HAPPY PLUS
https://ourage.jp/odekake_joshigumi/309882/

コロナ禍以降はじめての海外旅行でフランスへ

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

記事一覧を見る

こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。

 

わたしは国内旅行も海外旅行も大好きですが、3年前にコロナ禍が始まってからは、国内にしか出かけていませんでした。昨年秋、それまで必須だった帰国前のPCR検査が必要なくなったため、いよいよフランス旅行を計画。以前とは多少勝手が違う部分もあったものの、それほどたいへんなことはなく、普通に行って帰ってこられました。

 

今回は、今の時期に海外旅行をする場合、どんな点に気をつければよいかなどを加えて旅の様子をレポートしたいと思います。日程は2022年11月17日~11月25日。出入国に関する状況は刻一刻と変化していますので、あくまで「この時期はそうだった」ということで、参考程度にお読みください。

 

パリ 凱旋門よりエッフェル塔方面を望む

 

コロナ前はマイレージを使って一人旅をすることもありましたが、今回はコロナや治安に関する不安もあるため、ツアーにしました。すでに海外ツアーを再開している旅行会社のパンフレットをあれこれ見て、「ロワールの古城めぐり+パリで美食とオペラの旅」を選択。

 

パリにはガルニエ(いわゆるオペラ座)とバスティーユという2つのオペラ劇場がありますが、ガルニエのチケットは個人だとかなり手に入りにくいので、確実に行きたいなら、チケットがセットされているツアーを選ぶのが正解。おまけにこのツアーはパリでの自由時間が多く、ミュージアムパスもセットされていたので、美術館巡りも好きなわたしにとってはベストでした。

 

ロワール渓谷 シャンボール城の庭園

 

ツアー参加であっても事前の準備は必要です。

 

まずはワクチン接種。受けるか受けないか、また、何回受けるかはそれぞれの事情や考え方によりますが、今回わたしが選択したツアーは、ワクチン3回以上接種の証明書を提出する必要がありました。帰国時にもこの証明書が必要となるので、区役所などで手続きして早めに入手しておきましょう。専用アプリに入れておくこともできますが、大事なときにスマホが作動しないなどの事態に備えて、紙の証明書も用意しておくと安心。一度証明書を入手したら、あとはコピーで問題ないようです。

 

今回はJALだったので、出発カウンターで接種証明を提示して搭乗券をもらいました。これ以降、フランス国内では提示を求められることはありませんでした。ワクチンを接種していない方は、ツアー開始前や帰国前にPCR検査をして陰性証明書を取る必要があります。

 

パリ 凱旋門よりモンマルトル方面を望む

 

 

さて、飛行機は一路、パリのシャルル・ドゴール空港に向かいます。

現在戦時下にあるロシアの上空を飛ぶのが難しいため、グリーンランド、アイスランドの上空を経由する航路に変更されて、15時間ほどかかりました。以前の通常ルートと比べて2時間半くらい長くなります。

 

シャルル・ドゴール空港に到着後、TGVの乗り場に向かいました。TGVとはフランス国鉄が運行する高速列車です。日本で言えば新幹線が成田空港に乗り入れているようなもので、なかなか便利です。

 

そして深夜、ル・マンという街に着きました。

ル・マンの城壁。この上が中世の面影を残す旧市街です

 

ル・マンは、24時間耐久レースで有名なフランス西部の街です。

車に興味がなければ足を伸ばすことがなさそうですが、添乗員さんによれば、「一般的観光コースに飽き足りない旅好きな方にお勧め」とのことで、歩いてみると、本当になかなか魅力的なのです。

 

旧市街には中世の町並みが残っており、「久しぶりにヨーロッパにやってきたぞ」という気分が盛り上がってきます。

ル・マン旧市街

 

迷路のように入り組んだ石畳の道を歩いて観光します。

骨董品を売る店が多く、ショーウィンドーを見ているだけで楽しいです。

 

聖ジュリアン大聖堂

 

完成までに500年もかかっているので、ロマネスク、ゴシックなど時代ごとの建築洋式が混在しています。内部には美しいステンドグラスがあります。

 

 

ロワール渓谷のシュノンソー城

 

いよいよロワール渓谷の城めぐりがスタート。まずは、川をまたぐようにして立つ優美な姿が人気のシュノンソー城から。

 

16世紀から19世紀までの6代の城主がすべて女性だったことから、「6人の奥方の城」とも呼ばれます。そのため、美しいだけでなく、悲しみや憎しみも交錯する奥深い物語に彩られています。

 

ライトアップされた夜のシャンボール城

 

もう日が暮れていたので、ホテルに直行。しかしそのホテルは、居ながらにしてシャンボール城でした。

 

シャンボール城は王様が狩猟の際に泊まるお城で、周囲は広大なお狩場。お宿のルレ・シャンボールはその敷地内にあります。お部屋の窓からお城が見えてびっくり。まるで夢のような光景です。

修復中のシャンボール城

 

翌朝起きてまたびっくり。お城は修復中でした。しかし、それでも十分美しさは伝わってきました。

本日は、お城内部を見学したり周囲を散歩したりと、ゆっくり過ごしましょう。

 

 

建築洋式博物館と呼ばれるブロア城

 

数百年に渡って増築が重ねられたため、さまざまな時代の建築洋式が見られることで有名なブロア城。高台にあって眺めがよいのも魅力です。

 

聖ニコラス大聖堂

 

ブロア城から、ロワール川と大聖堂、街並みがきれいに見えます。

 

 

メゾン・アトリエ・フジタ

 

ロワール渓谷の城めぐりを終えて、パリに向かう道すがら、「メゾン・アトリエ・フジタ」に立ち寄ることができました。ここはウィリエ・ル・バークルという名前の小さな村。この家は、画家の藤田嗣治が晩年を過ごした家兼アトリエです。

 

藤田嗣治は戦後フランス国籍を取得し、カトリックに改宗してレオナール・フジタという名前になってランスの教会の壁画などを手掛けました。そのころ暮らしていたのがこの家です。内部は撮影禁止だったのが残念ですが、晩年も制作活動が旺盛だったこと、生活ぶりも質素ながらおしゃれだったことなども伝わってきて、それは魅力的な空間でした。

 

 

パリ オテル・ウェストミンスター

 

パリ到着。ホテルはオペラ座にほど近い「オテル・ウェストミンスター」です。

パリなのになぜか英国風の名前で、朝食のレストランもどこか英国風。場所も便利で設備も整ったよいホテルでした。

 

パリの象徴、凱旋門

 

パリではフリータイムが多かったので、メトロに乗ってあちこちの美術館や名所を回りました。その際、気になっていたことがあります。まずは、コロナに関すること。パリでは、マスクをしている人は皆無ではなく、おおよそ10~20人に1人くらい。人が集まる場所には、「マスクは強制ではないが奨励します」というポスターもあります。

 

そのため、日本人であるわたしたちがマスクをしていてもさほど目立つわけではなく、コロナ禍のはじめのころよく言われていたアジア人差別というようなことも特に感じませんでした。施設に入る前の体温チェックや手指の消毒なども、ほとんどありませんでした。しかし、もしも現地で感染してしまった場合に備えて、旅行の前に保険をきちんとかけておくことが大切かと思います。

 

 

施設に入る際には、二つ目は治安のこと。この前パリに来たのはコロナ禍前の2019年で、その時は、テロ、黄色いベスト運動などの影響がまだ残っており、かつ、ノートルダム寺院が焼け落ちたばかりということもあってか、何だか物騒な感じの街になったなと感じたものです。

 

実際、メトロではスリと思われる人を何度か見かけ、明らかにわたしが標的だったこともあります。今回も、在住の方から「バッグは常に前にかかえること。親しげに話しかけてくる人は多くがスリ」との情報をいただき、移動の際などは細心の注意を払いました。

 

 

もうひとつは、インフレによる物価高のこと。今回はツアーだったため、ホテルも食事のほとんども料金に含まれていて、それぞれがいくらになるのかはわかりませんでしたが、確かにツアー料金は以前より割高だし、燃油サーチャージも10万円強しました。現地では、ちょっとしたお菓子なども3000円くらいになるので、気軽にお土産も買えません。簡単な食事も高くて、うどんが2500円ほどしました。

バスティーユ、オペラ座

バスティーユ、オペラ座

 

オペラは今回3本見たのですが、うち2本のチケットはツアーにセットされており、1本分だけ自分で購入しました。

 

パリにはオペラ劇場が2つあり、古くからあるガルニエのチケットはなかなか入手困難ですが、もうひとつのバスティーユの方は比較的簡単に買えます。お値段については、以前は「パリでオペラを見るのは安くてお得」と思ったものですが、円安の影響で、日本でオペラを見るのとだいたい同じくらいになったかな。

 

パリの象徴、オペラ座(ガルニエ)

 

バスティーユのオペラ座は現代建築。雰囲気を味わいたければ、一度は歴史あるガルニエへ。オペラだけでなく、バレエも定期的に上演しています。

 

オペラを見に行く際の服装は、正直なところ、さほどドレスアップは必要ないと思います。いくつかの国でオペラハウスに行った経験がありますが、パリはガルニエであっても、案外カジュアルな人が多い印象です。その点は自分の気分の問題なので、おしゃれをしたい人はそれもよいと思うけれど、わたしは、荷物も増えるし面倒なので、そこそこ程度のかっこうで行く派です。

 

2021年オープンの新美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」

 

昼間は美術館めぐりも堪能しました。こちらは、もともと商品取引所だった建物を安藤忠雄さんが改装した新しい美術館で、フランスきっての大富豪フランソワ・ピノー氏が所有する現代アートが展示されています。

 

 

レストラン、アール・オ・グランの料理

 

こちらはその美術館の最上階にオープンした新しいレストラン。有名シェフのミシェル・ブラス、セバスチャン・ブラス父子による、穀物や豆を多用した創作料理です。

テーブルからは美術館の様子を見下ろせ、雰囲気も最高。今回の旅には、有名シェフの店での食事が何度かセッティングされていましたが、ここが一番印象的でした。

 

いよいよ帰国。その前に「Visit Japan Web」に必要事項を登録しておきましょう。これは入国手続き「検疫」、「入国審査」、「税関申告」をウェブで行うことができるサービスで、2022年11月から導入されています。

サイトまたはアプリに必要事項を打ち込み、パスポートの写真やワクチン証明書などの写真を撮って送ると、実際の帰国より前に審査完了となり、その画面を見せれば、スムーズに入国できます。していなくても入国はできますが、その場合は、従来通り行列に並ぶことになります。ちょっと面倒ではありますが、滞在先でWi-Fiが使える環境の時にやっておくとよいです。

 

それでは皆様、健康に気をつけて、新時代の海外旅行をお楽しみくださいませ。

 

 

𠮷田さらさ 公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

個人Facebook

https://www.facebook.com/yoshidasarasa

イベントのお知らせFacebook

https://www.facebook.com/yoshidasarasa2

場所別・テーマ別おでかけ情報はこちら >

同じ場所・テーマから記事を探す

#海外 #フランス #アート

おでかけ女史組の正しい楽しみ方
おでかけ女史組 キーメッセージ おでかけ女史組 キーメッセージ
<前の記事

<前の記事
第175回/偉大なるユーミン様に新年の幸せをお願いしてみる

次の記事>

次の記事>
第177回/大阪市民の暮らしを支えるウィーンの芸術家の作品

この連載の最新記事

日本の陶芸を学んだブラック・アーティストが生み出す アフロ民藝の世界

第208回/日本の陶芸を学んだブラック・アーティストが生み出す アフロ民藝の世界

毎日の暮らしの中に 『民藝』を取り入れる素敵な展覧会

第207回/毎日の暮らしの中に 『民藝』を取り入れる素敵な展覧会

これを見れば 死が恐くなくなる?  特別展『法然と極楽浄土展』

第206回/これを見れば 死が恐くなくなる? 特別展『法然と極楽浄土展』

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

OurAgeスペシャル