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もうすぐ50歳。身の回りのモノや 人間関係をそろそろ整理したい

地曳いく子

地曳いく子

non-no、MORE、Oggi、eclatなど雑誌を始めとし、タレントの衣装も担当。イタくない大人のスタイリングを得意とし、テレビ、トークショーなどで活躍、キャリア30年のスタイリスト。大人のおしゃれを考え直す「50歳、おしゃれ元年。」(集英社)をはじめ、「服を買うなら、捨てなさい」(宝島社)、「ババア上等! 余計なルールの捨て方 大人のおしゃれDo!&Don’t 」(集英社)など著書多数

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<お悩みその20>

もうすぐ50歳です。終活にはまだ早いと思っていますが、そうは言っても自分の身の回りのモノ(物だけではなく人間関係も含めて)をそろそろ整理して、できるだけ快適に過ごしていきたいと思います。人生のお片付け、地曳さんはどうされていますか?(49歳・会社員・愛知県)

 

<お答え>

もうすぐ50歳…。わかります。50歳って人生の折り返し地点、そういうことを考える歳なんですよ。

私はまず40歳のときの引っ越しで、ものすごく持ち物を処分しました。50歳のときも『服を買うなら、捨てなさい』って本を書いちゃったから(笑)もう一回、モノも人もかなり整理しましたね。

 

だけど、日本に生きている限りモノは増えていくし、モノの片付けに終わりはない本当に、亡くなるときまでお片付けはついてきます。

 

 

確かに、モノを減らしたほうが人生はラクなんですよね。私も本に「買うなら捨てなさい」とか書いたくらいですから、それはわかってるんです。わかっちゃいるけど、新しいものに触れる楽しさってあるからいつの間にかモノは増えていくし、私もやっぱり片付けは苦手。最近だって、コロナ禍のステイホームの間は家にいてすごく時間があったわけですけど…人間、時間があってもできないことはできない。ステイホームで、“やる気”もステイしてしまった(笑)。

 

でもね、私の友達で、雑誌に出てくるみたいにすばらしくきれいなリビングのお宅に住んでる人が何人かいるんですけど、そういう人たちには共通して絶対ひとつ、「開かずの間」があるんです。つまり、一部屋を犠牲にしてそこにぎゅーっとモノを詰め込んでるの。もう「ええ~っ!?」って驚くくらい。

 

だから、もしあなたがそういう開かずの間、秘密の部屋が作れなかったら、秘密の箱をいくつか作るといいと思います。ウチにも実は“開かずのクローゼット”があるんだけど、そうすると、目に見えるところはわりときれいにできます。私はお風呂場と洗面所と台所、寝室だけはきれいにするって決めてるの。自分が長くいる場所だけはきれいにして、ちょっと犠牲になる部屋とか箱とかコーナーを作るで、あるとき、その部屋とか箱を見ると、そこにはいらないモノ、普段使わないモノがたまってるから、それは思い切ってほぼ全部捨てる。

 

 

あとね、最近私が訪ねた友達の別荘も、本当に片付いててきれいなお宅なんだけど、そこの友達は「そうよね~いく子さん」とか言いながら玄関のスリッパを片づけたり靴をそろえたり、なにかしらずっと片付けてるの。「今日ゆっくりできるんでしょう?」って言いながらちょっとごみを拾ってまとめるとか、もう3アクションぐらいしてる。片付けが動作の一部分になってるんです。

 

私、それで開眼したの。コーヒーを飲んだら、以前は全部まとめて夜やればいいや~ってソファーでぐだぐだしたり、せいぜいカップに水を入れておくだけだったんだけど、そこで洗って布巾で拭いて棚にしまう、までしちゃうわけ。ホントにちょっとしたことですけど、「彼女だったらどうする大作戦」でやってみると、実際1分も違わないわけですよ。しかも、次に台所行ったときにきれい!

 

できるかな~って思うでしょ? いやいやいや、ちょっとやってみてください。全部やらなくても、ちょっとプラスアルファでいいんです。片付けを動作の流れのひとつに入れるだけ。片付けって言うと、例えば服とか雑誌とかまとめて捨てようと思うじゃないですか。でもなかなか捨てられない。だから1つずつ捨てるの。帰ってきて服を脱いで、「あ、もう肩紐が落ちてきたじゃないこのブラ」って思ったら、それはもうそのままゴミ箱に捨てる。1週間ためてとか1カ月ためてじゃなくて、ちょこちょこおそうじ、ちょこちょこ捨てこれ、片付けが苦手な方におすすめです。

 

 

友だち関係もね、自分がしんどいときとか疲れてるとき、いつもだったら何とも思わないLINEの返信に心がやられちゃうことってありますよね。そしたら1回、そのお友達を整理してもいいと思います。その人には悪気がなくても「あ、自分には合わないんだな」と感じたら、まめにLINEをミュートしたり返信忘れたり、するといいですよ(笑)。

 

そうして少し距離をおいていて、また自分の状態がよくなったら「ごぶさたしてま~す、ちょっと私疲れてました、ごめんね」って復活する方法もありますから。だからとりえず今、苦手だな~つらいな~と思う人からは離れておく。そうすると人間関係はうまくいきます。

 

 

あなたは「できるだけ快適に過ごしていきたい」っておっしゃっていますけど、ポイントはまさにそれ! モノを捨てるときの基準は、肩ひもが落ちちゃうブラジャーとか、なんだかしらないけど勝手に縮んでしまったスカートとか(笑)、「自分が快適じゃない」と感じたときです服だって靴だって、今まで大丈夫だったのに突然着心地が悪くなったり足が痛くなったりするでしょう? 人間関係もそう。それはもう、その人とかモノとおつきあいする時代が終わったってことなんです(ここで中島みゆきの『時代』が流れる 笑)。

 

 

 

イラスト/松元まり子

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