骨盤底筋を含むお腹の奥にある筋肉を働かせるのに欠かせないのが、『横隔膜呼吸』という胸とお腹の両方を一緒に使う呼吸法です。今回ご紹介するチェックポイントを参考にして、正しい呼吸法を練習しましょう。
教えていただいたのは
中村雄一さん
Yuichi Nakamura
理学療法士。筋膜マニピュレーション認定スペシャリスト。動きの癖や姿勢から痛みを解消する専門家でもあり、便秘、冷え、生理痛など自律神経系の不調ケアも得意
半田 瞳さん
Hitomi Handa
理学療法士。筋膜マニピュレーション認定スペシャリスト。骨盤底筋と尿失禁の研究を専門に行い、多くの論文を発表。独自に開発した骨盤底筋体操の有効性も科学的に証明
骨盤底筋とお腹の奥を働かせるのに欠かせない!
呼吸レッスン
骨盤底筋を目覚めさせる「横隔膜呼吸」をマスター
呼吸というと、胸をふくらませる胸式呼吸や、お腹を使う腹式呼吸が知られています。「でも医学的な観点からは、胸とお腹の両方を一緒に使う『横隔膜呼吸』が理想的。骨盤底筋や腹横筋など、ぽっこりお腹を解消してくれる筋肉は、この呼吸によって自然に動かされます。これらは筋膜が硬くなっていると動きにくいので、まず、筋膜をほぐしてから呼吸の練習をするとぐんと効果が上がりますよ」と中村雄一さん。
「ぽっこりお腹」凹ませ<理論編④>で学んだとおり、横隔膜と骨盤底筋は一緒に動きます。横隔膜がしっかり上下に動いて呼吸できていれば、骨盤底筋もおのずと働くようになります。骨盤底筋を動かせるようになるためにも、この呼吸法はぜひマスターして。
呼吸をチェック!
呼吸の基本は鼻呼吸です。あお向けに寝て、口は閉じたまま、静かに5秒吸って5秒吐く、を繰り返してみましょう。吸う・吐くに合わせて、横隔膜が正しく上下に動くのが理想の呼吸です。さて、あなたの呼吸は?
胸とお腹が一緒に上下する?
胸(鎖骨の下)とお腹(へそ下)に手のひらを当て、鼻で呼吸してみます。息を吸ったとき、両手が同時に同じ高さまで上がるのが正解。きちんと横隔膜を使って呼吸できている証しです。一緒に動かない人は、吐くとき一緒にしぼみ、吸うとき一緒に上がるまで練習を。
息を吸うと、肋骨は横に広がる?
人差し指が肋骨のいちばん下に当たるように、両手を当てます。鼻から息を吸うと肋骨は横に広がり、吐くとしぼむのが正解。広がるまでゆっくり繰り返して。
息を吸うと、へそまわりは360度広がる?
今度は脇腹、へその横に両手を当てて同じように呼吸。息を吸うと上や横だけでなく、背中のほうにまで空気が入り、360度ふくらむのがよい呼吸です。
背中が反ったり肋骨が飛び出てしまう
息を吸ったとき、背中から腰が反るのはNG。腰が浮いていないかどうか確認を。
※上の各画像に触れるかコチラから実演動画に飛ぶことができます。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/レイナ(クリスタリン) モデル/猪原えりこ スタイリスト/鈴木由里香 構成・原文/蓮見則子