こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。
さて一雨ごとに季節の進む秋。味覚はもちろん、色とりどりに紅葉する旅先の風景が楽しみな季節です。
ヨーロッパでは9月23日からスタートしたドイツ・ミュンヘンでのオクトバー・フェストを皮切りに、各地で秋の収穫祭が始まります。
民族衣装を身にまとい新酒ビールを楽しむドイツのオクトバー・フェストは、最近ではイタリアでも大人気!
日本からもオクトバー・フェスト・ツアーが出発するように、イタリアからも沢山の人々が参加しています。
<ヨーロッパの新酒フェスタとイタリアの食卓>
さて、秋のヨーロッパは9月には新酒ビール、11月には新酒ワインと愛飲家にはたまらないシーズンを迎えます。
ヨーロッパのテーブルカルチャーに大きな影響を与えたイタリアですが、食文化でも日本料理と同じくらい繊細に四季の変化を映し出します。
よくイタリアには「イタリア料理というものはなく、あるのは郷土料理だけ」と表現されますが、それくらい州によって地方によって食文化が異なるのもイタリアです。
これからの季節、厳しい冬を迎える北部イタリアでは、隣接するフランスやスイス・オーストリアなどの伝統料理にとても良く似た濃厚なソースやチーズをふんだんに使ったお料理が並びます。
またこうした濃厚なお料理が続く季節には、ミネラルウォーターなどで自然にカラダの外に塩分を排出するような習慣も息づいています。
<ヨーロッパのミネラルウォーターと日本の温泉>
さてヨーロッパのミネラルウォーターですが、日本ではよく「硬水」として紹介されます。
ですが、ヨーロッパにも硬水以外の「超軟水」も存在します。
またヨーロッパでミネラルウォーターとして販売されるものの中には、日本では「温泉」に分類されるようなものも沢山あります。そのため、水ソムリエはボトル入りのミネラルウォーターだけでなく、水道水も温泉も含めて「飲み水」すべてを扱います。
日本では「温泉=お風呂」というイメージが強いため、「温泉を飲む」と聞くとちょっぴり驚かれるかも知れませんね。
ところが、これまでご紹介してきたミネラルウォーターの中のサルフェートといった美肌系ミネラル。それにダイエットにもおすすめのマグネシウムなどの排出系ミネラルなどが沢山入った水タイプ。こういったミネラルウォーターを日本国内で探してゆくと、最終的にたどりつくのが「温泉」になります。
つまり
「1Lのミネラルウォーターの中にミネラル成分などが1000mg以上含まれている水」
なのです。
これらはヨーロッパの「硬水」と同じように、カラダに良い影響を沢山もたらしてくれます。
ただ注意して頂きたいのは、日本の温泉地の全ての「温泉」が飲めるわけではない、と言うことです。
「飲んでもよい温泉」には必ず『飲泉できます』と書かれていて、その横に注意書きが書かれています。また「飲める温泉」であるためには、必ず都道府県の『飲泉許可』を受ける必要があります。
次ページでは、ミネラルウォーターにアルコールなどをプラスする飲み方をご紹介します。
<ミネラルウォーター・プラスαで美味しいカクテル>
さてミネラルウォーターの飲み方には、ストレートに飲む以外に様々な飲み方があります。
今回はオクトバー・フェストなど新酒フェスタをご紹介したつながりで、アルコールとの相性から幾つか紹介してみます。
ミネラルを沢山含んだカラダに良いミネラルウォーターは、どうしても味が個性的になります。
そのためウイスキーやスコッチ、バーボンなど洋酒の割水に使って頂くのが定番です。イタリアに多い「ワインのミネラルウォーター割り」も、お酒を控えたい時に有効です。
日本のお酒なら、梅酒や焼酎、日本全国のご当地リキュールなどもオススメです。
よく温泉旅館のメニューに「焼酎の温泉割り」や「源泉カクテル」といった名前を見かけますよね。これはミネラルたっぷりの温泉を、そのままミネラルウォーターとして使っている例です。ただ温泉の場合は、新鮮な温泉をその場で使うことが決まりなので、自宅で誰もが楽しむには少し難しい気がします。
ところが、夏に紹介したミネラルウォーター「日田天領水」は、完全な単純温泉。「温泉」という名前では売っていませんが、自宅で「温泉割り」を楽しみたい方にはおすすめです。
水ソムリエは実は温泉もミネラルウォーターも含めた「飲泉師」なのです。
次回は、体質やライフスタイルにあった水タイプの選び方を紹介していきたいと思います。
次ページでは、おすすめの水の銘柄や、飲み方レシピをご紹介。
<今月のおすすめ銘柄>
LILIA(リリア)
バジリカ州にあるLILIAの水源地域は広大で、火山によって造り出された自然や独特の地層が広がっています。地下水源も豊富で、イタリア屈指のミネラルウォーターの保水域。モンティッチョ・バーニにあるこのエリアには、非常に特殊で価値の高い自然環境が残されています。標高1327mのヴルトレ山の火山活動の歴史は先史時代にまでさかのぼりますが、この活発な火山活動によって生まれた溶岩地帯など独特の地質・地層帯は、この地域の独特の自然や地下水質、さらにオリーブやブドウなどの農業を生み出しています。
【水タイプ】
産地泉源:イタリア/バジリカータ州
湧水温度:15.8℃
水タイプ:発泡/無発泡
知覚ほか:無臭/pH 6.65
ミネラル:重炭酸600mg,硫酸塩200mg,カリウム26.5mg,カルシウム32.4mg,マグネシウム9.6mg,フッ素1.1mg,硝酸塩7.2mg,塩化物200mg,※イタリア国内での分析による(per.L)
【水ソムリエの飲み方レシピ】
クセが少なく、そのままでもおいしく飲める水です。スチルウォーターと炭酸入りとの2タイプがあります。ワインやジュースの割り水にも合います。また果実を使ったリキュールやカシス、レモンなどフルーツ・フィズを割るのにもぴったりです。美味しい水ですので、できるだけ自然果実を使ったものとのマリアージュがおすすめです。
<ショップ情報>
リカーショップ、AMAZON、インターネット・ショップなど