新型コロナウィルスのせいで、死も身近になった今日この頃。50歳過ぎたら、もういつ死んでもおかしくないんだから、そろそろ終活の第一歩をスタートさせたほうがいいですね。手始めとしてやるべきことは、人生を振り返って、やり残したことがないかを確認することです。
なるべく現実的なものがいいですね。たとえば「ピアノが弾けるようになりたかった」とか、「マチュピチュとウユニ塩湖に行きたかった!」とか。
この先、齢とって病気になって、自由に動けなくなるかもしれないから、動けるうちに、後悔しないようにチャレンジしておきましょうということです。
私はアラフィフの頃に、念願のジャマイカ旅行に行きました。映画『カクテル』を観て以来、ずっと行ってみたかったのよね。そしてジャマイカに行くなら、「男と行く」というイメージだったので、ふた回り年下の若い男と一緒に行ったんですね。でも、これが失敗だった(笑)。
最高級のホテルに泊まって、砂浜で馬に乗ったり、ゴルフやテニスをしたり…。金持ちがする遊びを一通り体験して、それはとても楽しかったんだけど、その若者が海外旅行慣れしてないし、場慣れしてないから、エスコートもコーディネートもまったくできなくて、まったく使えないの。むしろ私が引率のおばさんになってしまったのよね(悲)。腹立つったらありゃしない。
そんなとき、たまたまホテルのテラスで出会ったのが、パパ・ヘミングウェイみたいなロマンスグレーの紳士。あら素敵♪と(笑)。これまで世界中を旅してきた話なんか聞かせてくれて、私のグラスがカラになったら、すかさず「何飲む?」と聞いてくれて。連れの男子にはないものが全部あったのよね。
ぜひともねんごろになりたかったけど(笑)、しばらくしたらモデルみたいなイケてるお姉ちゃんがやってきて、「彼女来ちゃったからまたね」って去ってきました。残念!!
ラム酒を片手に沈んでいく夕日を眺めながら、『なんであんな若者と来ちゃったんだろう』って反省したわ。
ということで、話がそれましたが、熟年の旅は誰と行くかがとても大事です。旦那やパートナーが旅慣れてなかったら、ちゃんとツアーに入ったほうがいいですね。最近は、安全で食も豊かで、あまり歩かなくてもいいという熟年層向けの海外ツアーもいろいろあるらしいから、ちゃんと旅行代理店で調べましょう!
「プライド」コーラス2004年3月号扉
取材・文/佐藤裕美