皆様は、「京もの」をご存じでしょうか。
京都で育まれてきた伝統的な工芸品のことを
「京もの」と呼んでいるそうです。
「京もの」の魅力を
現代でも使いやすいものとして伝える理念の
プロジェクトがあり、国内向けは「Project-kyo-to」
海外向けは「Kyoto Connection」「Kyoto Contemporary」
などと呼ばれています。
京都の熟練職人・直伝にて、
「友禅型紙彫刻」を体験してきました。
「友禅型紙彫刻」とは、
江戸小紋、藍染、印伝の染め付けなど
型染に用いる伊勢型紙の彫刻です。
和紙を柿渋で貼り合わせた渋紙に描かれた下絵を
様々な手彫りの技法で彫刻刀を使って模様を切り抜きます。
伊勢型紙には、千年以上もの歴史があります。
師匠は、西村武志さん。
お道具は、
はがきサイズの渋紙と専用の彫刻刀。
先生が予め下絵を用意してくれた型紙。
下絵の線に沿って、彫刻刀を運んでいきます。
今回の下絵は、おめでたい「松竹梅」柄。
彫刻刀は、丸型の大小2本。
美しい仕上がりへのポイントは、
抜きが等間隔であること。
最初と最後の彫りの間隔が狂わない様に、
とても集中しました。
その割に、出来栄えは・・・。
お優しい師匠は、
「よくでけてます」と、はんなりした京言葉で
褒めてくださいましたが、
まあまあでしょうか。
お着物の需要が減っている昨今。
型紙彫刻の技術を日常で使えるものに、と
師匠・西村さんの素晴らしい作品の数々も
見せていただきました。
短時間で匠の技に近づくなんて、
「恐れ多い」と、即座に反省した私でした。
これはiPadカバー。
パリで開かれた見本市「メゾン・エ・オブジェ」
そして「パリ展示商談会 」でも
大好評だったそうです。
「この年になって、パリに行くことになるとは
思わへんかった」
西村さんは、パリ滞在をとても堪能なさったそうで、
楽しいお話をたくさんしてくださいました。
昨年、私は型紙を使ってストールを染めました。
15枚くらいの型紙を使用して、型紙の数だけ場所を変えながら何回も染めていくことで文様が出えてきます。
私が染めたのはオレンジとグリーンの「葉」模様です。
その時に「次は、型紙を彫ってみたい」と思っていました。
そして今回、その念願が叶ったというわけです。
ステキな師匠との出会いもあり、
とても幸せな1日でした。
次は京都での再会のお約束が果たせることを
今からとても楽しみにしています♪
西村友禅彫刻店
http://nishimurayuzen.tanmono.com/