こんにちは小野アムスデン道子です。冬の京都、大人のきれい旅②は、2021年11月5日にオープンした「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」(以下OMO5京都祇園)をご紹介いたします。
祇園といえば、四条通りに面して、八坂神社のすぐ近く。都市観光ホテルブランド「OMO」らしく、畳敷きの腰掛けや提灯の下がるカウンターがあるパブリックスペース(OMOベース)には、祇園の街歩きに便利な「ご近所マップ」があります。
OMOの名物は、ご近所をガイドしてくれるOMOレンジャーによる街散歩。今回、参加した「祇園うるわし朝まいり」は、6:30からの1時間、静かな花街や神社を「うるわしい」をテーマに巡るというアクティビティです。
まずは、一力亭など茶屋が並ぶ花見小路から出発。祇園の芸舞妓文化や家の飾りの意味合いなど、そんな由来が、と驚かされることもいろいろ。
たとえば、軒先のしめ縄には、“笑門”と書かれています。これは、元々は”将門”と書かれていたのだそう。その昔、スサノオノミコトが、自分をもてなしてくれた蘇民将来に、感謝を込めて読んだ歌から由来した”将門”だったのですが、反乱を起こした平将門と同じではまずいだろう、と笑門になったとか。これまで「笑う門には福来る」の意味だと思い込んでました!
夕方になれば、華やかな舞妓芸妓さんの姿が見られる祇園も、朝はとても静か。途中で、「悪縁を切り良縁を結ぶ祈願所」安井金比羅宮に立ち寄ります。
主祭神である崇徳天皇が、戦によって寵妃の阿波内侍と悲しい別れをしたことから、そんな境遇にならぬよう、男女のえにしや世の中のあらゆる悪縁を断ち切り、良縁を結んでくださるそう。そんな言われの神社ですので、特に男女の強い思いのこもったお願い事もあるようです。絵馬の形をした石碑の穴をくぐれば思いがかなうと言われる、「縁切り縁結びの碑」にも、願い事を書いた形代の紙がすずなりでした。
ここから「ねねの道」に散策に入ります。北に向かう道を東西につなぐ、石畳と石塀が美しい石塀小路を少し覗きながら、八坂神社へ。京都で「祇園さん」と言えばここ。本殿は国宝、全国の祇園信仰の総本社で、スサノオノミコトをお祀りしています。今まで朱塗り鮮やかな西の楼門から入ってお参りだけして戻っていたのですが、今回は境内にある美のパワースポットと言われる、美御前社(うつくしごぜんしゃ)へ。
スサノオノミコトが持っておられた十挙剣から生まれた3柱の女神を祀り、古くから祇園の舞妓さんはじめ、美しくなりたい女性の崇敬を集めてきた神社です。ここに湧き出る美容水は肌につけるとよいそう。他の参加者の方に「指輪なども浸すときれいになる」と言われてすすいでみたところ、確かに金の輝きが増したような……。
お散歩から戻って、OMOベースで香り高い原了郭のお香煎を一服。ほっと心も温まります。
とても充実したご近所ガイド付きの朝さんぽは、無料。そして、OMO5京都祇園はリーズナブルな料金で、客室などの施設やプランに楽しく滞在できる遊び心がいっぱいです。
日本の伝統模様と赤・緑・青の3色で色分けされた客室には、提灯が下がる屋台をイメージした棚や作業スペース、荷物を置く土間のようなスペースなどが設えられています。
畳敷きが心地よい「茶の間」タイプの客室には、キッチン付きで最大6名までお泊まりOKのお部屋もあって、家族や友人とも楽しめそう。
そんな楽しい部屋で、花街の仕出し屋さんにオーダーした豪勢なお弁当をいただいたり(実費有料)、朝は焼き立てパンが楽しめるホームベーカリー付きの朝食セットも(1,000円税込)。バターやジャム、卵サラダ、抹茶餡などコンディメント6種にドリップコーヒーもついてます。
OMO5京都祇園では、2021年12月1日~2022年6月30日の期間、京都の老舗ブランド「よーじや」とコラボ中。「卒業旅行プラン」という名称で、宿泊翌日に、「よーじや祇園本店」で京紅(きょうべに)のメイクアップ体験ができます。よーじやのスキンケアセットもついて、とても魅力的。
”卒業旅行”となっていますが、学生限定ではありませんのでご安心を。あぶらとり紙で有名なよーじやですが、スキンケアやメイクアップのラインも充実していて、本店の2階ではいろいろとお試しができるのがすごく楽しい。ぬか袋で手を洗ってみて、そのすべすべ具合には感動してしまいました!このプラン用のセットにも入ってます。
冬の京都、いろいろなアクティビティで滞在の幅が広がる「きれい旅」も、またよいのではないでしょうか。
取材・文 / 小野アムスデン道子