軽くて丈夫、明治の文様をモダンにカラーリングしたバッグ
京都は、友禅、西陣織など和服で栄えた町。特に明治以降、化学染料の発達で、今まで高価だった染めの着物が、一般に普及してゆきます。多くの日本画家なども着物や帯のデザインに関わり、その美しい模様は、多くの女性たちを魅了します。
河原町三条通の交差点近くに、「seisuke88」という店があります。ここには、バッグや化粧ポーチ、エプロン、ブックカバーなど、カラフルなプリント生地で作られた品々が種類豊富に並んでいます。実は、このプリントデザインは、オーナーである高橋聖介さんが、知人の蔵で偶然出会った150年前の明治時代に描かれた帯の地や図案集から生まれたもの。その出会いが、「seisuke88」というブランドを立ち上げるきっかけに。「デザイン自体は、昔のままで、そのカラーリングを現代的にアレンジしたんです」と。当時の画家の力量なのでしょう、時代を超えても、斬新に感じられるデザインです。
京都は、日本のプリント服地の生産地で、高橋さんの実家「高橋練染」は、プリント生地の最終工程の色落ちを防ぎ、布の風合いを引き出す表面加工などを行う会社です。その優れた技術を使い、デザイン、プリントから加工まで全工程を自社ファクトリーで作られたカラフルなオリジナルプリントが、ここの品々に使われています。「これが明治時代のデザイン?」と目を疑うようなモダンで洒落たプリント。同じ模様でも、カラーリングで、全く異なる印象を与えています。
さまざまな品揃えのある店内で、最近、特に人気なのが、プリントの表面にラミネートコーティングを施したトートバッグ。上品な大人の色使いが、素敵!しかも軽く丈夫で、雨に濡れても安心。肩からも下げられる程よい長さの取っ手には、上質のヌメ革を使用。手にもやさしく馴染みます。
「それだけじゃないんですよ~」と高橋さん。布の表面加工の独自の技術により、バッグの内側の布には、天然ミネラルパワーで雑菌や悪臭を吸着分解させる安全で優れた「持続性抗菌消臭加工」が施されているのです。だから、デパ地下などでいろいろな食品を買ったり、通勤のお弁当を入れても、その臭いがバッグに残りにくいのだそう。
トートバッグの内側には、ファスナー付きのポケットや携帯入れも。さらに大きなサイズのトートバッグには、口の部分に金具があり、開けっ放しの状態にならないという細かい工夫もうれしいところ。
『京都生まれ、京都育ち。』の今、京都の女性たちに人気のブランドです。
seisuke88 本店
京都市中京区三条通河原町東入ル中島町83 はせ川ビル1F
☎075-211-7388
営業時間11:00~20:00(土・日曜・祝日~10:30)
月曜休み(祝日の場合営業)
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」