京友禅の図柄のモダンなカットソー「Pagong」
桜の花が、京の町をいっそう華やかに彩る4月。花の鮮やかに誘われるように、町には、軽やかな色彩のファッションの女性たちが目立つようになりました。
京都美人たちが好むファッションは、東京より華やか。シックなモノトーンが好まれる東京より、どこか女性らしいソフトさが漂うものが、色彩豊かなものが好まれるようです。
そんな女性たちが、年齢を超えて注目しているブランドが、京友禅の図柄をモダンな色彩にアレンジしたシャツやワンピース、カットソーなどを手掛ける「Pagong(パゴン)」です。
ここは、大正8年に京友禅の染屋として創業した「亀田富染工場」から、三代目の亀田和明社長が、平成14年に創り上げたブランド。戦前、戦後、人々の憧れだった京友禅。最盛期には、なんと100人を超す染めの職人さんたちが働いていたそう。時代と共に、着物の需要が減少し、その染めの技術は、洋服地のプリント加工へと移行します。
しかし、大手服地メーカーの依頼仕事に、物足りなさを感じていた亀田社長。ある日、染めの蔵に保管されている京友禅の図案が数千種類もあることに気づき、試に、その図案を使いアロハシャツを仕立てます。すると、予想以上の人気を博し、以来、デザインや配色にさまざまな工夫を重ね、ついに京都らしい和の雰囲気を漂わせながらも、モダンな印象をもつ品々を作り上げたのです。
五条本店、祇園店などがありますが、OurAge世代におすすめは、三条通にある「SANJO
by pagong」。レディースがカットソーやワンピースなど種類豊富に揃うお店です。
ちょっと派手めに感じるデザインも、ジャケットのインナーにすると、なかなかおしゃれ。カーディガンも、無地の装いのアクセントになります。また、およばれのお席に、大人の可愛らしさが漂うワンピースもおすすめ。丈も膝が隠れるほどのものも登場しています。
さて、京友禅の図柄は、そもそも吉祥文様を取り入れたものや、吉の意味合いを含む、牡丹、菊など四季の草花をモチーフにしたものなどが多く、それを、身に付けることで、幸福を招き、あるいは厄を祓えると信じられてきました。つまり、「Pagong(パゴン)」の服も、着る人の幸せを願う思いが込められているのです。
日本的な図柄は、海外旅行に持ってゆくと、国内より注目され、評判がいいそう。私にとって、扱いが気軽なカットソーは、旅行に欠かせないアイテムになりました。
SANJO by pagong
京都市中京区三条通富小路東入ル中之町32
☎075-257-3723
営業時間 11:00~20:00 水曜休み
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/