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美腸ケア⑤腸にまつわる話・習慣のウソorホント−2/宿便はあるの? 腸の若返りは無理?

美腸ケア5

腸にまつわる ウソorホント

 

 

今までどこかで聞きかじった、腸に関する知識。 本当はどうなの?

 

ここでは、腸の専門家お二人に腸にまつわる話のウソorホントについて確認。Q&A方式でご紹介します。

 

今回は、腸内フローラが組成される時期は? 宿便は本当にあるの? など、4つのウソorホントです。

 

 

 

 

 

藤田紘一郎さん Koichiro Fujita

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東京医科歯科大学名誉教授、

人間総合科学大学教授

 

 

 

辨野義己さん Yoshimi Benno

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理化学研究所イノベーション推進センター
辨野特別研究室特別招聘研究員

 

 

 

 

 

Q 腸内フローラは生後10カ月で決まる?

 

 

ホント

A 10カ月までにたくさんの菌に触れることが大事。

 

赤ちゃんがママのお腹の中にいるときは無菌状態で、初めて菌に遭遇するのは分娩時に産道を通るとき。産まれたあとは、まわりの菌に触れ、乳を飲むことで、善玉菌であるビフィズス菌やラクトバチルス菌などが一気に増加。

 

さらにハイハイしたり、離乳食の時期にたくさんの菌を取り入れて、生後10カ月頃には腸内フローラのおおまかな組成バランスが完成します。腸内細菌が豊富なほど免疫力が高くなるので、この時期にいろいろな自然に接し、多くの菌を獲得することが、丈夫な体に育つ秘訣です。(藤田先生)

 

 

 

 

Q 現代人は腸内細菌が減っている?

 

 

ホント

A 極度のきれい好きが細菌の数を減らしています。

 

昨今の子育てを見ていると、生活空間の過度な除菌・殺菌、ハイハイをさせないなど、極端な清潔志向が目につきます。しかし、赤ちゃんはこうした過程で、世の中にあるちょい悪菌と触れることで、腸内細菌を獲得し、免疫力を高めているのです。

 

また、善玉菌が喜ぶみそや納豆などの発酵食品の摂取量が減り、腸内細菌や腸粘膜を傷める食品添加物などの摂取が増えていることも、腸内細菌を減らしている原因。アトピーやリーキーガット症候群(※)も、腸内細菌の減少が一因とも言われています。(藤田先生)

 

※Leaky Gut Syndrome(LGS)=腸管壁浸漏症候群。小腸(ガット)の粘膜に穴があき、異物が漏れる(リークする)という、今、着実に増えている腸の症状。

 

 

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気になる宿便に関するウソホントは、次ページに。

Q 宿便はある?

 

 

ウソ

A 腸の構造・働きからして考えられない。

 

宿便というと、腸壁にねっとりこびりついた老廃物のイメージですが、そんなものは腸の構造上ありえません。宿便はそもそも、便秘などで腸内に長く留まっている滞留便のこと。腸内細菌は日々はがれ落ちて、増殖を繰り返しているため、腸壁にずっと張りついてはいられません。

 

また、腸内洗浄も意味がありません。腸内を洗っても、悪玉菌だけが流れるわけではなく、菌は一時的には減るものの、食事をすればすぐ元に戻ります。かえって挿入したノズルで腸粘膜を傷つけるなど危険のほうが大です。(辨野先生)

 

 

 

 

Q 老化した腸は復活できない?

 

 

ウソ

A 腸は生命のかたまり。90歳になっても若返りは可能!

 

腸は日々活発に新陳代謝を繰り返しています。その生まれ変わりのサイクルは1~3日。そのため非常に回復力に優れた臓器なのです。どんなに腸内環境が悪化しても、腸にいい食事や生活習慣を続けていれば、少しずつでも必ずコンディションは回復します。

 

90歳の人が20歳の腸に戻ることはできないかもしれませんが、腸年齢を若返らせるのに年齢制限はありません。逆に実年齢が若くても、腸に悪い生活を続けていれば、腸の老化は確実に進みます。ぜひとも今日から、腸内エイジングケアを!(藤田先生)

 

 

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次回は、早寝早起きは腸内環境にいいの? 腹筋は便秘に効く? など、腸にいい習慣のウソorホントについてご紹介します。

 

 

 

撮影/城 健太 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子

 

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