いし 冬将軍の到来とともに戻って参りました。ぐうたらライターいしまるこです。寒さとともに胃腸の働きも鈍りがちですね。
そこで今回の連載テーマは
「胃腸年齢」
でございます。
アワエイジ世代になると、胃腸の不調を訴える人が増えますが、いしまるこも40代に入ったあたりから、どうも胃がもたれやすくって。
根来教授、一体全体どういうことなんでしょう?
根来 40代以降は胃粘膜や胃液分泌線が萎縮して胃粘液が減るうえに、胃粘液の質も低下、胃の運動機能も落ちます。そのため消化活動が落ち、食べたものが長時間胃にとどまるため、胃の不調を招きやすいんです。
いし つまり、胃が老化してるんですね…。
根来 まあ、そういうことですね。胃が弱るとその分、腸に負担がかかり、消化吸収が低下します。すると、大腸に腐敗物やガスが滞留し、腸管の粘膜を通じて老廃物が全身を巡り、頭痛、肩こり、倦怠感などの不定愁訴が起こり、シミや肌荒れなど見た目の老化にもつながります。
いし あぅ。
根来 また、胃腸の動きは自律神経によってコントロールされているのですが、更年期には女性ホルモンの急減による影響で自律神経が乱れがち。
交感神経が優位になることで胃腸の粘膜が収縮し、そこに張り巡らされている毛細血管の血流悪化を招きます。その結果、胃炎や胃潰瘍、便秘、下痢、腸炎などにつながることもあるんです。
いし あぅあぅ。
根来 腸管には体全体の7割ものリンパ組織が存在し、外敵から体を守る免疫組織の中心的な役割を果たしています。
ですから、腸の働きが悪くなると免疫状態も落ちて、風邪を引きやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなったりするんです。
いし あぅあぅあぅ。
根来 胃腸は消化管の中枢であり、栄養を体内に取り込み、老廃物を体外に出すという生命活動の根幹にかかわる臓器です。
胃腸が元気になると、他の臓器の働きもよくなり、胃腸が弱ると他の臓器の働きも悪くなりますよ。
いし 食べ物の消化吸収って、小学校で習ったなあ。
基本中の基本で知っているつもりになっているけれど、意外とあやふやかも……。
根来 では「消化・吸収の流れ」をさらっとおさらいしておきましょう。
消化・吸収の流れ
食道から胃に入ってきた食べ物は、胃液と混ざってどろどろになり小腸の入口である十二指腸へ運ばれます。十二指腸には胆のう・膵臓とつながる管の開口部があり、食べ物が運ばれてくると胆汁と膵液が分泌され消化吸収を助けます。
栄養素と水分のほとんどは小腸で吸収され、吸収された栄養素は血液に乗って肝臓へ送られ解毒され、その後、心臓へと運ばれ全身の細胞へ。残った消化物は大腸に送られ、さらに水分やミネラルが吸収され固形化。残りカスは便に混じって排泄されます。
いし 改めて聞くと、消化・吸収のシステムって本当によくできていますね!
根来 本当に素晴らしいんですよ。次回はもっと掘り下げて、胃腸の若さを決める三大要素についてお話しします。
いし これは見逃せませんね!
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン