京都東山、「平安神宮」に通じる神宮道に昨年11月にオープンした「京都紅谷 神宮堂」は、古い町家を改装した、まるでギャラリーのようなお店です。ここは、京焼、漆、染めなど、さまざまな京都の伝統工芸作家の作品を扱っています。
ここの特徴は、京都の伝統工芸の技を使い、現代のライフスタイルにマッチする品々を揃えていることなのです。和の技を駆使した作品ながら、モダンな感覚と発想でグッと身近に感じ、日常で使えるのです。
この「京都紅谷 神宮堂」を開いたのは、京都で町家や店舗などの設計、改装などを手掛ける工務店。長年培った技術やノウハウで多くの物件の施工を担っています。特に京都の風情を漂わす改装などを得意とし、その内装にはさまざまな伝統工芸の技が使われる機会も多く、それにより深まる伝統工芸の作家さんや職人さんたちのつながり。そこで、彼らの素晴らしい技や作品を、京都を訪れる多くの人達に知ってほしいという思いが高まり、このお店の誕生へと到ることに…。
伝統工芸というと、和室のある住まいや和服を愛用する人のものというイメージを抱く方も多いもの。でも、ここに並ぶ品々には、伝統の形から今を意識した形で、現代のライフスタイルにマッチしたものを作りたいという作家たちの思いが強く感じられます。
例えば、キラキラ輝くゴールドの財布やカードケース「ゴールドリーム」は、金運がよくなりそうな雰囲気。これを手掛けたのは、名だたる寺院の仏壇・仏具などの金箔を手掛ける「山村金箔」。
また和のテイストをモダンにアレンジした図柄が素敵なシルクのスカーフは、着物や服地の型染めの高い技術を有する「亀田富染工場」の「パゴン」というブランドの一品です。
京焼「くまがい」の器には、伝統の技と共に工夫を凝らした釉薬使いの新しさを感じさせます。
夏のパーティーバッグにしたい竹製のバッグは、竹工房「喜節」の作品です。
作家や職人の確かな目で選ばれた上質の素材を使い、熟練した腕による作品は、見る人を魅了します。海外の観光客もその技術と端整な美しさに、改めて日本の技術と美意識の高さに驚くそう。
現代を感じさせる伝統の技。京都ならでは品々は、使うほどに味わいが深まるものばかりです。ひとつひとつ見て行く時間は、京都の旅の楽しみに…。「平安神宮」エリアは、「近代美術館」「細見美術館」をはじめ、古美術を扱う店やギャラリーなどが集まるアート薫るエリア。春は、琵琶湖疏水沿いの桜の美しさと共に、ゆったりとした「京都紅谷 神宮堂」で現代の伝統工芸の楽しさに触れてはいかがでしょ。
京都紅谷 神宮堂
京都市東山区堀池町373-44
営業時間 10:00~18:00 月曜休み
075‐761-8877
http://www.facebook.com./JINGUDO/
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」