40代、50代になると、以前使っていたブラウンのアイシャドウが疲れた感じに見え、かといって20代、30代の若い人たちの間で流行っている華やかな色のアイシャドウをつけると、どこか無理しているような印象に。年齢を重ねてぼやけた目元をパッチリさせ、生き生きとしたまなざしを取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。
そこで、MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、人気ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさんが、アイシャドウの入れ方をレッスン。広瀬さんのメイクは、決して色ばかりが目立たず、その人らしいのに、パーツひとつひとつが美しく見えると評判です!
ヘアメイク広瀬あつこさんが自分メイクでも実践する「影色シャドウ」テクニックとは?
今回は、広瀬さんが自分でメイクするときに毎日行っている「影色シャドウ」テクニックを、こっそり教えていただきました。入れていることがわからないほどさりげないのに、「影色」の効果で目がパッチリ。これだけでもいいし、後からお好みのカラーアイシャドウをサッとプラスしてもOKです。
上まぶたの目尻側に「彫り」の影をプラス。
下まぶたの涙袋ふっくらでパッと見開いたような目に
左の写真は、目尻側1/3に「アイライン」だけ入れた目元。アイシャドウは入れていません。
右は、上まぶたにもともとある「彫り」の影を、目尻側に延長させる影色シャドウを入れたところ。下まぶたには、涙袋を強調する影色シャドウが入っています。不思議と目をパチッと見開いたような印象に。
「若いときに覚えた、目のきわを濃くしてグラデーションをつくるようなアイシャドウが、『なんだか老けて見える』『似合わなくなった』と感じている人は多いはず。そこでおすすめなのが、影色シャドウ。上まぶたの目尻のもたつきがすっきりし、涙袋がふっくらして、ほんのりとした色気とハッピー感がアップ。『影のところまでが目』の範囲となり、パッチリ生き生きとした印象になるのです」(広瀬さん)
(1)もともとある「彫り」を生かした、影色シャドウの入れ方
シェーディングを入れるときなどに使う、少し濃い目のベージュを使用。小さめのアイシャドウブラシやアイシャドウチップに取り、上まぶたの目尻側の中央あたりに、細く横長に入れる。上まぶたの彫り(アイホール)の範囲を延長するように。
●上まぶたに使用したコスメ
広瀬さんが愛用するのは、シェーディングに使うフェイスカラー。一番右の肌よりワントーン濃いベージュを使用。アイシャドウやパウダーアイブロウのパレットに入っている濃いめのベージュでもOK。
リリミュウ シアーマットシェーディング 01 ¥1760/コージー本舗
(2)目の下の「涙袋」をふっくらさせる影色シャドウ
ローズピンクのチークを目元にも使用。小さめのアイシャドウブラシに取り、目尻側の涙袋の下に細長く入れます。涙袋の形がはっきりしていない人でも、この位置にローズピンクの影を入れることで、あたかも涙袋があるかのようにふっくら見せることができます。
●目の下に使用したコスメ
自分に似合う、普段愛用しているチークでOK。その日につけるチークを使えば、より自然な仕上がりに。今回はローズピンクを使用しましたが、サーモンピンクなどでも効果的。
ドゥ―ナチュラル ブルーミング チーク PK04 ¥1980/ジャパン・オーガニック
(3)この後、さらにカラーアイシャドウをプラスするなら
この記事の一番上に出ている広瀬さんの写真では、影色シャドウを入れた後に、ライムイエローのカラーアイシャドウをさっとひと刷毛。「意外な色だと思うかもしれませんが、肌なじみがよく、適度に華やかさもアップして、おしゃれに見える色です」(広瀬さん)
エレガンス ラズル アイカラー 27 ¥2310/エレガンス コスメティックス
「年齢を重ねると、一見、何もしていないように見えてきれいなのがいちばん。『影色シャドウ』も、こんなにさりげないのに本当に効果があるの?と思うくらいが、実はちょうどいいさじ加減です。これも、私が自分にメイクするときにいつも意識している『はずしのテクニック』。40代、50代の人は、若い頃に覚えたメイクテクニックからいったん離れて、新たな視点で自分の顔立ちを見つめ、これまでやったことのないテクニックを取り入れるタイミングなんです」(広瀬さん)
影色シャドウなら目立たないので失敗がないし、だまされたと思ってやってみましょう。これがびっくりするほど効果的で、メイクの力を再発見できます。眠そう、不機嫌そうな目元がかわいく華やいで、心がウキウキしてきます!
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。