ハリ、ツヤがなくなる、などの髪質の劣化。そのままにしておくと、今や600万人とも言われる薄毛に悩む女性の仲間入りをしてしまいます。
改善のためにはどんなことができるのか、「AACクリニック銀座」の浜中聡子先生に、女性の最新育毛事情について教えていただきました。
<頭皮環境の改善>
重要なのは、頭皮。血流をよくする努力を!
「髪の悩みのなかでも、特に深刻なのが薄毛です。女性の薄毛には、加齢、ホルモンバランス、ストレス、不規則な生活、過度なダイエット、間違った頭皮ケアなどが影響しています。しかも男性とは違い、女性の場合ははっきりと原因を断定できないだけに、治療が難しいのです」と話すのは、女性専門の頭髪治療で知られる「AACクリニック銀座」の浜中聡子先生です。
「髪には成長期、退行期、休止期というヘアサイクルがあります。このサイクルさえ正常ならば、髪は抜けてもまた生えてきます。ですが、それには、頭皮の環境が整っていることが前提となります」
髪は、十分な栄養が行き渡らないと細胞分裂が正常に行われなくなってしまい、丈夫に育ちません。そして、その細胞に栄養を運ぶ役割を果たすのが血液。だから、まずは血流をよくすることが重要になってくるのです。
そして、頭皮が汚れている、毛穴に皮脂が詰まっている、保湿が十分でないことなども、頭皮の負担に。頭皮を清潔に保ち、適度に保湿することも頭皮環境をよくするポイントになります。
「女性は、一般的に加齢とともに、皮脂の分泌量が減少していきます。と同時に、40歳を過ぎたあたりから、加齢臭が強くなりがち。その多くは頭皮からにおうもので、本人だけが気づいていないというケースも少なくありません。よほどひどい乾燥肌でない限り、やはり毎日の洗髪をおすすめします」
洗髪は髪ではなく頭皮を洗うことが目的なので、頭皮を指の腹で優しく丁寧に洗いましょう。最後に、しっかりと液剤を洗い流すことも大切です。また、洗髪後に濡れたままでいると細菌が繁殖しやすくなるので、ドライヤーで頭皮まで乾かして。
特別な何かより、毎日の地道なケアが大切
「よくシャンプー選びで悩む方がいらっしゃいますが、かゆみ・かぶれ・フケなどが出ず、洗髪後に心地よくいられるなら、さほど神経質にならなくてもいいと思います。ただ、毎日洗っていて、洗いすぎかもと感じるようなら、アミノ酸系をはじめ、マイルドな成分のものに替えてみるなど見直しをしてみては? また、市販の育毛剤についてもよく質問されますが、現在、医薬品として発毛効果が認められているのは、ミノキシジルという成分のみ。これはクリニックでも処方しています。ただし、この成分が配合された育毛剤も、半年ほどは使い続けないと効果が出ないので、焦りは禁物です。現在は各クリニックでさまざまな治療法が実践されています。症状や体質、予算などとも相談して、自分に合ったものを見つけてください」
そして、もうひとつ気をつけたいのが紫外線。紫外線を浴びると頭皮が乾燥するだけでなく、体内に活性酸素が発生し、育毛にも悪影響を及ぼします。強まる5月頃から、帽子や日傘などで頭皮を守る対策をとりましょう。
(女性の最新育毛事情「めざしたいのは、艶髪!」②は、明日、お届けします。お楽しみに)
<ケイコ>
浜中聡子先生プロフィール
北里大学医学部卒業。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医、米国先端医療学会専門医などの資格を多数取得。2009年「AACクリニック銀座」院長に。著書は「女性の薄毛・抜け毛 お悩み解消BOOK」(主婦と生活社)
撮影/板野賢治 ヘア/本山貴士(POOL) モデル/原 由美 スタイリスト/櫻井聖子(aloha dog)
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