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子宮頸がんは発生前に発見できます!「ワクチン+検診」で防げる時代に

実は更年期世代が子宮頸がんの発症のピークということを知っていますか? 子宮頸がんが発生する仕組みは? 早期の円錐切除術とは? 子宮頸がんの基礎を知っておきましょう。

 

お話を伺ったのは

宮城悦子
宮城悦子さん
医学博士。婦人科腫瘍専門医・指導医。
公式サイトを見る

1988年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部産婦人科学教室主任教授。日本産科婦人科学会特任理事(子宮頸がん検診・HPVワクチン普及推進担当)。日本の子宮頸がん予防活動の第一人者

 

定期的な子宮頸がん検診でがんを「発生前」に発見できます!

子宮がん検診といわれているものは、すべて“子宮頸がん”の検診です。子宮頸がん検診として国が推奨しているのは「20歳から2年に1回の子宮頸部『細胞診』」です。小さな専用ブラシで子宮頸部をこすって細胞を採り、異常な細胞を顕微鏡で調べます。

 

「頸がんの原因は、ほとんどがHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。HPVは性交渉で感染するウイルスで、感染そのものは稀ではなく、多くの場合、自然消失します。一部、消失せずに感染が続くと頸がんに。喫煙もリスク因子です。

 

現在、HPVワクチンと検診を組み合わせることで子宮頸がんの高い予防効果があります。自覚症状は不正出血ですが、更年期世代は月経がばらつくため見極めが難しいです。定期的な子宮頸がん検診で、がんになる前に発見でき、早期発見や予防につながります」(宮城悦子先生)

 

 

HPVに持続感染してから数年~数十年で
およそ100人に1人ががんになる

HPVに持続感染してから数年~数十年でおよそ100人に1人ががんになる
性交渉によってHPVに感染することが子宮頸がんの原因に。感染そのものは稀ではなく、多くの場合、自然消失するが、一部消失せずに感染が続くと頸がんに

 

 

前がん病変やごく早期なら円錐切除術が可能です

前がん病変やごく早期なら円錐切除術が可能です

 

前がん病変やごく初期の早期に発見されれば、子宮頸部の円錐切除術が可能で、子宮も残せます。日帰り手術も可能です。しかし妊娠・出産世代には、子宮頸部が短くなって早産率が高まったり、子宮の入り口が狭くなったり、妊娠しにくくなる可能性があります

 

子宮頸がん基礎知識

どんな病気?

子宮がんには、子宮体部にできる「子宮体がん」と子宮頸部にできる「子宮頸がん」があります。子宮頸がんは、正常な状態からすぐがんになるのではなく、異形成といわれる、がんになる前の状態を何年か経てからがんになります(上図を参照)。

 

【原因は?】

おもに性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が原因です。

 

【症状は?】

異形成の時期では症状がなく、初期はおりものや出血、痛みもほとんどありません。

 

【気をつけるべきは?】

20歳から2年に1回の細胞診は欠かさず受けましょう。喫煙により子宮頸がん発生の危険性が高まります。

 

【予防法は?】

定期的な検診とHPVワクチン接種で予防効果があります。

 

更年期世代なら、まずは2年に1回の子宮頸がん検診を着実に行うことで予防になります!

 

治療法

手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つを単独、もしくは組み合わせて行います。がんの病期(ステージ)と年齢や治療後の妊娠希望の有無、基礎疾患の有無などにより、医師と十分に話し合って最適な治療法を選択することが大切です。

 

 

イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加

 

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