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人間以外、派手で美しいのはたいていオス。ってことは「美容男子」は自然の摂理!?

一条ゆかり

一条ゆかり

いちじょう・ゆかり 漫画家。「デザイナー」「有閑倶楽部」「プライド」など、OurAge世代なら誰もが夢中になったヒット作多数。大酒豪、愛煙家など破天荒な伝説数多くあれど、現在は家庭菜園でトマトを育てるなど、いたって健康的な日々。この連載ではOurAge世代への”愛とムチの金言”を、ビシビシといただいていきます!

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最近、服装は当たり前として、一般人でもお肌や眉やメイクにとやたら美容に気を遣う「美容男子」増えたよね。

 

その昔、メンズエステが出現した時は、とうとうここまで来たかと感心したもんだけど、今じゃ気になるのは値段くらいです(笑)。男と女どっちが高いんだろう…。

 

人間界ではメスがおしゃれしてオスの誘惑を待つとかが普通だったけど、最近のオスは疲れているのか征服欲がなくなったのか、省エネモードでなかなか誘惑を仕掛けて来ないらしく、お嬢さんたちは困っているそうです。日本女性の生涯出生率は恐怖の1.2人なので、このままいけば日本滅亡だぁ!2人産んでもらっても結婚しない男女が多いので人口減少間違いなしだが‥‥

 

こんな状況の人間界ですが、自然界においては、メスよりオスのほうが圧倒的に豪華で華やか、孔雀にしてもライオンにしても歌舞伎役者のようなオスに対して、メスは白モジモジ君のようで哀れなほど地味で寒そうです(モジモジ君をご存じない方はGoogle先生に尋ねてね)。

 

なぜにここまでオスとメスで見かけが違うのか!?何故にオスは色鮮やかな羽を見せびらかし、美しい声でさえずりまくり、強そうな大きな身体をこれ見よがしに広げ、最後にはダンスまで踊ってくれるのか!?

 

ズバリ!求愛です❗

 

簡単に言ってしまえば「俺ってイケてるっしょ!!どうよ!俺の子ども産まない?」ですね。彼らが生まれてきた目的は自分の子孫を残す!ほぼこれだけです!365日発情シーズンの人間と違って、彼らの発情期は年に1回、多くて2回です。この短いチャンスに全身全霊をかけてメスの気を引くため、彼らは頑張るのです。

 

かたや、メスの方も必死です。強くて大きくて美しい子を産むことこそがメスとして生まれてきた意味です!命をかけて出産し、自分で狩りができるようになるまで育てなければならないのに、適当なところで手を打つわけにはいかなくてよ!当然選ぶ権利はメスにあるのです。

 

とまあこのように自然界は成り立っているので、当然自然界の一員である人間も、うっかり忘れていた本来の目的を思い出しはじめているのではなかろうか、と思うわけですよ。自然に帰れ!コレこそが男が美容に気をつかい、着飾ることでメスを誘惑するという自然の摂理にかなう方法なのであります。

 

一条がこの方程式に気づいたのは、まさかの高校生の頃。
何かの図鑑にアフリカ大陸の奥地の原住民の暮らしぶりが出ていたんだけど、そこの村では、女たちは狩りをして、ご飯を作り、子供を育てる一方、男どもは日がな一日中、鳥の羽飾りをつけたり、赤や青の染料や泥を顔に塗りつけ体中に模様を描いたりして過ごしているのであります。

 

これを見た時、もしかしたらこっちが正しいのか?と思ったのよね。確かに体格的には男のほうが強そうだけど、子どもを産むのは女だから、ある意味、決定権を持っているのは女。だから女に自分を選んでもらうために、男が美への努力をする。自然の世界ではコレが普通のことではないかって。

 

ただ、人間は急激に文化や知能が発達してしまったので、自然の摂理とはズレた形で生きているのではないかとね。いや〜深いわ。

 

ということで、美容男子を見かけたら「男のくせに」とか思わないで、「女子に必死にアピールしてるのね」と思って、温かい目で見守りましょう!!

 

そしてなんとか人口増加を!と思いながら…あれ?ええっと…化粧して色鮮やかな服を着て、美しい声で歌いまくり、大きな体でダンスまで踊りまくる男たちが確か韓国にいっぱい…。世界で唯一、ひとり未満の出生率を記録中、出生率 0.72人(2023年 韓国統計庁発表)の韓国に‥‥ああぁダメダメやーん!!

 

「有閑倶楽部」のワンシーン

 

「有閑倶楽部」のワンシーン

「有閑倶楽部」のワンシーン

有閑倶楽部」集英社文庫<コミック版>

 

取材・文/佐藤裕美

 

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