

「それに、4分類による仕分け作業をすすめるうちに、まるで筋トレして筋肉がつくように、片づけがうまくなっていくんです!片づけがうまくなると、今の自分にフィットしているものは何か?と選別できるようになり、フィットしないものを手放すことができるようになるんです。生前整理とは、『第二の人生をグレードアップするために、自分の持ち物を見直す作業』と考えるといいかもしれません」

思い出を収める箱は、みかん箱のサイズがGOOD

 

ちなみに「移動」の中には、思い出グッズを保管した〈思い出箱〉も含まれます。

 

「普段使うものではないけれど、これは大切な思い出の品だから持っていたい」と決めた物は、〈思い出箱〉に移動させて保管しましょう。

といっても、思い出グッズとして残す場合、どのくらいの量が適量なのでしょうか。

 

大津さんが提唱しているのは、みかん箱ひとつ分の量です。みかん箱というのは、持ったときに体からはみ出さずに、両手で大事に抱えることができるサイズ。いずれ自分が施設に入居する場合も、持っていける量です。

 

「自分に万が一のことがあったとき、遺された家族が保管できるのは、ちょうどみかん箱ひとつ分くらいの量ではないでしょうか。それ以上は家族の負担になるだけ。それに、みかん箱に収まる量と考えると、“残す物”と“手放す物”をしっかりと吟味して選びますよね。前回、写真の整理の仕方とともに、“マイベストショットアルバム”の作り方についてお話ししましたが、みかん箱に収めるためには大きなアルバムはダメです。手のひらに収まるくらいのコンパクトサイズがおすすめです」

 

そして、収納するときには、箱の中に何が入っているのか、ひと目でわかるようにするのがポイント。手紙やノート、ファイルなどは積み重ねるのではなく、立てて並べるとすっきりと収納ができて取り出しやすくなります。

 

「私自身、みかん箱サイズの〈思い出箱〉をすでに保管してあり、海外に住む一人息子にも置き場所を伝えています」

 

 

【教えていただいた方】

大津たまみ
大津たまみさん
一般社団法人生前整理普及協会代表理事
公式サイトを見る
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生前整理アドバイザー認定指導員。片づけ収納マイスター認定講師。「お掃除とお片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。近年、生前整理への関心の高まりから、「あったかい生前整理」を提唱し、生前整理普及協会を設立。主な著書に『生前整理で幸せな老いじたく』(PHP研究所)など

 

イラスト/内藤しなこ 取材・文/大石久恵

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