恥ずかしながら、告白します!
ふみっちーは今、“50の手習い”で、バレエを習っているんです。
いやー、よもや私がバレエを習うなど…自分がいちばんビックリしているんですが、これが楽しい♪ そりゃードタバタとみっともない姿ではありますが、気分だけはプリマドンナ♪ ですよ♪
さてさて、そんな調子にのっているふみっちーは置いておいて、日本が誇る元プリマドンナといえば、草刈民代さん。
国内外で幅広く活躍の後、引退後は女優として大活躍中。最新映画『月と雷』では、ノーメイクでダメ女役に挑戦(ビックリするほどダメダメな姿!)、好評を呼んでいます。OurAgeでもインタビューで、役作りなどを教えてくれましたっけ。
その草刈さんが、今度はインタビュアーとして日本の古典芸能のトップランナーたちと対談。舞台芸術のトップに立つ方々の姿勢、覚悟、思想、感情に迫っていきます。
「舞うひと 草刈民代×古典芸能のトップランナーたち」
淡交社刊 1,800円(税抜)
この対談相手というのが、またゴージャス!
・藤間勘十郎さん(日本舞踊)
・野村萬斎さん(狂言)
・尾上菊之助さん(歌舞伎)
・梅若玄祥さん(能楽)
・桐竹勘十郎さん(文楽人形遣い)
……などなど、総勢12名!実際に舞台を観たことがなくても、名前なら1度は耳にしたことがある人ばかり。草刈さんはご自分のバレリーナとしての体験、学んだテクニック、海外での経験などを元に、それぞれのアーティストの真髄に迫っていきます。
さて、ゴージャスな対談相手の中でも、最近話題のおひとりとのトークをご紹介しましょう。
今、話題の「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」でもおなじみ
市川猿之助さん
です。
(ご存知のように、残念ながら猿之助さんご本人は、現在は骨折で休演中です)
スーパー歌舞伎を御覧になったことがある方も多いはず。スピード、スペクタクル、ストーリーの3つにこだわり、難しいイメージの古典歌舞伎とは一線を画した歌舞伎です。ましてや今回の舞台は、大ヒット漫画「ワンピース」の奇想天外な世界をどう再現するのか、ずっと話題になっていました。
この舞台で歌舞伎役者たちが網タイツ姿(!)でダンスするシーンがあるそう。それに一番驚いた、と草刈さんが告げると
「あのときはコンテンポラリーダンサーの方に振付をお願いしたんです」と猿之助さん。
「僕ら歌舞伎役者は日本舞踊は踊れますから、日本舞踊の振付だとつまらない。日本舞踊とダンスでは理論が違いますから、歌舞伎役者の身体でダンスを踊ってもうまく踊れっこないんです。……音のとり方やリズムの使い方が違うから「ワン、ツー、スリー」といっても僕ら歌舞伎役者はカウントがとれないんですよ」
ええー、そうなんですか!意外…
子供の頃から踊りが上手と評判だった猿之助さんですが、こんな意外な言葉も。
「僕らが舞踊についてよく言われるのは「役者の踊りを踊れ」ということ。「君たち舞踊家じゃないんだから」と」
えー、その違いって、いったい何なのでしょう??……それは本を読んでみてくださいね!
日本の古典芸能とバレエ。似ている部分もあり、まったく異なる部分もある。たとえばバレエと、文楽の人形遣いって似ているところがあるんですって。想像できます!?
「あー、日本の芸能のルーツってこういうところにあるのかー。なるほどー」
「歌舞伎や文楽ってそんな仕組みになってるの!?よくできてるなー」などと思わずうなづいてしまう部分も多いです。
ご本人がトップを究めたアーティストである草刈さん。だからこそ、日本の古典芸能のアーティストたちにぐいぐい迫っていけるし、アーティストたちも華やかな舞台の裏側や、練習の厳しさなども心を開いて話しているようです。
舞台鑑賞が好きな方、またこれからぜひ観てみたいと思っている方、アーティストの素顔がのぞけますよ。ぜひ一度手に取ってみてください。
あ、もう一つ大切なこと。この本の対談の写真は、すべて浅井佳代子さんが撮影しています。浅井さんといえばMyAgeのカバー、OurAgeのスライダーでもお馴染み。浅井さんの美しく気品にあふれた写真が、この本をより魅力的にしています。