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成功の秘訣はどんなにみっともなくても与えられたチャンスに食らいつくこと。その道の一流の裏と表を知ること/一条ゆかり

一条ゆかり

一条ゆかり

いちじょう・ゆかり 漫画家。「デザイナー」「有閑倶楽部」「プライド」など、OurAge世代なら誰もが夢中になったヒット作多数。大酒豪、愛煙家など破天荒な伝説数多くあれど、現在は家庭菜園でトマトを育てるなど、いたって健康的な日々。この連載ではOurAge世代への”愛とムチの金言”を、ビシビシといただいていきます!

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長い間、いろんな人を見てきて思うのは、「ここはちゃんとやらなくちゃダメよ」っていう時が人生には何回かあるんだけど、それを見逃す人の多いこと!! 「今こそやるべき時だろう!」と思うのにチャンスに気づかなかったり、尻込みしたり、プライドが高くてくらいつけなかったり。あ~、もったいない!! って思います。

 

チャンスにしがみつくことをみっともないとか、みじめとか思う人もいるだろうけど、それは周囲が思うことで、本当に成功したいのであれば、人の評価や周囲の視線を気にしないことです。そこが一番大事よね。人がこう言うからやめようとか、人の考えによって自分の行動を変えるのではなくて、自分が望むところにどうやったらたどり着くか、徹底的に自分中心に考える。

 

私の場合、自分の好きなものと、一般の読者が好きなものとがかけ離れていたけれど、読者に合わせて自分を変える気もなかったし、はなから人気者になろうという気持ちもなかったの。ただ、自分が面白いと思うことを人が面白く思えたらいいなということはいつも考えてました。

 

でも、自分の好きなものを読者に押しつけると、たぶん拒否反応を起こされてしまうと思ったので、間にクッションを挟んだりして。それは読者にすり寄ることではなくて、読者に私を理解してもらうために必要なものだったんですよね。そういう意味で読者を客観的に分析することはすごく大事だと思います。

 

それで思い出しました。まだ20歳くらいの頃、ある編集者が手塚治虫先生のことをちょっとディスっているのを耳にしました。「先生は漫画の神様なんだからドーンと構えていればいいのに、人気のある漫画を研究したり、才能ある若い漫画家さんのことを、やきもち焼いてライバル視したりして意外と気が小さい」と。

 

それを聞いて、私は何を言ってるんだと。それこそが、ずっと一流でいた証じゃないかと思ったんです。

 

手塚先生は、漫画界の現状と自分の実力を客観的に見られる人で、「もしかしたら自分はもう古いんじゃないか」と怯えられる人だった。その感覚がなかったらずっと最前線でいることはできなかったと思うんですよね。超一流のすごさを20歳にして知った一条でした。

 
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プライド

 

取材・文/佐藤裕美

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