アメリカ・カナダ東海岸 紅葉クルーズ
その1:ボストン
こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。
これから3回に渡り、アメリカとカナダの東海岸を巡るクルーズ旅行のルポをお届けします。時期は10月中旬。まさに紅葉の最盛期です。
日程は11日間。アメリカのボストンからノルウェージャン・ドーンという船に乗り、船中で7泊し、カナダのケベックシティで下船。ハイライトは、中間地点のプリンスエドワード島です。少女時代に愛読した「赤毛のアンシリーズ」の舞台を訪れるのがとっても楽しみです。
まずはボストンに1泊してバスで観光地を巡ります。
はじめての訪問ですが、映画などで何度も街並みを見ているせいか、何だか懐かしく感じます。
ハーバード大学。世界を動かす著名人を数々排出した大学です。
大学の敷地は広大です。椅子の並べ方さえおしゃれで、どこを見ても絵のようです。
こんなところで学生生活を送るなんて羨ましいなと思いますが、日本の大学と違って進級するのがとてもたいへん。勉強が忙しく遊んでなんかいられないらしい。また、学費が続かず、いったん休学して働き、また大学に戻る人もよくいるそうです。
続いてボストン美術館へ。
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展示は、「古代」、「ヨーロッパ」、「アジア、オセアニア、アフリカ」、「アメリカ」、「現代」、「版画、素描、写真」、「染織、衣装」、「楽器」の8部門に分かれています。それぞれにおびただしい所蔵品があり、ひとつひとつじっくり見ていたら、とても1日では足りません。日本美術のコレクションが多いことでも有名ですね。今回のわたしのお目当ては、ジョージア・オキーフとフリーダ・カーロの作品。広い館内を探し回り、やっと発見しました。オキーフの絵は数枚あったけれど、フリーダ・カーロは、えっ、1枚だけ??
次なる見どころはビーコン・ヒル。
英国風のジョージアン様式の建物が並ぶ高級住宅街です。
レンガ敷きや石畳の道、夜には今でもガス灯が灯ります。一番人気のフォトスポットでは、ちょうど結婚式を挙げたばかりのカップルが記念撮影中。
続いてクインシー・マーケット界隈で、ショッピングとランチを楽しみます。
クインシー・マーケットは19世紀に建てられた歴史的建造物で、主に食料品を扱うショッピングセンターでした。現在は、お土産や野菜を売る屋台、レストランなどが並ぶ観光地で、ボストン市民にとってもランチスポットとなっています。
ここの名物は、クラムチャウダーとコーンブレッド、フィッシュアンドチップス。どれもアメリカンな味わいです。量も多くて食べきれないわ。
そしていよいよ、港からクルーズ船に乗り込みます。
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今回の船は、「ノルウェージャン・ドーン号」。ノルウェージャン・クルーズラインという会社が所有する船です。
船に乗る前に、乗り場になっている建物内で乗船手続きを行います。パスポートチェック、健康状態のチェック、クレジットカードの登録などがあります。ここでクレジットカードを登録しておけば、あとは、お部屋のキーも兼ねる船内カードだけで有料のサービスを受けられ、最後に清算する仕組みになっています。大きな荷物もこちらで預け、のちほど部屋に届けてもらいます。
ノルウェージャン・クルーズラインの特徴はフリースタイルです。
一般的に、クルーズ船には、レストランの席や食事時間があらかじめ決められていたり、毎日ではないにせよ、正装しなければいけない日があったりなど、普段の生活とは少し違う決まりがありますが、このラインの船には、それがありません。船内にはいくつもの異なるタイプの食事を楽しめるレストランがありますが、いつ、何時に、どんな服装で、どのレストランに行ってもよいのです。むろん、人気のレストランは事前予約をした方がよいですが、選択はすべて自由です。
わたしは、いろいろな服やアクセサリーを持って行ったり、いちいち着替えるのも面倒なので、「正装がない」という点に着目してこの船を選びました。主にアメリカのファミリー層向けなので、全体的にお値段が安めなのも魅力です。が、一週間この船で過ごした結果、これは一長一短だなと思いました。自分が正装するのは確かに面倒ですが、他の人たちが正装しているのをあれこれ観察するのは楽しく、クルーズという非日常の世界を満喫するためには、ある程度服装を整えた方がよいのかも。けっこう高級なフレンチなどが出るレストランもあるのだけれど、あまりにもカジュアルな方々ばかりだと、ちょっと興ざめという部分もありますからね。とはいえ、やっぱり、正装なしのお気軽さも捨てがたいんだなぁ。
船旅においてもうひとつ重要な選択ポイントは、どんなタイプの部屋にするか、です。一番お安いのは、内側の窓がない部屋。次に外側の窓がある部屋、続いてバルコニーがある部屋。その上には、バスタブがついた広いスイートまで、船によっていくつかのランクがあります。わたしは、船旅デビューした時からバルコニー付きの部屋に泊まっているため、窓のない内側の部屋は少し不安。光が差し込まないので、朝になっても天気の具合さえわからないし、そもそもわたしは、閉所恐怖症気味なのです。ただしこれも考え方次第。起きたらすぐ外に出れば景色は見られるし、寝るだけなんだからどんな部屋でもいいじゃないかということで、お安い内側を選ぶ方もいます。
出航まではまだ少し間がありますが、ここで船旅のお約束、避難訓練が行われます。もしも危険な事態に陥った時、何千人もの乗客が救命ボートに殺到したら大変なことになります。映画「タイタニック」を思い出す人もいるでしょうが、大丈夫。現代の客船では、あのようなことにならないように、部屋ごとに指定された船内の一定の場所に集まり、整然と避難するシステムになっています。わたしの指定場所はシアター。緑色の立て札に書かれているのは、各自のグループ番号。つまり、自分の番号が書かれた立て札を持った人についていけばよいのです。
さて、夕刻になり、いよいよ出航です。
さよならボストン、また来る日まで。
どの船でも、一番眺めがよい場所は、先端か最後尾です。そこには展望の開けたラウンジがあることが多いのですが、この船は、子供たちの遊び場になっていました。こんなところにも、ファミリー向けのカジュアル船の特徴が出ていますね。恐竜君も、美しい夕暮れ風景を楽しんでいるようです。
吉田さらさ
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