『百日紅~Miss HOKUSAI~』
を観てまいりました。
大好きな江戸を舞台に、これまた大好きな浮世絵の世界。 ずっと公開を楽しみにしていました。
初日満足度ランキング・第1位!大ヒット上映中の浮世エンターテイメント。色彩豊かに描かれた四季を背景に〈江戸の粋〉を感じる映画です。
原作は、江戸風俗の専門家で高名でらした杉浦日向子さんの漫画。
監督は、原 恵一さん。
代表作品は『河童とクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズなど。日本を代表するアニメ映画監督。
CV(キャラクターヴォイス)は、杏ちゃん(お栄)松重さん(北斎)など豪華キャスト。
親子共演は、ドラマでも多数。そのため、映画でも違和感なくスーッと入っていける気がしました。
江戸らしい町並み・COREDO室町で制作発表が行われた頃、「この場所だわ!」と歩いた記憶が蘇りました。
制作は、プロダクションI.G。
椎名林檎さんが主題歌を歌います。
作品は、杏ちゃんが
「人間らしい家族の姿がドラマとして観られるのは、素敵なことだと思います。」とコメントしている通り。
賑わいでいた両国橋。妖(あやかし)のまちでもあった江戸。そして、暮らしていた雑然とした長屋…など、背景に描かれている画面を観ていると、ふーっと舞台となった時代に降り立った様な不思議な感覚にとらわれていました。
お客様は、きっと普段はアニメ映画なんてご覧にならないであろう(笑)「落ちついた年齢層」の方も多かった様に思います。男性のお客様も沢山いらっしゃいました。
リピーターの方も多い様です。
作品は海外からも高く評価され、既に10ヶ国公開予定。6月にはアニメ界で権威のあるアヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)の長編コンペ部門に出品が決まっています。
かつて浮世絵が海外に沢山の影響を及ぼした様に、「百日紅」も現在の海外の方を魅了するのでは!…と、とても期待しています。
写真家・鈴木雅也さん(原作者・杉浦日向子さんのお兄様)のいちばんの願いでもある「『百日紅』を通して日向子(さん)を知り、多くの方に作品に触れていただくこと」は、きっと叶う気がしています。
「百日紅」の主役・お栄の画家としての名前は、葛飾応為。
北斎が「おーい、おーい」と呼んでいたからだそうです。
お栄は、北斎を看取った後に消息不明となりました。そのせいか、応為の現存する作品は10点あまり。
この度の「百日紅」公開にあたり、太田記念美術館にて肉筆画「吉原格子先之図」が展示されていました。(5月28日で終了)「百日紅」により深いリアリティーを感じ、世界観をさらに楽しみたく、足を運びました。
私の中で「江戸」絡みのいろいろなことがどんどんと繋がっていき、とてもワクワクします。
太田記念美術館は、世界有数の作品を所蔵する浮世絵専門美術。表参道の喧騒から少し外れた脇道、ラフォーレ原宿の裏手にあります。
作品は26.3× 39.4cm
「思っていたより小さいんですね」という感想が多いそうです。
そのサイズの肉筆画に描かれた世界は、陰影が本当に素晴らしい。
流石、〈江戸のレンブラント〉と言われているだけあります。
「美人画を描かせたら勝てない」と北斎が語っていたくらい、花魁もとても美しい。
絵の中に描かれている「栄」「応」「為」の文字を探すのも、楽しいことでした。
『百日紅~Miss HOKUSAI~』と太田記念美術館。
お栄の存在をぐんと近くに感じ、大好きな江戸文化に浸る幸せなお時間でございました。
『百日紅~Miss HOKUSAI~』
http://sarusuberi-movie.com/index.html
太田記念美術館
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
※この展覧会は5月28日に終了しておりま