こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。
今回は、われらがトーハクこと東京国立博物館のお誕生日を祝う展覧会のご紹介です。
東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
(~2022年12月11日〈日〉)。
東京が世界に誇るトーハクが所蔵する国宝のすべてを見ることができ、かつ、150年間の知られざる歩みを知ることができる貴重な機会です。トーハクファンの方はお見逃しなく。
会場は2つの章に分かれており、第1部が「東京国立博物館の国宝」。
第2部が「東京国立は博物館の150年」です。
まずは第1部から見て行きましょう。
東京国立博物館は、日本の国宝の約1割に当たる89件を所蔵しており、今回の特別展では、そのすべてが公開されます(一部展示替えあり)。国宝は、これまでも常設展や特別展で順次展示されてきましたが、一度の特別展ですべてが公開されるのは、150年の歴史の中ではじめてのことだそうです。
東京国立博物館所蔵の国宝の絵画と言えば、真っ先に名が挙がるのがこの作品ではないでしょうか。日本の水墨画の最高峰とも言われています。
松の木は、霧の中に浮かび上がる様子のようにも見えるし、降りしきる雪の中にあるようにも見えます。
これも昔から大好きな作品です。
ヒョウタンの棚の下、なんともお気楽そうな表情の親子が夕涼み中。空にはおぼろ月がぼんやりと浮かんでいます。
落ち込んだ時などに眺めると、「人生、そんなに深く考えずとも、そのうちなるようになるさ」というメッセージをもらえるような気がします。
明治11年に法隆寺から皇室に献上された「法隆寺献納宝物」のひとつ。
幡とは寺院の堂内に掲げる幟のこと。灌頂幡は天蓋を伴う形式で、これはその一部です。
銅版に繊細な透かし彫りが施された見事な工芸品。天を舞う如来や菩薩の姿が優美です。
群馬県大田原市の長柄神社境内から発見されたと伝わる埴輪です。
甲冑で完全武装をした姿は珍しいとのこと。
表情はきりりとして、若々しい青年を思わせます。
第2部は、「東京国立博物館の150年」。
これまで知らなかった博物館誕生秘話や、どのようにして所蔵品を増やしてきたかがわかる展示が多く、こちらもとても興味深いです。
明治5年、文部省博物局は湯島聖堂の大成館を会場として、日本初の官設博覧会を開催しました。この湯島聖堂博覧会が、東京国立博物館の始まりです。
古美術や動植物の標本など珍しいものが620件ほど展示され、50日間の会期中に15万人もの人が来場したとのこと。その展示物の中で一番人気が高かったのが名古屋城の金の鯱でした。その後ウィーンの万国博覧会にも展示され、名古屋城に戻されました。その後残念ながら、昭和20年の空襲によって消失してしまったのです。
明治6年、博物館は現在の千代田区内幸町に移転し、「山下門内博物館」という名前になりました。こちらはその際の所蔵品のひとつです。
野々村仁清作のこの美しい壺も大好きな作品です。
そんなに古くから博物館の所蔵品であったとは知りませんでした。
明治19年に博物館は宮内省の所管となり、「東京帝室博物館」と名を変えました。
キリンの剥製はこの時代の所蔵品のひとつです。明治40年に生きた2頭のキリンがドイツからやってきましたが、飼育方法がまだわからなかったため、翌年に死んでしまいました。
そのキリンたちは剥製標本にされて博物館の収蔵品となりました。そして関東大震災後、東京博物館(現在の国立科学博物館)に譲渡されました。
現存しているのはこの1頭だけです。
戦後、東京国立博物館は、国民のための博物館として新たな一歩を踏み出しました。
この時代には、復興期の混乱で美術品が海外に流失するのを防ぐため、数々の名品を購入したり寄贈を受けたりしました。
その中の代表的なものがこの作品。
尾形光琳の作品で、同じテーマの俵谷宗達の作品の忠実な模写です。
音声ガイドは、昨年のNHK大河ドラマで渋沢栄一役を演じた俳優の吉沢亮さんとアナウンサーの渡邉あゆみさん。
聞きやすい解説で、じっくり作品鑑賞ができます。
ミュージアムショップのオリジナルグッズもなかなかユニーク。
国宝の銅鐸や土偶がマスコットやクッション(?)に変身しています。
ご自宅にも国宝を置きたい方にお勧めです。
東京国立博物館創立150年記念 特別展
国宝 東京国立博物館のすべて
会場 東京国立博物館 平成館
会期 2022年10月18日(火)~12月11日(日)
※観覧には事前予約が必要です。詳細は公式サイトをごらんください。
𠮷田さらさ 公式サイト
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