自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
体と心にきく 毎日のツボ
第4章 これで安心して仕事ができる
第4章では、仕事や職場の様々な場面に応用できるツボを紹介します。
【デスクにいたまま健康法】
デスクワークで座りっぱなしなど、ずっと同じ姿勢を保っていることで起こるエコノミークラス症候群。
今回は、その「エコノミークラス症候群」の予防におすすめのツボをご紹介します。
長時間の旅でずっと同じ姿勢で椅子に座り続けていると、血行障害をおこし血栓症を併発することがあります。それをエコノミークラス症候群といいますが、決して飛行機にかぎらず劇場や長距離バス、電車などでも長時間同じ姿勢を保っていなければならないような場でおこりやすい症状です。
つまり下半身に血液が巡らず、足がむくんで血栓が生まれ、乗り物の到着と同時に急に立ち上がると、その血栓が肺につまり、呼吸困難をおこしたり、脈の増加や胸の痛みなどに繫がるわけです。
予防としては、水分をとること、席を立ってトイレまで歩いたり、座っているときも軽く背伸びをしたり首を動かしたり、適度な運動を心がけること。それに加えて、血行を促すツボ押しをすると安心です。
おすすめのツボは「 解谿(カイケイ)」と「血海 (ケッカイ)」。靴を脱いだら、反対側のかかとで「解谿」を約5秒間、揉みほぐすのを両足同様に行います。
適度の運動とこのツボ押しでエコノミークラス症候群を予防します!
「解谿(カイケイ)」「血海(ケッカイ)」
「解谿」は、足首の関節の前面中央にあります。
靴を脱いでリラックスしたら、反対側のかかとで解谿を約5秒間、揉みほぐしてください。両足同様に行います。次に足首にたくさんあるツボを一気に刺激するつもりで、足首を左右に倒すようにして回しましょう。また、足の指にも重要なツボがたくさんあるので、足指でグー、チョキ、パーをするのも有効です。
仕上げは、大腿部の内側にある「血海」をスピーディに10回親指で揉むように押すといいでしょう。
次回は、不快な「のぼせ」を抑えるツボをご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子