HAPPY PLUS
https://ourage.jp/odekake_joshigumi/372332/

神の使い”イラブ―”を伝統技法でいただきます。美人のイラブーとツーショットも♡

かりぃ

かりぃ

東京生まれ。インド育ち。2012年より沖縄在住。既にリタイアした夫と中学生の娘との3人暮らし。おいしいもの・旅・美容・健康に強い関心あり。度々自宅で開く宴会が元気の源。ペンネーム「かりぃ」は沖縄語で「乾杯!」。スーパーフード「モリンガ」商品製造販会社経営、NPO活動、翻訳・ライターなど数足の“わらじ”を履いて奔走中。沖縄発の“おでかけ”お届けします♪

記事一覧を見る

こんにちは。かりぃです。
いきなりですが、こちらのスープ何だかわかりますか?

これは沖縄伝統の長寿料理 “イラブー汁”
イラブーとはウミヘビ(エラブウミヘビ)のこと。沖縄ではイラブーは神の使いと言われ薬として珍重されてきました。琉球王朝時代には、イラブーを獲る権利はノロ(神事を司る女性)だけに与えられ、獲れたイラブーは全て王府が買い上げていたほどの貴重品。とても庶民の口には入らなかったので、どこかのお屋敷でイラブー汁を作っていると、せめてその匂いだけでも嗅いで薬効を得ようとお屋敷の周りに人が集まったと言われるくらい有難いものだったとか。

 

沖縄で暮らして12年。滋養強壮効果、発汗作用、血液浄化作用などがあり寿命がぐーんと延びそうなこのお料理がずっと気になりつつ機会を逃していたのですが、今回ようやく東京から来た母と共に家族でいただいてきました!

 

訪ねたのは老舗中の老舗、イラブー料理『カナ』

 

 

扉を開けると、まるでおばあちゃんの家に帰ってきたような雰囲気。思わず「ただいま!」と言いたくなります。

 

玄関の棚の上にはこれまでお店が紹介された雑誌や本がいっぱい。

 

店内はお座敷とテーブル席があってどちらもほっこりできる空間です。

こちらで40年以上にわたってイラブー汁をつくり続けてくれているのが店主の我謝藤子(がじゃ・ふじこ)おばぁ。下処理から完成まで4日かかるというこのお料理を90歳の今でも現役でつくってくださっているというのだからびっくり。

藤子おばぁ(中央)ツヤツヤのお肌も、ほんのりピンクの血色の良いほっぺも、きれいな目の輝きも、イラブーのおかげに違いない! 現在は娘の泉さんと、娘婿のアレックスさんと3人でお店を切り盛りしています。藤子おばぁとアレックスさんが杖のように持っているのは燻製されたイラブー。

今回はイラブー汁定食をいただきました。
ウカライリチー=おからの炒め煮(左上)、もずく(上中央)、手づくりジーマミ豆腐(右上)、イラブー汁(右下)、大根の牛乳漬け(中央)、フーチバージューシー=琉球ヨモギの炊き込みご飯(左下)

改めてご紹介。中央で黒く光っているのがイラブー。白っぽいのは豚足。そして昆布もたくさん入っています。

 

お椀を撮影していたら、泉さんが「こうすると良い写真になりますよ!この子美人さんだから、この子に出演してもらいましょうね」って美人の燻製イラブーを差し出してくれました。なかなかシュール笑笑

 

見るからに身体に良さそうだけど…生臭かったりするのかな…と恐る恐る顔を近づけるとお出汁のいい香りしかしない。あれ? 意外。そして、ひと口スープをいただくとものすごく美味しい!! 全く臭みなく優しい和風出汁に豚とイラブーのコクが加わって心と身体に沁みわたる。ちなみにイラブー本体は、全力で旨味と栄養出し切りました状態でヘロヘロ笑。皮にわずかな身がついている程度。「一番大事なのは汁なので、具は残しても汁は1滴も残さず召し上がってくださいね!!」と泉さん。もちろん具も汁も全て有難く完食いたしました。

 

煮込みは10時間以上かけて丹念にアクをとることで、イラブー独特の臭みを消しつつ栄養が凝縮した汁に仕上げる。煮こぼして臭みをとってしまえば早いけれど、それではイラブーの栄養も逃げてしまうから、おばぁはずっとこの伝統技法を守っているのだそう。それとは別に、豚の出汁と昆布の出汁もそれぞれにとってその3つを合わせるのですが、その割合が肝。その時々出汁の出方が違うので、おばぁの長年の勘があって初めて『カナ』の絶品イラブー汁が完成するのです。泉さんはその“勘”をつかむべく日々修行中!

 

イラブーのスーパーエキス、テビチ(豚足)のコラーゲン、昆布のヨードと栄養満点のこの一杯をいただいて元気にならないわけがない。即効性があるらしく食べ終わる頃には家族全員顔がピンクになって全身を血が巡っているのを実感。ふと店内を見ると他のお客様もみんな顔が高揚してピンク色。イラブー汁、すごい。絶対寿命が延びたはず!

私もイラブーをお借りしてご対面。燻製にしてカチカチになっているので、ヘビのお顔がついた木彫りの杖みたい。

 

娘と母も美人イラブーと記念撮影。77歳の母も「本当に良いものを食べさせていただいたわ!これで藤子おばぁのように90歳になっても元気で頑張れるわね!」と大喜び。

 

お客様の中には、イラブー汁を食べて初めて指先まで血が通るのを感じたという難病の方や、真っ青な顔をして入ってきたのにイラブー汁を食べてみるみる顔色が良くなって笑顔で帰って行かれた方なども。沖縄の言葉で“くんちがつく” とは力がつくこと。イラブー汁を食べてお客様がくんちをつけてくれるのが何よりの生き甲斐という藤子おばぁの言葉に、泉さん、アレックスさんも笑顔で頷く。

 

愛情たっぷり、栄養たっぷりの命の薬『カナ』のイラブー汁。
沖縄の宝です。

 

※藤子おばぁが無理なく元気にイラブー汁づくりを続けられるように、今年、来年と徐々に営業日数・価格・メニューを変更しています。最新の情報はホームページにてご確認ください。

 

イラブー料理『カナ』

 

場所別・テーマ別おでかけ情報はこちら >

同じ場所・テーマから記事を探す

#沖縄 #沖縄 #食べる

おでかけ女史組の正しい楽しみ方
おでかけ女史組 キーメッセージ おでかけ女史組 キーメッセージ

今日の人気記事ランキング

OurAgeスペシャル