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下重暁子さんインタビュー/50代は人生の「忘れ物」探しを始めるとき

『生涯現役は50代の生き方が決める』

著者インタビュー

 

下重暁子さん 『生涯現役は50代の生き方が決める』著者

下重暁子さん

Akiko Shimoju

 

1936年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。フリーとなり民放キャスターを経たあと、文筆活動に入る。ジャンルはエッセイ、評論、ノンフィクション、小説と多岐にわたり、『家族という病』(幻冬舎新書)はベストセラーに

 

人生の折り返しに差しかかる50代は
“忘れ物”探しを始めるとき

 

「人生を山登りにたとえると50代は頂上」だと下重さん。慎重に下らなければならないけれど、頑張ってきた成果を楽しめるのも50代。

 

「同時に、自分が本当にやりたいことを始める最後のチャンス。もちろん何歳からでも遅くはないけれど、体力的な意味でね。私自身を振り返ると、その年代まで仕事ばかりで、ふと何か忘れ物をしているような気になって。

 

もっと自分が好きなことがあったはずなのに、何もしてないじゃないって。それで48歳からバレエや歌を始めたら、見える景色が変わってきたんです。

 

皆さんも、仕事や生活に追われて本当にしたかったことを見失っているんじゃないかしら。忘れ物は探さなきゃ」

 

夢中で山を登ってやっとたどり着いた見晴らしのいい場所。遠くの忘れ物も、ここからなら探しやすい気もします。でも、若い頃に比べて体力は落ち、感性も鈍っていて…。

 

「その違いが面白いんじゃない! 若いときには気がつかなかったことがわかるのが新鮮なんです。例えば散歩の行き帰りの道を変えて、新しい景色を楽しむ。そんな発見の刺激が、細胞を新しくしてくれる気がします」

 

思いきってもう一歩前に出る行動力が必要な50代、本著の言葉に背中を押されます。

 

「これから新しいことを始めるなら、少し自分の手に余るような手強いことじゃなきゃ、本当の楽しみはわからないと思います。楽しいことと“ラク”なことは違うから。趣味や遊びこそいい加減じゃだめ。仕事は楽しく、遊びは真剣に、が私のモットーです」

 

人生100年時代の今、私たちはつねづね生涯現役でありたいと願っています。でも、そもそも“現役”ってどんな状態なのでしょう?

 

「現役とは、自分の生き方をしているかどうか。何事も人から強制されず、自由を獲得している状態だと思います。そして自由であるためのふたつの条件が、経済的自立と精神的な自立。

 

主婦であっても、衣食住や教育、家計の管理でさまざまな経験があるでしょう? そこを足がかりにして得意なことを仕事にしたり、興味あることを深く学び直したり。

 

今ならオンラインでもビジネスや勉強ができますし、可能性はさらに広がっているはず」

 

人生の先輩としてのお言葉、心に響きます。

 

「そんな、私の言うことを教訓みたいにとらえられても困ります(笑)。本来は遊び好きで、自分勝手な人間なんですから。でも、いくつになっても人から求められることは大事。

 

自立して生きるといっても一人で生きているわけじゃない。誰かに必要とされているうちは、生きていける。私はそう思っています」

 

『生涯現役は50代の生き方が決める』下重暁子 著/三笠書房 知的生きかた文庫

『生涯現役は50代の生き方が決める』

 

下重暁子 著/三笠書房 知的生きかた文庫

715円

 

これまでの歩みを振り返り、自己を見つめ直す機会が増える50代。この先の時間をどう使うか。仕事、趣味、健康、家族、美について、豊かな人生を過ごすためのヒントが満載。

 

撮影/橋本 哲 取材・原文/小田芳枝

 

 

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