日本では、誰かに手みやげを持っていった時、「これ、つまらないものですが~」とか「ほんのお口汚しですが、お召し上がりください」と社交辞令を言って渡したりしますよね。私、あれが嫌いなんです。
以前、取材に来た人に、「つまらないものですが」と言ってお菓子を渡された時、「つまらないものならいりません」と言ったことがあります。
想定外の私の言葉を受け止めきれず、機能不全になってフリーズしている人に「本当に、つまらないものだと思ってるんですか?」って質問しました。きっと、その人にとって人生はじめての質問だったでしょうね(笑)
思ってないくせに!絶〜対そんなこと思ってないくせに!!なんで、そんな心にもないこと言うかなあ、と思う一条ゆかり20代、大勢に噛みつきたい果敢なお年頃時代のお話でした(今は立派な大人なので、そんな疲れることはしませんよ)。
もちろんそれが社交辞令で、枕詞的に使っていることはわかってるけれど、日本人の「謙譲の美徳」っていうのが、あまり好きじゃないです。もちろん見栄をはって、中身がないのに虚勢を張るのはもっと嫌だけど、必要以上に自分を卑下するのも嫌い。「そのまま」「等身大」がいいと思うんですね。
たとえば手みやげのお菓子を渡す時、私だったら「これは、私のお気に入りなんですよ。あなたの口にあうかどうかはわからないけれど、食べてみてね」って渡します。
今やグローバルな時代で、周囲の国々を見渡せば、ラテン系もアジアも欧米もみんな、自己主張が強いじゃないですか。そんな時に「つまらない物ですが」とか謙遜ばかりしていたら、日本は置いていかれるんじゃないかと不安になりますね。日本人は裏表があるとか、思っている事を言わないとか色々世界から言われる理由は、こういうところなんじゃないかなぁと思います。
もちろん古き良き時代の習慣で、素晴らしいから残したいというものもたくさんあるけれど、カビが生えたしつけとか、時代に合わない慣習は、どんどん変えていくべきなんじゃないかと一条は思います。
そして今こそ、はっきり自分の意見を言える日本人になりましょう!
「有閑倶楽部」コーラス1998年1月アンケート懸賞テレホンカードイラスト
取材・文/佐藤裕美