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岡江久美子さんの件に思うこと/50代。乳がんサバイバーになりました。

hijiri

hijiri

都内在住の50代会社員。2019年5月に乳がんと診断される。仕事を続けながら10月までに3回にわたる手術を経て、2020年1月に放射線治療が終了。現在は、10年間にわたるホルモン療法薬の服薬を継続、年に一度の検診で経過観察中。放射線治療中も継続したランニングの趣味が高じて、ランニングアドバイザー、スポーツ医学検定2級、ナヴィゲーションスキル シルバーレベル等の資格を持つ。「琉球茶道ぶくぶく茶」東京分室主催。元おでかけ女史組メンバー。

 

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岡江久美子さんの訃報のニュースは皆様ご覧になったかと思います。

 

私も驚いたうちの一人なのですが、その後すぐに新型コロナによる肺炎が直接の死因でなく、乳がん治療による免疫低下が原因と報道されてさらにショックを受けました。

 

このことについて、同じ乳がんサバイバーとして少し書いてみたいと思います。

あまりに似ていた状況

 

そもそも、私がそこまでショックを受けた理由は、あまりに自分の状況に酷似していたからです。岡江さんは昨年末に初期の乳がんの温存手術をして、1月末から2月半ばまで放射線治療を行っていたそうですから、私とは約一か月しか変わりません。(私の放射線治療が終わったのは1月初旬でした)

 

初期の乳がんということですからたぶんステージ0かI。放射線治療を行っていたとのことなので、抗がん剤はしていないはず。そう考えるとまさに私とほぼ同じ状態だったといっても過言ではないはずです。

 

そんな人がコロナであっさりと亡くなってしまうなんて、恐怖も感じたし何とも言えない気持ちになりました。

 

友人も控えめに連絡をくれましたし、やはり岡江さんの乳がん闘病のあれこれが報道されるたびにイメージでも私と結びついてしまうのだな、と感じてとても複雑でした。

 

放射線治療って、本当に免疫が下がるの?

以前の記事にも描きましたが、乳がんで放射線治療を行う場合、どうしても胸の周辺が対象になってしまうので、まったく肺に放射線を当てない、というようにはできません。そのため、喫煙者だったり、体質によっては、本当にまれに肺炎になりやすい人もいるので、治療が終わって半年から一年くらいは気を付けるようにとは言われました。

 

そこだけピックアップすれば、コロナが重篤化すると肺炎になることが多いそうですし、全く無関係とは確かに言えないでしょう。

 

でも、だからといって、今回の死因が乳がんのせいとか放射線治療で免疫が落ちていたから、というのは当てはまらないと思うのです。

 

友人にも聞かれたのですが、そもそも白血病などで体全体に行う放射線治療と、乳がんの初期に念のために行う放射線治療は全然違います。胸に当てるといっても本当に最小限度にしてくれているのは、実際に治療を受けてみればわかります。

 

そのような配慮がなければ、あんなに胸にあれこれマーキングして細かく当てるようなことはせず、がつっと当ててしまえばよいのですから。

 

また、免疫力が落ちるという話ですが、もし本当に放射線治療患者がウィルスなどの感染に弱いのであれば、もっと外出禁止になったり、注意するように言われたと思います。

 

変な話ですが、乳がん患者って手術の順番待ちをするくらい多いんです。その分、症例も他の病気に比べてものすごくたくさんあるわけで、本当にそこまで影響があるならもっとそこは一般的な注意として含まれるはずだと思います。

 

イメージだけで怖がらず、気になったら早めに受診を

 

ただこういうことは、自分が実際にサバイバーとして経験したから言えることだと思います。

イメージだけでニュースをとらえたら、たぶんそのまま「乳がんになっても今は放射線治療するのは怖いかも」などと素直に思っただろうと感じるのです。

 

新型コロナウイルスに感染後、容体が急変したという岡江さん。

肺炎だけでなく、血栓ができやすくなるなど、コロナについては様々な解明がされてきています。病院でのクラスター感染も多く、胸にしこりがあるように感じたり、私のように出血があったりしても、ついつい受診をためらうこともあるかもしれません。

 

でも、がんは自然にはなくなりません。早く発見できるほど転移している可能性も低く、直る可能性も高まります。

 

確かに新型コロナウイルスは怖いです。でも、だからといって乳がんの治療に及び腰にならず、きちんと受診・治療をしてほしいと思います。

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